Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

人道支援活動によくかけられることばワースト7

2008-03-01 03:29:18 | 危機管理:国際人道保健支援・災害救急
国際保健や開発、人道支援や国際災害救援等の分野はどこか水面下でつながっている事が多い。ひるがえって、本邦は紛れもなく物量の豊かな先進国の一員として、諸外国から援助を求められる事も多い。しかし実際には人道支援団体の人員不足や資金不足等が原因で必ずしも必要な土地と人々に必要な物資や援助が届いているとは限らないのが現状である。そんな事から各種支援団体に人的・金銭的・物質的な援助をする人間もいる訳であるが、いつも思うのは「なぜ支援をする気が無い人々は表面的な言葉をかけるのか?」と言うことである。「今の私には正直言って興味が無いのです。」と正直に胸中を告白する人を見た事がない。

人道支援をめぐって、参加者にはよくこんな言葉がよくかけられる。
①「偉いですね」 ⇒ 私には関わりがない(ハシゴはずしテクニック)
②時間があれば ⇒ 現実感の喪失、支援が遅れたらヒトは死ぬのである。
③私には何も出来ない ⇒ 「面倒な事は何もしたくない」の裏返し
④軍隊より医療支援を ⇒ 警護無しに生きる紛争地住民の丸腰の恐さを理解せよ
⑤屈託のない子供 ⇒ 先進国の子供の生意気さを文明化と勘違いする差別
⑥じゃあ何をすれば! ⇒ 中には他人に依存が強過ぎてキレる人もいる。
⑦支援に終わりがない ⇒ 「一人二人見殺しにしても」の意味。


例えば本邦に限って言えば、やれる事は沢山ある。
①米軍思いやり予算を削って世界展開する米軍の資金源を断つ。
②万景報号の入港を禁じて北鮮の資金源を断つ。海保の水際防御も強化。
③全国各都道府県市区町村の裏金を市民の手に戻す。
④政府の米国債購入を禁じて米国力を削ぐ。
⑤中国ODAを全面禁止して中国の残虐行為に抵抗する。(朝貢を止める)
⑥財務省を大蔵省に戻して護送船団貿易を復活させ国益を上げる。
⑦北方領土をこの際一旦手放してロシアに付け込まれるカードを放棄する。
 (どのみちロシアはこの問題に関しては本気ではない。)
⑧捕鯨船を海上保安庁巡視船が護衛し国際法違反の環境団体やこれを支持する
 豪州政府を国際世論に訴えて非難する。(舐められ過ぎ)
⑨日本市場から国際金融や愉快犯的投資家を排除する。ゆうちょ銀を国有化。
⑩現ドイツ国防軍の様に海外派兵をするなら根拠法の法制化を徹底した上で
 国際貢献問題を考える。(因みにインド洋給油等は国際貢献とは思わない。)

一つずつ実現させて国力を回復すればもう一度経済大国に戻れるだろう。その上で国際社会で発言力を強めて、本来は人道的で他人を慮る日本人の精神を世界各国で証明してゆけば良い。国際社会は小児病的論理がまかり通るので、成熟した本邦の人々からすると、おそらく「下らない説明とデモンストレーションやパフォーマンス」も多いかと思うが、それは仕方がない。

良いことを実現するにも資金も要るし、上記のような瑣末な事柄も必要だ。さらに、場合によっては支援人員保護の為の実力行使の実施部隊も必要となる。諸外国では医療支援や人道支援ボランティアの危機管理ノウハウは実は軍隊のそれとほぼ変わりが無い。丸腰の医療支援団体や人道支援団体を送り込む時には軍隊などと何らかの連携があるか、或いは母体となる国家は軍隊を派遣出来る用意がある国が多い。

ソマリア紛争(ブラックホークダウンより)で人道的問題に軍事介入しようとして失敗をした事で「あつものに懲りてなますを吹く」精神事態を国際社会全体にもたらしたのがルワンダ大虐殺(ホテル・ルワンダより)の基盤要因のひとつであるように、人道支援や医療支援も非武装のグループだけでは実は心もとない。日本国自衛隊も国際貢献を喧伝するが、交戦状態に入った時に平和的国際貢献の部隊(工兵や衛生隊)や日系NGOをどこまで守りきれるのだろうか。本邦の国際貢献のあり方を、アメリカ・フランス・イギリス・ベルギー・スペイン等と比較して考えてしまう。もちろん、アフリカや南米に本邦の植民地は無く、欧米列強のすべき仕事だと言う「一見まっとうな論理」は横に置いておくとして。

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