40歳からの早期リタイヤ計画

一生独身+賃貸暮らし、手取りの半分を貯め続けて早十数年。IDは怒髪天(JAPANESE R&E)から。

猫が可愛いなんて誰が言った、青島にて

2015-06-11 20:13:16 | 09 旅・東京
猫が可愛いなんて誰が言った。
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6月のある日、朝のうち晴れ、昼ごろから曇り。

朝8時半、青島港で出迎えるのは、新聞等の物資を待つ数人の島民と、それを上回る数の、観光客の餌を期待する猫。予想外の出迎えに、年甲斐もなく胸が高鳴る。これから8時間もの間、猫まみれの島に滞在できるのだ。

餌に集まる猫、猫、猫。10匹は下らない。朝、本土のコンビニで買った食パン1斤、猫の餌兼自分の昼食。気が向いたときに、一枚ずつ取り出してはちぎって投げる。その度に猫に囲まれる。狭い島内、そこら中に猫の目が光っている。さすがにコンビニ袋を見ただけで飛びつく猫はいなかったが、私が袋を開けようとすると、その仕種、あるいは音を聞きつけ、どこからともなく寄ってくる。膝に乗り、腕に乗り、コンビニ袋に顔を突っ込む。そしてコンビニ袋に爪を立てる。

餌をねだるとき、猫は目をまんまるに開く。決して人間から目を離さない。猫は、餌ではなく人間の目を見る。よく猫は分かりにくいと言われるが、こと青島の野良猫に限って言えば大嘘である。そして大抵の人間は、そのつぶらな瞳に心奪われ、餌をばら撒く。

猫(仔猫除く)の一日は、眠る、歩く、餌があれば食らう、たまに通りすがりの猫どうし喧嘩する、これで全部。仲睦まじくじゃれ合うのは仔猫だけで、成猫のじゃれ合いは全く見られない。尻の匂いをかぎ合って挨拶する猫さえも一度しか見なかった。さかりのついた野良猫も見たかったが、残念ながらいなかった、6月の今は時期ではなかったか。

幼児が餌をやろうとして猫に取り囲まれ、壁際に追いつめられる。猫が立ち上り、足に貼りつく。幼児大泣き。親は動物との触れ合いを目的に島へ連れてきたのだろうか。きっと猫嫌いのトラウマを負ったのではないか。
…と思ったら、一時間も立たないうちに、「猫ちゃんおいで~」猫じゃらし片手に追いかける。泣いた鬼がもう笑うとはよく言ったものだ。

野生の猫は懐かない。一日のうちで一度として、黙っていても体を摺り寄せてくる猫はいなかった。腹を見せて撫でろと催促してくれる猫もいなかった。
ただ、畳2~3枚程のスペースに、12~3匹の猫が昼寝。昼寝中、背中と眉間は撫で放題、薄く目を開き、もっと撫でろとばかりに再び目を閉じる。一歩も動かないところをみると、決して嫌がってはいないのだろう。

猫が可愛いなんて誰が言った。
まるで昭和のヤンキーよろしく、額と額(ちょうど、撫でてやると猫が喜ぶというあの部分だ)をくっつけて、ひたずらに吠えあう二匹。「ミャー」「ギャー」を数分にわたってエンドレスで繰り返す。一日で10回以上、ガンの飛ばし合いを観察した。
特徴はその終わり方にある。だんだんにお互いの声が小さくなり、少しずつ片方が後ずさる。と思うと、そっとその場を後にする。勝った方は、追いかけることもあれば、そのまま見送って終息する場合もある。猫の喧嘩、ガンの飛ばし合いは、いつも、片方が声をあげなくなってイコール負けて終わる。ちなみに、勝った側が負けた側を追いかけた場合、数メートル~数百メートル離れた先で、再びにらみ合いが始まる、以下エンドレス。ちなみに、猫パンチの飛ばし合いや取っ組み合いは一度もなかった。
この喧嘩を、いつもわずか2~3mの距離で見ていたが、私が音でも立てない限り、猫たちは相手から目を離さない。近くの巨人よりも目の前の仇で精一杯らしい。

青島でもメタボ猫は問題だそうで、餌のやりすぎに対し注意喚起がなされている。ただ、街中の野良猫に比べると、痩せている猫も多いように思う。特に若い猫の場合、胴体を少し強めに撫でるとすぐに骨格・内臓の凸凹が分かってしまい、こっちが慌てて力を緩めることもあった。

触ろうとすると逃げる猫、ずっと触らせてくれる猫、一撫でだけさせてくれるが歩いてどこかに行く猫(意外とこのパターンが多い)、この見極めが全くつかない。性格としか言いようがない。

青島の猫は、100匹とも200匹とも言われるが、明らかに100匹を超えている。200匹と思っていい。
その数に反して、意外なほどに仔猫を見かけない。発見したのは5匹。三つ子一組と双子一組。猫集会からは離れ、何かあれば逃げ込めるように建物際にいる。仔猫たちのくんずほぐれずのじゃれ合いは、我々が猫に抱いているげんそうそのままに、癒しと萌えを与えてくれる。気性の荒い野良猫ばかりの中、この仔たちが唯一の癒し。


結論:
猫は獣(仔猫は除く)、人間に興味を示さない獣、間違っても愛玩動物ではない。
あとカメラを忘れたのは痛恨。でも色々な人がWEBで紹介してるからいいか。