謎の日常

 「観光」に”感動”などといった余計な”感情”は必要ない・・・
 ただ”事を終わらす”とだけ考えれば良い・・・

ときめき、告白の瞬間(サンティアゴ/チリ)

2008-05-18 04:50:56 | 3rdミッション 南米
2008.05.18




 前回記事でサンティアゴには急いでいると書いたが・・・

 その訳はある"女性"にあったのだ・・・!!

 私を知るものは私が一途な愛に生きる男と知っているだろうが・・・



 そんな私が別の女性に・・・


 こんな感情を抱くなんて・・・





 そう、彼女と始めてあったのは忘れもしない、ナスカでの事だった。

 彼女はその日にチェックアウト、私はチェックイン。

 接触はほんの僅か、もちろんその時の私はそんな感情に芽生えるとも知らなかった。

 ただ、彼女は背が高く、スレンダーで美人だったという印象だ。

 だが、その後クスコで再会し、マチュピチュ行を共にし、そしてクスコからラ・パスまでの道中を共にし・・・

 その時、彼女の持つ素晴らしいパーソナリティーに、徐々に

 「この人なら・・・」


 という感情を持ってきたのに気づき始めていた・・・



 ラ・パスで別れてから・・・


 首都狙撃手たる私はスクレへ、彼女はサンティアゴに向かって行っていた・・・



 その彼女は18日にサンティアゴを出て日本に帰ると言う・・・


 私がウユニを出てチリに入ったのは14日。


 急げば何とか再会出来る日程だ。


 私はこの自分に芽生え始めた感情に・・・


 ケリをつけずにはいられなくなって来ていた・・・



 
 高速移動を続け、サンティアゴには16日に到着。


 彼女は私の目指したホステルに泊まっていた・・・


 心の中で「間に合った」と息をつく。

 急いだかいがあったのだ!!


 だが、あせってはいけない・・・


 その日は思い出話に花を咲かせる。


 "自分の想い"はまだ伝えていない・・・



 翌17日、思い切って彼女を市内観光に誘ってみる。



 "街の全景フリーク"と高く評価される私のチョイスに間違いはない。


 彼女を「おおっ!」と言わせる観光ポイントはすでに手中に収めている。初めての街でも・・・この辺りは私はプロフェッショナルなのである・・・!!



 旧市街の近くのサンタルシアの丘に行く。ここはただの前座だ・・・

サンタルシアの丘から旧市街を望む



 そしてハイライト・・・


 夜景がもっとも綺麗に見えるサンクリストバルの丘に・・・


 夕方から夜に移り変わり行く景色・・・

 ほのかに光を変えながらライトアップされる丘の上のマリア像・・・



 眼下に広大に拡がる街の明かり・・・






 ムードは満点だ・・・



 いつ言い出すか?

 タイミングが肝心だ・・・

 

 軽く握った手のひらからうっすらと汗が流れ始める。

 秋に入ったサンティアゴ、それも丘の上なので寒いわけはない・・・


 こんな緊張は初めてだ・・・


  中央アフリカで軍警察と揉めた時コートジボアールの反政府の拠点ボウアケで拘束されそうになった時 でも今ほど固くはなってなかった筈だ・・・



 しかし、彼女は明日旅立つ身、時間が無限にある訳ではない・・・




 足が小刻みに震えている・・・




 「機械(マシーン)と呼ばれるこの私にも・・・こんな感情があるとは・・・」



 怖気づいてはいけない・・・



 私は軽く息をフッと吐く・・・



 覚悟はもう決まっている・・・






 私は彼女の瞳をじっと見つめ・・・


 伝えなければいけないこの私の想いを・・・


 ついに告げたのだ!!










 「あの~・・・日本に帰るのなら・・・ついでに私の荷物をお願いします・・・・」








 しばし逡巡の間があく・・・







 そして彼女は・・・




 「いいですよ~!!」




 と言ったのだ!!
  




 告白成功・・・・!!!






 私の真摯な想いは・・・彼女に届いたのだ!!



 またしても荷物が・・・荷物が一番安全な方法で・・・



  日本に届くのだ!!



  翌18日、荷物が心配なので・・・・



あっ!



彼女を独り寂しく空港に行かせるのも悪いので...



空港まで彼女を送ることにした。



  もちろん運んでもらう荷物は私が空港まで持っていった。




 そして彼女がまとめた袋の中に私の荷物がある事をしっかり確認し・・・彼女が消えていく姿を見送ったのだ!!



 去り行く彼女の背中を見送りながら私はこう思った。




 あの彼女なら・・・



 私の荷物を間違いなく日本で届けてくれると・・・・!!