NTTドコモの中村維夫社長は6月27日、モバイルビジネス研究会で討議されている案件に対する考え方を述べた。
(中略)
SIMロックの解除も、モバイルビジネス研究会の重要な討議案件の1つだ。海外では、SIMを差し替えることで1つの端末を異なるキャリアの通信網で利用できる、SIMロックフリーの端末が流通しているが、日本ではこうした端末はほとんどリリースされていない。キャリアの囲い込みをなくし、事業者間の競争を促進する意味でも、SIMロックを解除するべきという声が、研究会の構成員の間から挙がっていた。
しかし日本では現状、キャリアがサービスの仕様を策定しているため、SIMロックを解除してどのキャリアのサービスでも使えるようにするには、1つの端末内にすべてのサービスに対応できる機能を盛り込む必要が出てくる。また、ドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルがW-CDMA方式を採用する一方、auがCDMA方式を採用するなど通信方式も異なるため、単にSIMロックを解除するだけでは効果が限定的だ。
中村氏も“現状ではSIMロック解除はかなりしんどい”という見方を示す。「SIMロックの解除には、いろいろ難しい問題がある。(モバイルビジネス研究会の議論の中でも)単純な話じゃないことがお分かりいただけたと思う。これから先、どう対応するのかについてはまだ打ち合わせていないが、かなりしんどいという話をしている」(中村氏)
ITmedia D モバイル:モバイルビジネス見直し案発表──ドコモ 中村社長の考えは
SIMロック解除にはキャリアの囲い込みという問題と各社のサービスに対応させるための技術的な問題の二つがある。
DoCoMoからすれば、DoCoMoのサービスだけで使うことを前提に製造して価格設定しているのだから、それとまったく同じ価格でSIMロックだけ解除するわけにはいかないというのが本音だろう。
これには功罪の両面がある。DoCoMo独自のサービスを提供しやすい反面、どこの会社のサービスにも対応するような端末が作りにくくなっている。CDMAのauはそもそも方式が違うので対応できないのはしょうがないが、DoCoMoの端末はiモードしか対応していないので、同じW-CDMA方式のソフトバンクのYahoo!ケータイやS!メールにも現状では対応できない。
それらにも対応できるように作るためには当然余分なコストがかかってしまうために、SIMロック解除用端末はかなりのコストアップになりそうだ。
音声通話だけで、Webやメールは不要ならば、そのような問題も関係ないが、はたしてメールもできない端末がどの程度売れるのかは疑問だ。
もっともDoCoMoがせめて世界標準のSMSやMMSに対応していれば、少なくともメールの問題はなかったのかもしれない。その点では、ソフトバンクの方が世界標準に近いので、SIMロックを解除してもメールだけは使える可能性もありそうだ。(もちろんiモードメールは不可)
DoCoMoは2GでPDCという日本でしか通用しない方式にしてしまったのが、現在の国内メーカーの世界シェアの低下を招いたという見方もある。日本の携帯電話の鎖国状態のかなりの責任はDoCoMoにありそうだ。それに風穴を開けたのが当時のボーダフォンで世界標準を日本に持ち込んだとも言える。
そして3Gでもその二の舞になりかねない状況を作ってしまった責任は重大だ。
DoCoMoは本当にこのまま日本国内だけでずっと内弁慶のままでいいのかを、そろそろ真剣に考えるべきではないだろうか?それが今後の日本の携帯電話の未来に大きく影響しそうな気がする。
(中略)
SIMロックの解除も、モバイルビジネス研究会の重要な討議案件の1つだ。海外では、SIMを差し替えることで1つの端末を異なるキャリアの通信網で利用できる、SIMロックフリーの端末が流通しているが、日本ではこうした端末はほとんどリリースされていない。キャリアの囲い込みをなくし、事業者間の競争を促進する意味でも、SIMロックを解除するべきという声が、研究会の構成員の間から挙がっていた。
しかし日本では現状、キャリアがサービスの仕様を策定しているため、SIMロックを解除してどのキャリアのサービスでも使えるようにするには、1つの端末内にすべてのサービスに対応できる機能を盛り込む必要が出てくる。また、ドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルがW-CDMA方式を採用する一方、auがCDMA方式を採用するなど通信方式も異なるため、単にSIMロックを解除するだけでは効果が限定的だ。
中村氏も“現状ではSIMロック解除はかなりしんどい”という見方を示す。「SIMロックの解除には、いろいろ難しい問題がある。(モバイルビジネス研究会の議論の中でも)単純な話じゃないことがお分かりいただけたと思う。これから先、どう対応するのかについてはまだ打ち合わせていないが、かなりしんどいという話をしている」(中村氏)
ITmedia D モバイル:モバイルビジネス見直し案発表──ドコモ 中村社長の考えは
SIMロック解除にはキャリアの囲い込みという問題と各社のサービスに対応させるための技術的な問題の二つがある。
DoCoMoからすれば、DoCoMoのサービスだけで使うことを前提に製造して価格設定しているのだから、それとまったく同じ価格でSIMロックだけ解除するわけにはいかないというのが本音だろう。
これには功罪の両面がある。DoCoMo独自のサービスを提供しやすい反面、どこの会社のサービスにも対応するような端末が作りにくくなっている。CDMAのauはそもそも方式が違うので対応できないのはしょうがないが、DoCoMoの端末はiモードしか対応していないので、同じW-CDMA方式のソフトバンクのYahoo!ケータイやS!メールにも現状では対応できない。
それらにも対応できるように作るためには当然余分なコストがかかってしまうために、SIMロック解除用端末はかなりのコストアップになりそうだ。
音声通話だけで、Webやメールは不要ならば、そのような問題も関係ないが、はたしてメールもできない端末がどの程度売れるのかは疑問だ。
もっともDoCoMoがせめて世界標準のSMSやMMSに対応していれば、少なくともメールの問題はなかったのかもしれない。その点では、ソフトバンクの方が世界標準に近いので、SIMロックを解除してもメールだけは使える可能性もありそうだ。(もちろんiモードメールは不可)
DoCoMoは2GでPDCという日本でしか通用しない方式にしてしまったのが、現在の国内メーカーの世界シェアの低下を招いたという見方もある。日本の携帯電話の鎖国状態のかなりの責任はDoCoMoにありそうだ。それに風穴を開けたのが当時のボーダフォンで世界標準を日本に持ち込んだとも言える。
そして3Gでもその二の舞になりかねない状況を作ってしまった責任は重大だ。
DoCoMoは本当にこのまま日本国内だけでずっと内弁慶のままでいいのかを、そろそろ真剣に考えるべきではないだろうか?それが今後の日本の携帯電話の未来に大きく影響しそうな気がする。