(記事引用-中日スポーツ)
来春に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の代表辞退問題で、中日の落合博満監督(54)が“猛反論”だ。自らの意思を示した選手が厳しい批判にさらされている現状に、約40分にわたって代弁。“NOという権利”を主張した。
本来なら非公表のはずのメンバーが漏れ、辞退した選手には厳しい“制裁”が待っていた。球団事務所にかかる電話、ネットに広がるバッシング。可能な限りの報道を自分の目で確かめた上で、落合監督はナゴヤ球場の記者席に現れた。「1回しか話さない」。選手に代わっての独演会。反論の骨子は2つある。
◆個人の意思か、組織の思惑か
代表サイドが疑念を抱いているのは「4人もそろって辞退するのは個人の意思ではなく、球団としての方針ではないのか?」。この点を問われた落合監督は、明確に否定した。
「何が何でも行け、行くななんてことを選手に言う権利はオレにはないし、選手も従う義務はない。球団で断ったなんて書かれ方はマスコミの暴力だ。球団や監督が『行け』とも『行くな』とも言わない。ウチは前のWBCにも行かせているし、オリンピックにも5人出ているんだ。恐らく台湾からはチェンをくれといってくるだろう。本人も『行きたい』って言っている。だから行かせるよ」
岩瀬、森野、高橋、浅尾の4人に意思を確認してくれとNPBから依頼され、落合監督が確認した。それぞれが「NO」と答えたから、球団を通じて意思だけを伝えた。すると“組織ぐるみ”の疑いをかけられ、さらに辞退理由の説明責任を問う声もあがった。そこが2番目の骨子である。
◆理由の説明責任はあるのか?
落合監督の反論はこうだ。
「(NPBからの文書には)理由を書く欄なんてなかった。ただ意思を確認してくださいと。『出たい』か『出たくない』か。『イエス』か『ノー』か。それだけでいいだろう。必要ならばすべての選手に確認しておけばよかったんだ。『行きたい人で戦う』と言っておきながら、自分らで言っていることを途中で否定しちゃってる」
代表に身を投じることは、栄誉と引き換えに少なからず犠牲も払う。故障するリスク、調整が遅れる不安。しびれるほどの緊迫感に、やりがいを感じるか否かも個人差があるだろう。だからこそ意思を確認しているはずなのに「NO」と答えたとたんに吹き荒れたバッシングの嵐。そこには最初から「YES」の返答しか許されていないのではないか…。
「野球機構やファンを納得させようとは思わない。でも代表の監督でもコーチでも、野球機構でも話しにくればいい。ちゃんと説明してやるよ」
集中砲火にさらされる選手の前に、自分が立ちはだかり、矢も弾も引き受ける。
我が道を突き進んできたオレ流らしい独演40分だった。
【熟年ドラキチ】
来年の第2回WBC大会の選手選考でちょっと揉めているようだ。
我がドラゴンズから候補選手に挙がっている岩瀬、森野、浅尾、高橋聡の4選手と
追加候補に挙げられた和田ベンちゃんの5人が辞退したことが発端のようだ。
ドラゴンズファンとしては、野球ファンでもあり当然私も来年のWBC大会には
時期が来れば注目してみるだろう。
そこにドラゴンズから一人の選手もいないと言うのは、やはりちょっと寂しく
感じてしまうのは想像に難くない。
その寂しい寂しくないという感情論はちょっとおいて置いて、今、この選手の辞退に
ついて世間で取りざたされている事を考えてみた。
ちょうど私も飛行機に乗り日本の上空から海外へと向かう中で、少し客観的に
雲の上から眺めてみた。
(とは言うものの、私の目の前には中日スポーツがあるから、完全に客観的とは
言えないかも。 苦笑)
☆ 事の事実-事実をシンプルに並べてみると。
・NPBによって決められた監督首脳陣によって、第1次選考候補選手が
選ばれ、その選手の出場意思の確認が各球団を通じて、
「承諾・出場」 か 「辞退」 かを確認する事になった。
「行きたい(出たい)人で戦おう」という趣旨も伝えられる。
・これらの候補選手は正式マスコミ発表されていないの、マスコミに
ダラダラと名前が漏れて流れてしまった。
・選手の意思確認を集計したところ、最初の候補から中日の4人と
阪神の2人が辞退をした。
・中日・阪神の両球団とも、球団として意思決定にはなんら関わらず、
全て候補対象選手の意思が反映された。
・マスコミから伝わるところによると、阪神の辞退選手からは辞退の理由が
書いてあった。 一方、中日の辞退選手からは単に辞退というだけで
理由が無かった。
・中日はWBCに非協力で、球団ぐるみで辞退に動いているのではないかと
批判を受ける。
・中日球団からは、用紙には辞退か承諾を書くだけの用紙で、理由を書けとは
書いていなかった。 だから選手の意思を確認してそれを決まりどおり提出。
これが新聞マスコミで報道されている事実で、これだけ読めば何も問題になることは
何も無いのだが。WBCに向けてNPB(日本野球機構)が求めた確認を、指示通りに行って、それが問題になっているともいえる。
そもそも辞退について、その確認書には理由を書く欄も設けていないのに、
辞退に関してその理由が書いてなかったと言う事にアレコレ言うのは、
お門違いであろう。
しかし、今、野球界ではこれが問題になっている。
何故か? ここからは私の私観であるが、
*選ぶ方(WBC監督首脳陣)に選手を選んであげたという、若干の「お上」
意識みたいなものがあるように感じられる。
だから、余程の理由が無い限り選手は辞退をしないと、鷹をくくっていた。
ところが、辞退をしてくる選手がいて、多少驚きとショックを感じたのでは
なかろうか。
選んだ方からしたら、選手には名誉な事だから、逆に選手からも
感謝されて当たり前くらいの意識もあったのでは。
(余談だが、中日の浅尾や高橋聡を私が強く推薦して選んだんです! と
山田久志が東海地方で放送のドラゴンズ番組の中で、今から1週間前の
放送で少し得意げに言っていたのを私はテレビで見て、ちょっと嫌な気持ちに
なったのであるが。)
だから思っても居ない「辞退」する場合には、当然、辞退する理由が
書いてあってしかるべきだという、「甘え」の構造も垣間見える。
*落合監督の反論も、日本人であれば多少ドライに聞こえるかもしれない。
しかし、もともと選手を選考して候補に上げるという一方的な事に関し、
形式上でも選手の意向を確認と言う事を行っている以上、その結果に対しては
むしろWBC首脳陣ももっと冷静に解釈すべきではないかと想う。
「Yes」 か「No」を確認しているのであれば、当然、選手にも「No」と言える
権利は担保されてもしかるべき。
でなければ、確認と言う行動は一見民主的な方法で取っている様にみえるが、
そもそも辞退は許されないぞという強制力まで持っていると言う事になって
しまう。
* 今回のこれらのWBC首脳と落合監督の対応を見ていると、
WBC首脳はどちらかと言うと、例は悪いが、感覚は日本の田舎でよく見られる
ような町か村の寄り合いの話し合い及び決定の仕方の匂いがしないでもない。
「みんな日本の人が全員力を合わせて、WBCを勝つために団結しなくちゃ
いけない。 それでWBC首脳陣に選ばれた私達が候補として選んだ選手は
みんな協力して頑張ってもらわなくちゃ困る。 また、みんなそう思う筈だ。」
と言うような感覚で若干の「お上意識 」を漂わせてこの事態に対処して
いる感じ。 選手も言うべきことを表明するより、周りの空気に従わないとという
「田舎の寄り合い」でよくありがちな形としては合議制。
*一方の落合監督は、生まれは東北秋田なのだが、この人は国際経験も
あまり無いと思うが合理的な議論を好むし、そして自らも実践している
感がある。
選手のFA権に関しても、自軍の選手がFAで移籍・流出というのは監督なら
誰でも何としても引き留めたいと想うのだが、この落合監督は一貫して
FA権は選手の権利ということで、選手の自由にしている。
自らもFAで中日から巨人に移った過去があるから、引き留めるわけにも
いかない事情もあるとは言え。
中日ファンの私としては、去年の福留、今年の川上憲伸、中村紀のFAに
ついても、選手に「お前はドラゴンズに必要だから、頼むから残ってくれ」
という情に訴える事はまるで無し。 私としてはちょっとドライすぎるのでは
ないかと想うくらいだが。(苦笑)
このWBC首脳達の論理と、落合監督の論理を、日本人でなく外国人にぶつけたら
間違いなく外国人からの答えはひとつだろう。
落合監督の言っている事は理解できるが、WBC首脳の言っている事は
とても理解できないと。
日本人の持っている独特の良さも解るが、野球でも今回の問題になっている
WBCというのは、日本国内のことだけでなく海外の国と戦う大会でもある。
今回の問題をいい契機に、議論の進め方と言うものもグローバル化の時代に
合わせ、国際基準にあった議論が出来る様にならないといけないという
一石を落合監督が投じた格好になるかもしれない。
私は個人的には、そのように開かれた議論が進む事を今回の問題で
期待したい。
世の中にはイロイロな ” オヤジ ”さんが、ブログを書いてますね~^^