謎の日常

 「観光」に”感動”などといった余計な”感情”は必要ない・・・
 ただ”事を終わらす”とだけ考えれば良い・・・

初体験(西サハラ)

2006-01-29 06:00:58 | 1stミッション 北アフリカ

 プロフェッショナルならば自らに課す厳しい掟があるだろう。

 この「デューク東城」、旅の掟としては

 「決して民泊はしない」

 というルールを頑なに守り続けてきた...

 

 アフリカに400日以上、決して誰からも誘われなかったとか、現地の人からにすら全く相手にされなかったというわけでは決して、断じて無い。

 ぐすん...悔しい...ちくしょう!!!






 しかし何事にも終焉というものは訪れるものである。


 これは私がヌアディブ(モーリタニア)からダクラ(西サハラ)に行った時のことである。

 ヌアディブのバス乗り場でおんぼろベンツに12500ウギア(以下UM、約6000円)支払い前座席を確保する。隣には若いモロッコ人だ、出発間際に13000UM支払っていた私の御釣をチケット屋が返そうとしないので少しもめたがただでさえ[ボラれていた]と確信していたので余計にまでボラせてやる必要など無い。


 何とか釣を貰い出発してから時間のあった時に横の男に幾ら払ったか聞いてみると「10000UM(荷物無し)」との答え、

 私は自分の支払った金額を告げ、余りの自分自身のやられっぷりに返っておかしくなり大笑いしてしまう。


 すると不思議なことに隣のモロッコ人が怒り始める。

 「何も知らない外国人からお金を巻き上げるなんてイスラム教徒として恥知らずな行動だ!」

 という事らしい。

 この後から私は何もしなくて良くなってしまった。

 「途中での食事やジュース...」

 すべて同情した彼がおごってくれた。


 ダクラには夜の2030ごろに到着、

 「さーて、ホテルでも」

 と思う私を手を引くかのようにして新しい住宅街に連れて行く。

 小さなショップが開かれている小奇麗な一軒家に案内されて彼の部屋に通されてソファーに座るように促される...

 彼は満面の笑みで



 「ウエルカム!ここならタダだよ!!」



 と私に伝えてくる。この笑顔には参ってしまった。もう自分ルールなどどうでも良くなってきた、

 おまけに善良そうな母親が美味しい食事までご馳走してくれた...





 翌日別れ際に彼にお礼として自分の荷物の中から選んで心ばかりのプレゼントを手渡す。

 世界3大馬鹿民族などと称されるモロッコ人だが彼のような”男”も確かに存在する。

  このプロフェッショナル「デューク東城」、今回は完敗だがこんな敗北なら大歓迎だ。

 「ノルエルアッディーン」と名乗った親切な男...忘れることは出来ないだろう。







写真は「ノルエルアッディーン」氏


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