人助けには理性を、計画には情熱を

人道支援や紛争防止問題などに関して世界中から少なからず関心が寄せられ具体的行動を起こしたいと言う人々の熱情が伝わってくる。世界中から募金や支援活動が続けられる事は、不幸の存在と言う観点からすると喜ばしくないのかも知れないが、それでも人間の良心を提示している点だけに着目すれば望ましいと言えるかも知れない。

一方で国際機関や政治・行政機関の綿密だが無機的な政策や計画にはどこか人間味がなく一般市民の持つ熱情を削いでしまうような印象すら受ける。アジェンダ、プラン、プロジェクト・・・種々の名称がつけられるが、一般市民にも参加・実行可能な計画や政策なのか時折疑いたくなる場合がある。

プロフェッショナルによる人道支援や救援活動、対人支援だけが社会改善に導くのではない。プロによる活動は当然対価としての通貨の移動がおこる経済活動である。経済活動においては高い値段を付けられたものは優先順位の高さを意味する。すべき事柄の評価は公平ではない事を考えると、出資者・資本家の意向が行動決定に影響してくる。純粋な良心に基づく行為と言うものがお題目になり易い。

ではボランティア活動は・・・と言えば一般市民参加が主体のため個々の具体的な問題に対する専門知識も乏しいと言う難点がある。また一過性の熱情から活動に参加する人々も多い。

冷めた眼で現実を直視したい。そして情熱を持って諸活動を継続したいと思うのであった。