『磐城誌料歳時民俗記』の世界

明治時代の中頃に書かれた『磐城誌料歳時民俗記』。そこには江戸と明治のいわきの人々の暮らしぶりがつぶさに描かれています。

陰暦12月  お歳暮

2008年05月08日 | 伝説
天保12(1841)年に、
いわきの地に生まれた大須賀筠軒(大正元(1912)年没)が、
明治25(1892)年に書き記した
『磐城誌料歳時民俗記』(歴史春秋社刊)を
ひも解くこととする。

さて、『磐城誌料歳時民俗記』の陰暦12月の項には、
次のような記述がある。「お歳暮」についてのものだ。

中旬以後、親戚、親友互ニ相餽遺(ヲクリモノ)ヲナスヲ
單ニ歳暮ト唱フ。
卒歳ヲ祝賀スルノ礼ナリ。
此餽遺ノウチニ男子ノ生レタル家ヘハ破魔弓ヲ贈リ、
女子ノ生レタル家ヘハ羽子板ヲ贈ル。

これを現代的な表現に改めると、
次のようになるかと思う。

陰暦12月の中旬以後、
親戚や親友同士が互いに贈り物をし合う。
これを単に歳暮と呼ぶ。
無事に一年の終わりを祝うのである。
このなかで特に男の子が誕生した家へは破魔弓を贈り、
女の子が誕生した家へは羽子板を贈る。
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