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社会福祉の思想は次第に成熟されつつあった。しかし、いつのまにか時は崩壊へと逆行しはじめた。

官房機密費に群がる御用言論人実名が明らかに

2012年02月04日 19時50分04秒 | Weblog
植草一秀の『知られざる真実』

2010年5月 7日 (金)

米国、官僚、大資本が支配する日本。その手先として跋扈(ばっこ)する利権政治屋とマスゴミ。この五者を政官業外電悪徳ペンタゴンという。


竹下登元首相が、小沢一郎氏攻撃を主目的として「三宝会」という偏向報道結社を主宰したことが明らかにされている。
TBSがニュース番組のアンカーとして起用した後藤謙次氏は「三宝会」の世話人を務めていた人物である。
小泉政権以降、メディアの偏向が急激に激しさを増した。
テレビ番組が改編され、政権を批判する論客が画面から排除された。
情報統制時代に台頭した人物が多数存在する。情報偏向番組が著しく増加した。
政権交代が実現したいま、メディア浄化を実現しなければならない。事業仕分けが実施されているが、抜け落ちている機関が存在する。NHKである。NHK受信料はNHK設立根拠法に基づく規定によって定められている。
視聴者の資金によってNHKが成り立っているのなら、NHKの運営に視聴者の声が反映されなければならないはずだ。
第二次大戦後、GHQの方針により、放送委員会が組織された。放送委員会はNHK会長の人事権を保持するなど、強い権限を付与された組織だった。
放送委員会は1947年に、政府から独立した機関としての放送委員会を特殊法人として設立する提案を放送委員会法案要綱として策定した。しかし、GHQの対日占領政策が大転換したために、雲散霧消してしまった。
本来は、全国の放送聴取者から選挙で選ばれた30ないし35名の委員が放送委員会を組織して、政治から独立したNHKを実現するはずであった。
ところが、日本の民主化措置は腰砕けとなり、吉田茂首相が主導して電波三法が制定され、NHKは政治権力の支配下に置かれることになった。
NHKの料金体系も予算も、政治の管理下に置かれることになった。その結果、NHKは視聴者の視点に立つのではなく、永田町・霞が関に顔を向けて運営されるようになった。
視聴者からの料金収入で経営を賄う以上、事業仕分けの対象にNHKを組み込み、視聴者の意向を反映する意思決定形態導入を検討するべきである。
政権交代によって実現しなければならない重要課題に、マスメディア浄化=マスゴミ撲滅を掲げねばならない。
民間放送の偏向問題について、野中広務元官房長官が極めて重要な事実を摘示された。この問題を山崎行太郎氏がブログで取り上げられ、さらに副島隆彦氏が、改めて『学問道場』で取り上げられた。
偏向報道問題を斬るうえで、この斬り口がもっとも分かりやすい。情報工作を行う上での鉄則は、痕跡を残さないことだが、この斬り口で点検するなら、工作活動の痕跡が鮮明に確認できる。官房機密費の非公開が永遠に持続すると考えたのだろう。


中略


 副島隆彦氏が「今日のぼやき」で紹介された新聞報道の一部を転載させていただく。
●「機密費、評論家にも 野中元長官、講演で証言」
琉球新報 2010年4月23日 
 野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。
 野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。
 野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。
 官房長官の政治的判断で国庫から支出される機密費は、鳩山内閣が昨年11月に内閣として初めて2004年4月以降の小泉内閣から現在までの月別支出額を公表したが、使途については明かしていない。
<用語>内閣官房報償費(機密費)
「国の事業を円滑に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。国庫からの支出は年間約12億円で、使途の不透明さが問題視されており、民主党は2001年に一定期間後の使途公表を義務付ける法案を国会に提出した。
●「野中広務氏が講演で暴露」
朝日新聞 2010年5月1日
「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ」
 野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。野中氏は講演で
「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」
と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。
 野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ、「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。
その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。
野中「(政治)評論をしておられる方々に、盆暮れにお届けするというのは額までみんな書いてありました。まあ、あいさつ程度のことですけども、盆暮れやってるのを見て、ああ、こんなことをせなならんのかなと。あんだけテレビで正義の先頭を切るようなことを言っている人が、こんな金を平気で受け取るのかなと思いましたね。」
一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。
(ここまで『副島隆彦の学問道場』様からの転載)
官房機密費から言論人への資金提供については、過去にも報道されたことがあったが、明確に責任は問われなかった。
政権交代が実現し、官房機密費の使途公開が進展し始めている。
田原氏は官房機密費を受け取らずに偏向報道を展開していたのであり、官房機密費がすべてではないが、少なくとも官房機密費を受け取って発言を行っていた人々は、その道義的責任を追及されるとともに、発言内容を根本から再検証しなければならないことになる。
鳩山政権は言論人に対するこれまでの資金提供のすべてを全面公開するべきである。この全面公開が腐敗しきった日本の言論空間浄化の第一歩になることは間違いない。



小沢一郎攻撃メディア談合組織「三宝会」


2010年2月21日 (日)


小沢一郎氏に対するメディアの集中攻撃が続いている。何も知らない市民は悪徳ペンタゴンの情報工作の罠に嵌ってしまう。竹下元首相が組織した小沢一郎氏攻撃の談合組織である「三宝会」の暗い影は、いまも日本の情報空間を大きく歪めているのである。
平野貞夫氏の著書
『平成政治20年史』販売元:幻冬舎
 わが友・小沢一郎 販売元:幻冬舎
を読んで、小沢一郎氏の実像を正しく認識することが求められる。
 「日々坦々」様が2月18日付産経新聞サイトに掲載された平野貞夫氏に対するインタビュー記事を掲載されたので、以下にその内容を転載させていただく。
「鳩山政権の混迷が批判されている原因は、民主党議員が昨年8月30日の歴史的意義を理解していないことです。120年の日本の議会政治史で、初めて有権者によって行われた政権交代なのです。民主党議員はあれよあれよという間の政権交代だったから、その意義を深く考えていない。
これは私と小沢(一郎)さんとで一致している意見なのですが、鳩山政権は日本で初めて民衆が作った国家権力で、昨年の衆院選は無血革命だったといえます。権力を握ってきた自民党、官僚はそれを失ったわけですから、認識して危機感を持っていますが、肝心の民主党議員が認識していない。
民主党議員は官僚支配を変えると言いますが、そのためには知恵を出さなくてはだめです。本当に変えるためには官僚を説得して共通の認識を持ち、丁寧にやっていくべきです。官僚と戦うべき時は戦わなければなりませんが、それは根本の問題でやるべきで、端っこの問題で国民の人気を取ろうと官僚いじめのようなことはやっちゃいけません。
鳩山政権の問題は「政府は鳩山、党は小沢」と分けて口を出さないようにしたことです。これは実は民主党のドロドロした権力闘争によるものなんです。反小沢グループが小沢さんを政策協議にかかわらせないようにした。それで一番困っているのは鳩山(由紀夫)さんです。鳩山さんは小沢さんも含め主要な人とよく話をしていけばいい。
民主党だけでなく、与野党含め親小沢か反小沢かというレベルのことが対立軸になっているのは、日本の政治にとって深刻な問題です。それを助長させているのは渡部恒三(元衆院副議長)さんですよ。その影響を受けた民主党の反小沢グループが、渡部さんの実態を知らないのがまた問題です。渡部さんは自民党田中派時代からトラブルメーカーでしたが、言葉巧みにいろんな人に取り入り生き延びてきました。渡部さんは「小沢さんとは友達だ」と言いながら、意図的に小沢さんの評判を落とそうとしている。そのことに民主党議員も国民も気づいてほしい。
親小沢の人にも言いたい。「小沢独裁」と言われますが、私たちは新進党、自由党時代、小沢さんと徹底的に議論しました。今の民主党議員は小沢さんを孤立させてます。堂々と議論を仕掛ければ、きちっと対応する人ですよ。小沢さんは腰を引いてお世辞を言う人は嫌いなんです。それを小沢さんの威を借りて自分の力に利用しようとする。反小沢も親小沢も国会議員として自立できてません。
(政治資金規正法違反事件で)小沢さんは不起訴となりましたが、当然です。私は政治行動をともにしてきましたが、小沢さんは不正なカネをもらったことは一切ありません。検察の捜査は不正なカネをもらったはずだということが前提でした。検察は民衆が官僚政治を打破するために作った政権を、本格政権にしようとしている小沢さんの政治的暗殺をもくろんだわけです。これと同じことは戦前、帝人事件(注)で行われました。軍部と検察が組んだファッショだったのですが、その結果、日本は戦争に突き進んでしまいました。
一方、起訴された石川(知裕衆院議員)さんに対する議員辞職勧告決議案が出されましたが、憲法違反の可能性が高い。憲法上、有権者に選ばれた国会議員の身分は重く、政治資金規正法の虚偽記載で問われるものではない。実は政治資金規正法には虚偽記載の構成要件が書かれていないんです。しかし、検察はこの法律を利用して立件した。戦前の特高警察と同じ手法です。
民主党が夏の参院選で単独過半数を獲得したら、新しい国の柱を作るべきです。ひとつは健全な市場経済システム、共生社会をどう作るか。政策では納税者番号制などで所得や格差を是正しなければなりません。その後は年金、医療制度を確立して社会福祉目的税を創設することです。
安全保障の確立も重要です。米国とともに国連という世界の警察機構を整備し、日本も世界の平和秩序のために各国と同じことをする必要があります。小沢さんの「日米中正三角形論」が批判されてますが、それは単に比喩(ひゆ)であって、目くじらを立てる話じゃありませんよ。米国も中国も大事だということです。今の政治家で日米関係の重要性を一番分かっているのは小沢さんです。(聞き手 高橋昌之)
ひらの・さだお 昭和10年生まれ。35年、法政大学大学院修了後、衆院事務局入りし、前尾繁三郎議長秘書などを経て、平成4年に参院選高知選挙区初当選。小沢一郎・現民主党幹事長とは、5年に自民党を離党して新生党を結成、新進党、自由党と政治行動をともにしてきた。16年に政界を引退したが、小沢氏の懐刀として知られる。
帝人事件 昭和9年、帝人(帝国人造絹絲)株をめぐる贈収賄事件で、帝人社長や大蔵省次官ら16人が起訴され、当時の斎藤実内閣は総辞職に追い込まれた。その後、12年になって起訴は虚構で犯罪はなかったという理由で被告は全員無罪となった。立件は政界右翼と軍部が検察を使って行った策謀との説もある。斎藤内閣の総辞職以降、軍部の独走体制は強まった。」
(ここまで「日々坦々」様からの引用)




小沢一郎氏攻撃メディア談合組織「三宝会」②

2010年2月20日 (土)


昨日、民主党の小沢一郎氏に対するメディア攻撃の談合組織である「三宝会」についての記事を掲載した。まったく気付かなかったが、「Electronic Journal」様が2月18日付記事「三宝会/小沢潰しを狙う組織」(EJ第2756号)を掲載されていた。そのなかで平野貞夫氏の著書『平成政治20年史』を紹介されていた。驚くべき偶然であるが、「Electronic Journal」様の記事について言及できなかったことをお詫びしたい。
「Electronic Journal」様がすでに紹介されているが、平野貞夫氏は昨年8月に『わが友・小沢一郎』を出版された。総選挙を目前にして、小沢氏の実像を国民の前に明らかにした。
『わが友・小沢一郎』にも「三宝会」についての言及がある。以下に該当部分を転載する。
「村山首相が政権を投げ出し、橋本龍太郎が後継首相となるや、竹下は自分の意に反して政治改革を進め、自民党を壊そうとする小沢を潰すため、「三宝会」なる組織を作った。設立の目的は
「情報を早く正確にキャッチし、(中略)、行動の指針とするため、(中略)立場を異にする各分野の仲間だちと円滑な人間関係を築き上げていく」
というものだった。
 メンバーは最高顧問に竹下、政界からは竹下の息がかかった政治家、財界からは関本忠弘NEC会長ら6人、世話人10人の中で5人が大于マスコミ幹部、個人会員の中には現・前の内閣情報調査室長が参加した。
 要するに新聞、テレビ、雑誌などで活躍しているジャーナリストを中心に、政治改革や行政改革に反対する政・官・財の関係者が、定期的に情報交換する談合組織だ。この三宝会が最も機能したのが「小沢バッシング」で、ここに参加したジャーナリストのほとんどが現在でも小沢批判を繰り返している。「三宝会」の活動の成果は、日本中に小沢は「剛腕」「傲慢」「コワモテ」「わがまま」「生意気」などと、政治家としてマイナスのイメージをまき散らしたことだ。それでも小沢は政界で生き残つているのだが・・・・・・。」
 この文章のすぐ後に
「「小沢はカネに汚い」は本当か」
と題する文章が続くので、併せて紹介する。

「もうひとつ、小沢が誤解されている難題に、田中、竹下、金丸とつながる「政治資金」の問題がある。これについても、意図的な情報操作が続いているので、私なりに誤解を解いておきたい。
 平成5年6月、小沢と羽田孜氏が率いる「改革フォーラム21」(羽田派)が自民党を離党して、「新生党」を結成した時、結党準備をしていた私は、「新党で政治改革を断行するには指導者に問題があってはならない」と思った。そこで、友人の法務省(検察庁)幹部に、念のため羽田氏と小沢にカネの疑惑がないか、いわゆる身体検査を要請した。もちろん、本人たらには内緒だ。2日後、回答があり、「2人とも金銭問題をはじめ、心配はいらない。新しい日本をつくるため頑張ってくれ」との激励まで受けた。
 私は安心して結党準備を進めたが、その中で小沢が「政治資金」に厳しい考えをもっていることを実感した。ちょうど経団連が政治献金を停止した直後だったが、改革派の事務総長が「組織としてではなく、個人として経団連方式の献金先を紹介する」と好意を示してくれた。小沢にこれを報告すると小沢はこう言った。
「頼みたいところだが、改革を看板としている。丁重にお断りしてください」
 それで私はその日の内に、経団連事務総長に会って断った。その帰り、玄関で毎日新聞の社会部記者とすれ違った。そうしたら、翌朝の毎日新聞に「平野参院議員が経団連に献金要請」と書かれた。その記事を見た羽田新生党党首と細川護煕日本新党代表に個別に呼ばれ、私が「本当は献金を断りに行ったんです」と説明したら2入からはこう言われたのである。
「どうして相談してくれなかったのか。断ることはなかったのに・・・・・」
 もうひとつある。
 高知のゼネコン「大旺建設」の役員である私の従弟から電話で「新生党の小沢さんに期待している。結党祝いに3000万円寄付したい」との申し入れがあった。これも小沢に報告したが、小沢からは、こう返された。
「大旺建設は経営状態が悪いと聞いている。寄付してもらうことは心苦しい」
 それで、わたしは断った。
 これらの例でも、小沢の政治資金に対する感性が理解できよう。」
 私は平野貞夫氏をよく存じ上げているが、小沢一郎氏の側近として活動を続けてこられた唯一無二の存在であり、歴史の事実を平野氏ほど正確に記述されてきた政治家はほかにいない。
 小沢一郎氏に対するさまざまな評価が世間に流布されているが、小沢氏の実像に迫ろうとするなら、まずは平野氏の記述する小沢一郎氏を読むことが第一歩であろう。
 小沢氏の側近であり続けたことで、その点を割り引く必要はあるかも知れないが、平野氏の著作の最大の特徴は、歴史の事実をありのままに記述されている点にある。小沢氏に対して論評を試みるなら、まずは歴史の事実を正確に知ることが第一歩になるべきで、その意味で平野氏の著作に目を通すことは不可欠である。



対小沢一郎氏激烈メディア攻撃黒幕「三宝会」

2010年2月19日 (金)

平野貞夫氏が『平成政治20年史』で「三宝会」について言及されたことを、「Aobadai Life」様が2009年5月16日付記事

「後藤キャスターは秘密組織・三宝会の世話人だった。」

に記されている。

 「三宝会」は竹下元首相の指示で1996年につくられたもので、新聞、テレビ、週刊誌、政治家、官僚、評論家が集まり、自民党にとって最大の脅威だった小沢一郎氏をメディアの力で抹殺する作戦が行われたのである。
 この「三宝会」の最高顧問は竹下登氏であり、
世話人に、
高橋利行 読売新聞 世論調査部長
後藤謙次 共同通信 編集委員
芹川洋一 日本経済新聞 政治部次長
佐田正樹 朝日新聞 電子電波メディア局局長付
湯浅正巳 選択出版
福本邦雄 (株)フジインターナショナルアート 社長
などが名前を連ねる。

 法人会員には、
全国朝日放送(株)、(株)ホリプロが名を連ね、
 個人会員の企業別会員数は、
朝日新聞(5名)、毎日新聞(3)、読売新聞(3)、日経新聞(3)、共同通信(3)、
TBS(1)、日本テレビ(2)、フジテレビ(1)、テレビ朝日(2)、
講談社(2)、文芸春秋(3)、プレジデント(1)、選択(1)、朝日出版社(1)
等となっている。
 2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任した。本ブログで繰り返し指摘してきているように、悪徳ペンタゴンは小沢一郎氏を最重要危険人物と認定し、2006年4月以降、一貫して小沢氏に対する執拗な攻撃、失脚工作を重ねてきている。
 そのなかで、特筆すべきは、メディアが連携して小沢氏攻撃を拡大させてきたことと、検察権力が不正に政治利用されてきたことである。
 小沢氏に対するメディアの集中攻撃の原点が「三宝会」にあると見て間違いないだろう。
 上記名簿のなかに、読売新聞世論調査部長とニュースキャスターを務めている後藤謙次氏の名前があることに特段の留意が必要だろう。
 メディアは政治権力により支配され、コントロールされてきたのだ。政権交代は実現したが、旧権力である悪徳ペンタゴンは、権力の喪失に執拗に抵抗している。メディア、検察などの組織内に、旧権力の走狗が多数潜んでおり、旧権力の走狗として、反政権交代の工作活動をいまなお展開しているのだと考えられる。
 メディア・コントロールの実働部隊としての「三宝会」の詳細を明らかにすること、この「三宝会」と現時点での反鳩山政権活動を展開するマスメディアとの関わりを、じっくりと時間をかけて検証する必要がある。
 主権者国民は、まず、政治権力による情報操作、メディア・コントロールが現実に実行されてきた現実を知り、その現実を直視するところからスタートしなければならない。現実を直視することにより、世界の歪んだ実相が見えてくるのであり、主権者国民として取るべき対応が明らかになってゆくのだ。
 現在の政治状況を平成20年の歴史のなかに正確に位置付けるためにも、平野貞夫氏の著書『平成政治20年史』を改めて熟読する必要があると思われる。
(追補)本ブログ2月15日付記事、2月16日付記事に、森喜朗氏の政治団体「経済政策懇談会」代表者石川俊夫氏について、「地獄への階段」様が石川氏が森ビル株式会社六本木ヒルズ運営本部タウンマネジメント室課長職にあることを調べられたことを「父さんの日記」様が紹介された旨の記述を掲載した。
 この点に関して、森ビル株式会社より同社の石川俊夫氏が「経済政策懇談会」代表者でなく、「経済政策懇談会」代表者とは別人であるとの連絡をいただいた。この連絡を受けて本ブログの該当部分を削除するとともに、事実と相違する記事の紹介によって関係者にご迷惑をお掛けしたことを謝罪申し上げます。



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12 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-02-08 19:42:48
「論壇」より

「三宝会」 最高顧問・代表・世話人・事務局・会費

最高顧問  竹下  登   衆議院議員  

代表(五十音順) 葛西 敬之 東海旅客鉄道(株) 社長
近藤  晃 日本航空(株) 社長
関本 忠弘 日本電気(株) 会長
南谷昌二郎 西日本旅客鉄道(株) 社長
塙  義一 日産自動車(株) 社長
松田 昌士 東日本旅客鉄道(株) 社長
米山 令士 千代田生命保険(相)  社長

世話人(順不同) 高橋 利行 読売新聞 世論調査部長
後藤 謙次 共同通信 編集委員
芹川 洋一 日本経済新聞 政治部次長
佐田 正樹 朝日新聞 電子電波メディア局局長付
湯浅 正巳 選択出版  
内藤 武宣 早稲田大学 講師
松岡  敦 (株)啓愛社エヌエムビー 社長
平野  聰 日本航空(株) 常務
竹中  誉 (株)エル・ビーエス 社長
福本 邦雄 (株)フジインターナショナルアート 社長

事務局       東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビル
  (株)フジインターナショナルアート内
会費 法人会員 月額参万円(六ヶ月分をまとめ、年二回納入)
  個人会員 会合の都度(壱万円を限度とする)

 要は、年1、2回集まりマスコミを政・財界側にとり込もうというもの。 企業側の思惑は、当然ともとれるが、マスコミ会員は、どのような判断でここに参加したのか、ジャーナリストとしてこれを問われることになるのでは。

法人会員企業名 (平成 9 年版)
法人名 (50音順) 役職名 / 氏名
天野製薬(株) 会長 天野源博
伊藤忠商事(株)  顧問 内藤正久 
(株)エル・ビー・エス 社長 竹中 誉
川崎電気(株) 社長 川崎 暢
関西電力(株)  東京支社長 高本久夫
(株)関西都市技研 取締役 谷 嘉寿男
京都自治経済協議会 事務局長 安川良子
(株)啓愛社エヌ・エム・ビー  社長 松岡 敦
(株)啓愛社製作所 副社長 竹内留四郎
サントリー(株) 常務 立木正夫
ジャパンライフ(株) 専務 三ツ橋一男
セコム(株) 会長 飯田 亮
全国朝日放送(株) 社長 伊藤邦男
全日本空輸(株)  企画室部長 浜田健一郎 
大成建設(株)  広報部長 中津海光夫
中部ガス(株) 会長 神野信郎
中部電力(株)  広報部長 田村典久
千代田生命保険(相)  取締役 清水宥玄
都築電気(株) 社長 都築省吾
帝京大学 総長秘書 馬場良雄
東海旅客鉄道(株) 社長 葛西敬之
東京電力(株)  総務部長 山本勝
(医)徳洲会 理事長 徳田虎雄
(財)都市技研 代表取締役 木原 康
西日本旅客鉄道(株) 社長 南谷昌二郎
日産自動車(株) 社長 塙 義一
日産不動産(株) 社長 木島孝蔵
日本航空(株)  常務 平野 聰
日本電気(株)  顧問 大森義夫
日本電信電話(株)  副社長 井上秀一
東日本旅客鉄道(株) 社長 松田昌士
(株)フジ・インターナショナル・アート 社長 福本邦雄
堀硝子(株) 社長 堀 俊一
(株)ホリプロ 会長 堀 威夫
マルハンコーポレイション 社長 韓 昌祐

個人会員の社名
朝日新聞(5名)、毎日新聞(3名)、読売新聞(3名)、日経新聞(3名)、 共同通信(3名)、TBS(1名)、日本テレビ(2名)、フジテレビ(1名)、 テレビ朝日(2名)、講談社(2名)、文芸春秋(3名)、プレジデント(1名)、 選択(1名)、朝日出版社(1名) 等

平成 9 年 10 月 現在

法人会員企業名 (平成 11 年版)
法人名 (50音順) 役職名 / 氏名
天野製薬(株) 会長 天野源博
伊藤忠商事(株)  副社長 内藤正久
(株)エル・ビー・エス 社長 竹中 誉
(株)大林組 副社長 荒川利輝
鹿島建設(株) 社長 梅田貞夫
川崎電気(株) 社長 川崎 暢
関西電力(株)  東京支社長 小橋和雄
(株)啓愛社エヌ・エム・ビー  社長 松岡 敦
(株)啓愛社製作所 副社長 竹内留四郎
サントリー(株) 常務 立木正夫
清水建設(株) 専務 三宅文男
ジャパンライフ(株) 会長 山口隆祥
セコム(株) 最高顧問 飯田 亮
全日本空輸(株)  企画室調査室長 浜田健一郎 
大成建設(株) 副社長 葉山莞児
(株)竹中工務店 社長 竹中統一
中外製薬(株) 総務部長 高木 穆
中部ガス(株) 会長  神野信郎
中部電力(株)  常務 中野淳司
千代田生命保険(相)  総務部長 杉田 隆
都築電気(株) 相談役 都築省吾
帝京大学 理事長 冲永荘一
東海旅客鉄道(株) 社長 葛西敬之
東京電力(株)  常務 山本 勝
(医)徳洲会 理事長 徳田虎雄
(株)都市技研 代表取締役 木原 康
西日本旅客鉄道(株) 社長 南谷昌二郎
(株)日建設計 常務 橋本忠篤
日産不動産(株) 社長 木島孝蔵
日本航空(株)  顧問 平野 聰
日本電気(株)  常務 大森義夫
日本電信電話(株)  副社長 和田紀夫
東日本旅客鉄道(株) 常務 花崎淑夫
(株)パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル 会長 荒木民生
(株)フジ・インター・ナショナル・アート 社長 福本邦雄
堀硝子(株) 社長 堀 俊一
(株)ホリプロ 会長 堀 威夫
平成 11 年 10 月 現在

=====================================
 
 平野貞夫氏によれば(平野貞夫 著『わが友・小沢一郎』/幻冬舎刊)、「(三宝会の)設立の目的は「情報を早く正確にキャッチして、(中略)、行動の指針とするため、(中略)立場を異にする各分野の仲間たちと円滑な人間関係を築き上げていく」というものだった。メンバーは最高顧問に竹下、政界からは竹下の息がかかった政治家、財界からは関本忠弘NEC会長ら6人、世話人10人の中で5人が大手マスコミ幹部、個人会員の中には現・前の内閣情報調査室長が参加した。要するに新聞、テレビ、雑誌などで活躍しているジャーナリストを中心に、政治改革や行政改革に反対する政・官・財の関係者が、定期的に情報交換する談合組織だ。」という。この会は現在も存続しているといわれている。

権力をめぐって権謀術数が渦巻き、政官業と大マスコミが癒着し、己の利益のためなら、マスコミを使って世論操作でも何でもするというひどい政治を変えようとする政治家が現れると、抹殺しようとする。例えば、小沢一郎のような政治家が現れると。このことを「Electronic Journal」から見ていきたいと思う。
             
返信する
Unknown (Unknown)
2012-02-08 19:48:31
Electronic Journal
http://electronic-journal.seesaa.net/article/141479890.html
2010年02月18日
●「三宝会/小沢潰しを狙う組織」 (EJ第2756号)
 竹下登、金丸信両氏、それに小沢一郎といえば、旧経世会の三羽烏といわれていたのです。竹下、金丸とひとくくりにしていうと、金のノベ棒によって象徴される金権体質の政治家というイメージがあります。そして、小沢はそのDNAを引き継いでいる現代の金権体質の政治家の代表ということになってしまいますが、この見方は完全に間違っています。
 
日本の政治の世界はそんなにきれいなものではありません。権力をめぐって権謀術数が渦巻き、政官業と大マスコミが癒着し、己の利益のためなら、マスコミを使って世論操作でも何でもするというひどい世界になっています。
 
ですから、本気でこれを改革しようとする政治家があらわれると、政官業と大マスコミが謀略を仕掛けて追い落とすことなど、当たり前のように行われるのです。それは現在でも続いているのです。現在そのターゲットとされている中心人物が、小沢一郎なのです。彼が本気で改革をやりそうに見えるからです。
 それがウソと思われるなら、ぜひ次の本を読んでいただくとわかると思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
      平野貞夫著
      『平成政治20年史』/幻冬舎新書
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢は田中角栄にかわいがられた政治家であることはよく知られています。田中角栄は小沢に亡くした長男を見ていたのです。しかし、それを快く思わなかった人は少なくないのです。
 
その中の一人が意外に思われるかもしれないが、竹下登氏なのです。村山首相が政権を投げ出し、橋本龍太郎氏が後継首相になると、竹下氏は「三宝会」という組織を結成します。三宝会の本当の目的は、小沢を潰すことなのです。もっと正確にいうと、自分たちの利権構造を壊そうとする者は、小沢に限らず、誰でもそのターゲットにされるのです。
 
なぜ、小沢を潰すのでしょうか。それは小沢が竹下元首相の意に反して政治改革を進め、自民党の利権構造を本気で潰そうとしていることにあります。この三宝会について平野貞夫氏は、その表向きの設立の目的を次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 (三宝会の)設立の目的は「情報を早く正確にキャッチして、(中略)、行動の指針とするため、(中略)立場を異にする各分野の仲間たちと円滑な人間関係を築き上げていく」というものだった。メンバーは最高顧問に竹下、政界からは竹下の息がかかった政治家、財界からは関本忠弘NEC会長ら6人、世話人10人の中で5人が大手マスコミ幹部、個人会員の中には現・前の内閣情報調査室長が参加した。要するに新聞、テレビ、雑誌などで活躍しているジャーナリストを中心に、政治改革や行政改革に反対する政・官・財の関係者が、定期的に情報交換する談合組織だ。             ――平野貞夫著
              『わが友・小沢一郎』/幻冬舎刊
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 この三宝会によって、小沢は長年にわたってことあるごとに翻弄され、しだいに悪玉のイメージが固定してしまうことになります。「剛腕」、「傲慢」、「コワモテ」、「わがまま」、「生意気」など、政治家としてマイナスのイメージは、三宝会によって作られたものなのです。
 なお、三宝会のリストはいくつかネット上に流出しており、見ることができます。その会員名簿のひとつをご紹介します。
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  http://www.rondan.co.jp/html/news/0007/000726.html
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 この会は現在も存続しているといわれており、上記の名簿の中には、現在、TBSテレビの「THE NEWS」のキャスターである後藤謙次氏(共同通信)の名前もあるのです。後藤謙次氏のニュース解説は定評がありますが、こと小沢に関してはけっしてよいことをいわないことでも知られています。
 
 もっとも現在のマスコミにおいて、小沢を擁護するキャスターやコメンテーターは皆無でしょう。口を開けば「小沢さんは説明責任を果たせないなら、辞任すべきだ」――もう一年以上こんなことが飽きもせず続いているのです。
 
 昨年来の小沢捜査で、唯一小沢に対して比較的擁護すべき論陣を張っていたのはテレビ朝日系の「サンデープロジェクト」だけです。それは、元検察官で名城大学教授の郷原信郎氏の存在が大きいのです。郷原氏は2009年の大久保秘書逮捕のときからこの捜査を最初から無理筋の捜査であり、容疑事実からして納得がいかないと断じていたのです。郷原氏のコメントは実に論理的であり、納得のいくものであったのです。それは、今年になってからの小沢捜査でも変わらなかったのです。
 しかし、他局――というより、「サンデープロジェクト」以外の番組は、「小沢=クロ」の前提に立って、それは徹底的に小沢叩きに終始していたのです。
 
 一方、「サンデープロジェクト」以外の他局の代弁者は、元東京地検特捜部副部長のキャリアを持つ弁護士の若狭勝氏です。サンプロ以外のテレビにたびたび出演し、当然のことながら、若狭氏は一貫して検察擁護の立場に立って主張したのです。
 
 「サンデープロジェクト」の郷原氏に対して、同系列局も含めて他局はすべて若狭氏なのです。もっとも「サンデープロジェクト」では、1月29日深夜「朝まで生テレビ」でこの2人は激突しています。1対1の対決ではなく、小沢クロ派――平沢勝栄氏、山際澄夫氏、それに若狭氏、これに対して、小沢擁護派は細野豪志氏、大谷昭弘氏と郷原氏という強力な対決であり、勝負にならなかったようです。しかし、ほとんどのテレビ局が反小沢というのは本当におかしな話です。     ―[小沢一郎論/32]
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Author:熊木和枝 (2011/12/17(土) 17:38:23)
2012-02-08 20:00:50
石川議員の取調べにあたった田代検事が証人の裁判の午後の弁護人の尋問で、しだいに特捜部長への報告書が事実に反する報告書が作成され、しかもそれが検察審査会の議決の判断材料となったということがわかりはじめてから、私はとても大変な裁判を傍聴しているという興奮から体が震えるようだった。

 これは、検察の犯罪が立証された瞬間でもあり、検察審査会の決定をも左右する出来事だった。動画に裁判の傍聴時にメモした記録を参考にしながら、すぐに動画にアップ。とりあえずブログにも貼り付け、配信した。

 帰って、いつものようにこの裁判の流れに沿って書かれている「産経ニュース」の記事と傍聴メモを照らし合わせる。しかし、午後の弁護士からの質疑応答において、私が最重要ポイントだとしてチェックした言葉や文章が見当たらない。この日は、疲れて寝てしまった。

翌日は前田検事の証言の裁判。あいにく抽選にはずれ、前日裁判の新聞報道のチェックをしながら、田代検事の裁判記録の照合作業をする。やはり、この日の検事証言(午後)についての産経ニュースは、重要部分をはしょっているように思われた。

また、何人かが交代して書くのか、ときどき的外れの見出しがつけられている事にも気づく。ずーっと最初から最後まで傍聴していれば、何が重要なのかがわかって、たとえば前田検事証人の裁判なら「私が裁判官だったら無罪にする」という見出しがつけられたはずだ。やはり、実際に傍聴しなければだめだと思った。これら報道だけを鵜呑みにすることは真実が得られない事にもなる。

 小沢裁判を通して検察・裁判所ぐるみの巨悪に近づきつつある。それを隠蔽しようとする勢力もまた必死だろう。傍聴していないからなんとも言えないが、命令に忠実な前田検事もまた、冤罪被害者の可能性があるのかもしれない。検察への憤りから、もっと隠されている巨悪の存在が浮き彫りにされつつあるように思われる。

 前田検事の証言のニュースをネットで調べる。

「私が裁判官なら小沢さんの無罪を書く」

「この件は特捜部と小沢の前面戦争だ。小沢を挙げられなければ、特捜部は負けだ」

「見立て違いの妄想だ。現場は厭戦ムードだった」

「裏献金問題で小沢さんを立件したいのは特捜部長ら数人だった。」

「「東京地検特捜部の捜査には問題がある。」

「小沢被告との共謀の立証は困難とも思っていた」

「東京地検が捜査中、石川被告の弁護人から取り調べの不適切さを指摘する書面を受け取っていたのに、同審査会にこの書面を提出しなかったと批判した」

「企業から(献金したという)話が出ず、現場はかなり疲弊していた。」

「水谷建設からの裏献金受領を一貫して否定したため、担当副部長が、『あいつもらってないんじゃないか』と話していた。」

「5千万円受け取ったやろ、と言ったら、石川さんが否定して、『この通り、受け取っていない証明として土下座もできる』ということで土下座した、と言っていたが、私の素朴な感覚では、否認していた被疑者が次の日の朝に土下座して『嘘ついてました』というのはあり得るけど、普通はないでしょう。国会議員ですよ、当時。いかがなものかと」

「検察の想定と異なる聴取内容は調書にせずメモにしていたのは証拠隠しで、検審にそれが示されれば、水谷建設からの信用性も減殺されていたはず」

「4億円が企業からの献金と『妄想』する人もいたが、正直ついていけなかった」

「小沢氏に虚偽記載をして了承を得た場面は、最大で『おう』という程度と聞いて、この程度では小沢氏の共謀を問うのは難しい」


などという驚くべき供述が記されていた。昨日の田代・民野検事の報告書偽造・女性秘書監禁に続き、検察の犯罪とも思われる取調べの実態が明らかにされ、冤罪がどのようにつくられていくかということが、裁判を通して国民に知らされることとなった。

 当然、テレビでの報道は特番とかトップニュースの扱いかと、まず、NHKの7時のニュースをつけた。

やっていたのは、「原発収束」野田宣言だった。細野大臣らが登場して意見を述べるも、裁判のことはやらない。9時のニュースもまた同様だった。原発と中国問題とサッカー。こんな重要なニュースが、原発収束宣言で消された。テレ朝のニュースステーションもまたいっさい報道しない。

この国のマスコミは何をチェックするのだろうか?不安のまま翌日新聞を調べた。東京・読売・産経・朝日の新聞各紙はいずれも詳しくこの前田検事の「小沢さんは無実だ」というコメントを報道していた。さらに特捜部の手持ちの証拠全面開示と取調べの可視化(録音・録画)に踏み込むべきだと力説したことも記されていた。

 新聞は、事の重大性がわかって報道されているが、テレビはどうしたのだろうか。

タイミングよく発表された「原発収束宣言」。事態はそれほど好転しているとは思えないが、なぜこの時期にとってつけたように発表したのか?それによって隠したい何かがあったとしたら。そのことを見きわめることが、我々に求められているように思う。
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小沢茶番裁判すぐ中止しろ 特捜検察の恐るべきデタラメ次々暴露 <この国の検察、警察はデッチ上げで犯罪、犯人を捏造している> (Unknown)
2012-02-08 20:04:14
http://gendai.net/articles/view/syakai/134259
ゲンダイネット
一体この裁判は何なのか。強制起訴された小沢一郎元代表(69)の裁判がグチャグチャになってきた。
 
 16日の第10回公判には、例の村木事件でフロッピーを改ざんして有罪になった元検事の前田恒彦受刑者(44)が証人として出廷。大久保隆規元秘書を取り調べた担当として呼ばれたのだが、口にしたのは、2年前当時の東京地検特捜部の驚くべき内情だった。

「裏金があったと“妄想”を描いている(特捜)幹部もいた」と平気で証言し、「私が裁判官なら(小沢)無罪と判決を書く」とまで言い放ったのだ。もはや地検特捜部は捜査機関の体をなしていない。瓦解も同然だ。こんなデタラメ検察がつくり上げた小沢裁判を続ける必要があるのか。

<これは莫大な税金ムダ遣いの典型だ>

 青のジャージーに安っぽい蛍光色のフリースを羽織り、刑務官に付き添われて出廷した前田元検事。丸刈りの頭髪には白髪が交じり、「大阪特捜のエース」がウソみたいに変わり果てた姿だった。

それ以上に法廷を驚かせたのは、前田が昨年1月、陸山会事件で大久保秘書を取り調べるため、大阪から東京地検に応援に呼ばれたときの状況だ。前田は着任早々、事件を担当する木村匡良主任検事(49)からこう言われたという。
「これは特捜部と小沢一郎の全面戦争だ! 小沢をあげられなければ我々の負けだ!」
 まるで昔の軍人かヤクザの親分のセリフだが、ここに小沢捜査の本質が凝縮されている。「ジャマな小沢は必ず抹殺する」――。そういう決意表明なのだ。何が何でも小沢を逮捕するという予想通りのシナリオが最初からあったのだ。
 
 16日の前田証言がそれを裏付けてもいた。当時の特捜部幹部は水谷建設などのゼネコン企業から小沢サイドへの裏献金を洗い出すことに血眼になっていた。しかし、現場の検事がいくらゼネコン担当者や下請け業者から聴取しても裏金の存在が出てこない。「当時の雰囲気を言うと、現場は厭戦ムードでした」と前田はこう証言を続けた。

「陸山会事件を積極的に小沢さん(立件)までつなげたがっていたのは、当時の佐久間特捜部長と木村主任検事、大鶴次席検事ら一部の幹部でした。次の(大林)検事総長(当時、東京高検検事長)も乗り気ではありませんでした。
それでも(部長らは)1億や2億、場合によっては4億円を出してこいと(現場に)言ってくるのです。

私は佐久間部長に、想定しているスジ(ストーリー)を聞いてみました。夢みたいな話、妄想を語られました。私は率直に『裏献金は難しい』と言いました。ほかの検事も『無理』と言っていました」
 
 一部の幹部が、消極的な部下のシリを叩き、ありもしない「裏金1億円」ストーリーをデッチ上げる。組織が狂気に向かって突っ走る、恐るべき姿が目に浮かぶようだ。

<特捜部は検察審査会にも不利な証拠を隠した>

 もちろん、エラソーに証言する前田本人も、村木元厚労省局長の冤罪事件で証拠を改ざんし、逮捕されたデタラメ検事、いわば同じ穴のムジナである。この日も、自分が作成した大久保調書の正当性はシャーシャーと主張し続けたが、そんな前田でさえ、驚き呆れるほどの東京地検特捜部の結論ありき捜査だったのだ。
 
 午後になると、前田はフリースを脱いで、ますますヒートアップした。さながら独演会で、

「検察が検察審に提出したもので証拠になっていないものがある。石川(知裕)議員の調書には問題があったんじゃないですか。弁護士からクレームがバンバンあった印象があります」

「ゼネコンや下請けの捜査員を増やしたのに調書がないでしょう? 裏金を渡しているという検察の想定と違う取り調べ内容は証拠化しないんですよ」

などと、恐るべきことを次々と暴露していった。これだと、どんな事件もデッチ上げられ、誰でも犯人にされてしまう。あっちこっちで村木事件がつくられているのだ。
 
 そんな一方的な検察資料をもとに、検察審査会の一般人11人は、小沢不起訴を「不当」と議決し、現在の小沢裁判となっているのだから、恐ろしい。ムチャクチャだ。

 そして、冒頭の「私が裁判官なら無罪と判決を書く」となったのだが、小沢裁判を傍聴し続けているジャーナリストの江川紹子氏が言う。

「最大の問題は、検察が証拠を隠したり調書を作らなかったために、検察審査会に正確な情報が伝わらず、正しい議決に結びつかなかった可能性があることです。もちろん、国民の判断を誤らせてきた新聞やTVメディアの責任も重大です」
 
 前日の公判では証人台に立った田代政弘検事(44)の証言が問題になった。小沢強制起訴の最大の根拠である石川議員を再聴取した際の捜査報告書を、以前の“記憶”とゴチャ混ぜにして捏造していたことが明らかになった。検察と一体になって小沢叩きを展開した読売新聞までが、1面トップで「検事報告に虚偽」「有罪立証にダメージ」と書かざるを得ない非常事態になってきた。もはや勝負ありだ。
 
検察のデッチ上げ体質、証拠隠しはバレバレである。この先いくら小沢裁判を続けたところで、「無罪」は動かなくなった。いくら「推認」好きの裁判長だとしても、小沢をクロにすることは無理だ。それならサッサと裁判を中止すべきだ。こんな茶番裁判に莫大な税金を使い、小沢一郎を幽閉して何の意味があるのか。百害あって一利なしだ。
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小沢裁判でハッキリした やっぱり検察審は「解散」が必要 (日刊ゲンダイ 2011年12月19日 掲載)
2012-02-08 20:17:05
検察の追認機関にすぎない正体不明の組織
<はぐれ刑事 前田の告発がなければ闇から闇の世の中…>

「検察の証拠隠しがあった。検察審はすべての証拠を見ていない。証拠が全部出れば、小沢氏は無罪だ」――“はぐれ検事”の爆弾証言でハッキリしたのは検察審査会制度の致命的な欠陥だ。「市民目線」と称する検察審を悪用すれば検察の意のままに誰もが犯罪者に仕立て上げられる恐怖のシステム。検察審は即刻解散が必要だ。

「ゼネコン献金は夢物語。検察幹部の妄想だ」
 16日の小沢裁判に証人として出廷した前田恒彦・元検事(44)は冗舌だった。赤裸々な捜査批判や暴露話の連続に、法廷の小沢一郎も思わず身を乗り出したほどだ。
 前田が証拠隠しの例に挙げたのは、検察幹部の「夢物語」に関する現場検事の「捜査メモ」だ。
 例の土地購入費4億円について、「妄想」を抱いていたのは当時の佐久間達哉特捜部長と大鶴基成次席検事、木村匡良主任検事のみ。佐久間部長が現場の陣中見舞いに訪れ、「4億のうち、水谷建設から5000万、○○社から1億、××社から2億」と持論を展開するのを聞き、前田は「何だそれ、夢を語っているのか」と思ったという。
 なぜなら、当時は地方から20人近くの検事が東京地検へ応援に駆り出され、小沢の地元・岩手の胆沢ダム工事を受注したスーパーゼネコンや下請け業者を総がかりで聴取した。ところが、水谷建設以外から全く供述は得られず、「小沢側に現金を渡していない」と語る業者ばかりだった。
「特捜部は想定と違う話は調書にせず、(証拠にならない)取り調べメモとしてワープロでまとめ、捜査班内で配って共有する。当時は『金を渡していない』という建設業者の供述メモが大量に出回っていた」(前田)
 5000万円を受け取ったとされる元秘書の石川議員もかたくなに否定。石川を調べた吉田正喜副部長(当時)でさえ、「アイツ、受け取っていないんじゃないか」と前田に漏らし、前田は「妄想ばかりで、現場は厭戦(えんせん)ムードが漂っていた」と証言した。
 小沢の裏金捜査は、現場レベルでは「シロ」という判断だったのだ。

 しかし、一般人11人が集まった検察審査会の議決書には「小沢氏の4億円の出どころの説明は著しく不合理だ」とある。検察幹部の妄想に引きずられた結果だ。実は取り調べメモは保管義務の対象外で捜査後に廃棄されてしまう。建設業者の「裏金を渡していない」という大量のメモは、従って検察審の目に触れられない。
 前田は「審査員がメモを見ていれば、水谷の話の信用性は低くなって違った判断が出ていたはず」と、力説した。
 強制起訴の最大の根拠となった石川調書も同じだ。
 検察は検察審査会に石川議員の取り調べを巡る弁護人からの抗議文を提供していない。審査員が抗議文を見れば、「小沢氏に虚偽記載を報告し、了承を得た」という調書の信用性は低下していた。
 しかも、再捜査時に石川議員を取り調べた田代政弘検事はウソの捜査報告書を上司に提出。調書なら、調べられた当人の石川議員の署名が必要だが、報告書は検事が署名するだけ。検察審はウソの報告書を踏まえ、「再捜査で、石川自身が有権者から選ばれた議員であることなどを理由に合理的に説明している」と判断、石川調書を信用したのだ。
 前田は自分の公判でフロッピーディスク改ざん事件の動機について、「失敗が許されない捜査で強いプレッシャーを感じた」と語った。
 この日は田代検事について、「相当プレッシャーがあったと思う」と証言し、故意の捏造をにじませたが、さらに問題なのは検察審の隠蔽体質だ。
 小沢弁護団が再三、検察審に渡った検察証拠の情報開示を求めても、一切応じないという。100%密室の中、検察のさじ加減ひとつで、いとも簡単に検察審の判断がコントロールできるなんて、恐ろしい。ジャーナリストの魚住昭氏は「致命的な欠陥が明るみに出た以上、検察審査会制度は即刻やめるべきだ」とこう言う。
「検察側が、素人である検察審にどんな証拠を出し、どんな証拠を隠すのか。極めて恣意的な判断で、証拠が足りなくて起訴できなかった人物でも、検察審を経由することで、裁判にかけられてしまう。しかも、捜査現場で『見立てが、どうも違うぞ』と判断した事件ですら、一部の検察幹部が“妄想”に執着すれば検察審で起訴できてしまうのです。本当に恐ろしい制度です」
 検察組織を追われた、はぐれ検事の“告発”がなければ、闇から闇の世が続いていた。小沢を強制起訴した平均年齢34.55歳の審査員も「検察にだまされた」と不明を恥じるなら、「私たちが間違っていました」と、名乗り出て小沢に土下座すべきだ。
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完全復活!小沢勉強会に136人集結 (日刊ゲンダイ   2011年12月22日 掲載)
2012-02-08 20:28:42
年明けから さらに膨張
<野田首相は「増税」できるのか>

「136」――。この数字は、野田首相にとって大きなプレッシャーだろう。21日、民主党の小沢一郎元代表が会長を務める「新しい政策研究会」が発足した。略称は「新政研」。西松事件で問題になった政治団体(新政治問題研究会)と同じ略称なのはご愛嬌だが、設立総会には衆参合わせて106人の国会議員が出席し大盛況だった。欠席者も含めれば、賛同者は136人に上る。党所属議員の3分の1以上が集結したのだ。

 もともとは、「一新会」「北辰会」「参議院」と3つに分かれていた小沢グループを統合する目的で設立した勉強会だが、鳩山グループや樽床グループからも参加者が出た。
 賛同者には、野田政権が推し進める消費税増税に反対する議員が多いのが特徴だ。
 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「この勉強会は、イザという時に結束して動くためのもの。ついに小沢氏が、今の民主党ではダメだと見切りをつけた。党内では日増しに“反増税”の声が大きくなっているのに、このままでは財務省言いなりの野田首相が増税を強行しかねない。いずれ行動する日が来ると考え、会を立ち上げたのでしょう」
 そこに小沢グループ以外からも賛同者が集まったことの意味は大きい。この勉強会が今後ますます膨張していく可能性があるからだ。
「民主党内には、裁判を抱えた小沢氏の復権は難しいだろうと様子見だった議員もいますが、ここへきて強制起訴の根拠になった捜査報告書が“捏造”されていたことが発覚し、小沢氏に厳しかったマスコミの論調も徐々に変化しています。無罪の可能性が高まり、小沢氏が求心力を回復している。その結果、130人超という数が集まった。今後さらに人数が増え、200人近くになっても不思議はありませんよ。政局のキーマンに再び小沢氏が浮上した格好です」(政治評論家・小林吉弥氏)
 小沢グループが中心となって集めている増税反対の署名には、中間派の議員も名を連ね始めた。「勉強会には参加していないが、増税反対の理由に共感した」と、署名した中堅議員がこう話す。
「年末年始に地元に帰った議員は、『自分たちの身も削らずに増税とは何事か』と一様に突き上げを食らうでしょう。選挙が近いかもしれないし、年明けからは反増税路線を鮮明にする議員が急増すると思う」
 野田が消費税増税を強行しようとすればするほど、小沢勉強会への賛同者が増えていく。これまで「小沢派なんて実態は数十人」とタカをくくっていた党内の反小沢派も、設立総会に136人という現実を見せつけられ、マッ青になってるんじゃないか。
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小沢捜査報告「捏造」発覚 (日刊ゲンダイ  2011年12月16日 掲載)
2012-02-08 20:38:47
根底から崩れた「強制起訴」
<事実と異なるやりとり記載>

 とんでもないインチキが発覚した。15日の民主党・小沢一郎元代表(69)の第9回公判で、検察側の捜査報告書の「捏造」が明るみとなった。この偽りの報告書こそ、検察審査会が小沢に下した強制起訴議決の決定的証拠だ。デッチ上げの証拠を基に、人を罪に陥れるのはれっきとした犯罪行為。東京地検は名誉にかけて、捏造検事を今すぐ逮捕すべきだ。

 この日の証人は元東京地検特捜部所属の田代政弘検事(44)。陸山会事件で一貫して、元秘書の石川知裕衆院議員の取り調べを担当した。
 小沢弁護団の“隠しダマ”は午後の法廷で炸裂した。最初の起訴相当議決を受け、田代検事は昨年5月17日に保釈後の石川を任意で聴取。問題の捜査報告書は当日の調書を補う書面として、当時の佐久間達哉・特捜部長(54=現・法総研国連研修協力部長)に提出したものだ。
 弁護側が法廷の大型モニターに映し出した報告書には聴取の具体的なやりとりが記されていた。小沢に虚偽記載の報告や了承を認める供述を維持した経緯について、石川が次のように話したことになっている。
「勾留中に田代さんから『あなたを当選させた有権者の大半は小沢一郎の秘書としてではなく、あなた個人を信頼して投票したはずだ。ヤクザの手下が親分を守るようなウソは有権者が許さない』と言われたこと、あれが効きました」――。

<「記憶が混同」とアキレた言い訳>

 ところが、石川議員が任意聴取の内容をひそかに録音した記録には、こんな受け答えは一切出てこない。田代検事は事実と異なるやりとりを記載したのだ。検察官役の指定弁護士にも報告書は証拠開示されているが、想定外の質問だったのか、目を白黒させていた。
 小沢弁護団の喜田村洋一弁護士は田代検事に「やりとりはなかった」と認めさせた上で、追及を強めていった。
喜田村「報告書は特捜部長宛て。実際と異なる報告を書いたのはなぜ」
田代「この日の調べは一言一句記録していたわけではない。思い出し思い出し数日かけて作成した。(石川が)勾留中に話したことや保釈後に書いた著書の内容と記憶が混同した」
 ハア? これだけ忘れっぽい男が午前の法廷では指定弁護士の質問に対し、一昨年12月末の石川の逮捕前聴取の中身について、よどみなく答えていたのだ。問題の聴取より5カ月前のことである。それとも午前の自分の証言すら、もう忘れたのか。いずれにしても検事失格だ。
 インチキ報告書発覚で、小沢の強制起訴も根底から崩れ去ってきた。
 検察審は昨年10月公表の議決書で、「石川議員は再捜査でも、有権者に選ばれた衆院議員であるなどと言われたために供述を維持している」として、小沢への報告・了承を認めた供述は信用できると判断した。田代検事の「捏造」が基になったのは明らか。この国難に政界一の実力者が法廷闘争に縛り付けられている最大の要因となってしまった。
 捜査報告書のデッチ上げは、改ざん検事の前田恒彦受刑者も問われた立派な証拠隠滅罪だ。田代検事は現在、特捜部から新潟地裁に左遷された身。いっそ、洗いざらいブチまけたらどうだ。
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小沢問題で検察リークに踊らされるメディアへの危惧 (2010年01月21日 週間ダイヤモンド)
2012-02-08 21:06:29

 今週の「週刊朝日」に書いた原稿「検察の狂気」への反応の大きさに驚いている。タイトルは編集部のつけたものであり、筆者の意図は単純な検察批判にはない。むしろ、批判の矛先は報道する側の記者クラブメディアにある。

 記者クラブ問題に関しては、本コラムの読者であるならばもう説明は不要だろう。今回も、小沢一郎秘書らの逮捕に際して、相変わらず不健全な「報道」が続いている。

 ニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーは、無批判に検察の捜査方針に追従する日本の記者クラブの一連の報道姿勢を、昨年12月の紙面で痛烈に批判している。

〈記事の中で私は、記者クラブのことを「一世紀続く、カルテルに似た最も強力な利益集団の一つ」と書きました。(略)

 そのことを実感したのが、西松建設事件を巡る報道です。記者クラブによるほとんどの報道が検察のリーク情報に乗るだけで、検察の立場とは明確に一線を画し、なぜこの時期に検察は民主党代表の小沢氏をターゲットにしているのか、自民党の政治家は法律上問題のある献金を受けていないのか、といった視点から独自の取材、分析を行う(記者クラブ)メディアはなかったように思います。西松建設事件の時、私も東京地検に取材を申し込みました。しかし、「記者クラブに加盟していないメディアの取材は受けられない」と拒否されました〉(「SAPIO」筆者インタビュー記事より)

 確かに、小沢一郎も権力である。だが検察もまた国家権力である。なぜ日本のメディアは、双方の言い分を公平に扱って、読者や視聴者に判断を委ねることをしないのか。なぜ日本の記者クラブは、世界のジャーナリズムで当然に行われている権力報道のルールから逸脱することが許されるのか。

 ファクラーのみならず、これは万国のジャーナリストたちが抱き続けてきた日本の記者クラブメディアに対する共通の疑問である。

 検察と司法記者クラブで作られる「官報複合体」の影響力は絶大だ。あらゆる事件に対してそこに疑義を差し挟むことは許されない。とりわけ日本のメディアで仕事をする者は全員、その「権力複合体」の前では、黙るか、傅くか、あるいは排除されるのかのいずれかしか道は残されていなかった。

情報リークをする検事の実名を出すタブー

 筆者の体験を記そう。

 昨年3月、西松建設事件の発端となる大久保秘書の逮捕された直後、筆者はフジテレビの報道番組『新報道2001』に出演した。当日のゲストは、宗像紀夫・元東京地検特捜部検事と、笹川尭自民党総務会長(当時)、小池晃共産党政審会長などであった。

 大久保秘書の逮捕について発言を求められた筆者はこう語った。

「私自身、議員秘書経験がありますが、その立場からしても、政治資金収支報告書の記載漏れでいきなり身柄を取るのはあまりに乱暴すぎるように思う。少なくとも逮捕の翌日から、小沢一郎代表(当時)はフルオープンの記者会見で説明を果たそうとしているのだから、同じ権力である検察庁も国民に向けて逮捕用件を説明すべきだ。とくに記者クラブにリークを繰り返している樋渡検事総長と佐久間特捜部長は堂々と記者会見で名前を出して話したらどうか」

 筆者は、当然のことを言ったつもりでいた。ところが、番組放送終了後、笹川総務会長が烈火のごとく怒っていた。私に対してではない。番組の幹部に対してである。

「あんなやつを使うな! あんなのとは一緒に出ない」

 昼過ぎ、スタジオを出た筆者の元に検察庁担当の社会部記者から電話が入った。

「お前まずいぞ、(検察側の)実名を出しただろう。『調子に乗りやがって』と、検察は怒っていたぞ。心配して言ってんだ。本当に、気をつけた方がいいぞ」

 彼の話によると、本気でやろうと思えば、痴漢だろうが、交通違反だろうが、あらゆる手段を使ってでも、狙われたら最後、捕ってくるというのだ。たとえば道を歩いていて、他人の敷地に間違えて足を踏み入れただけで不法侵入の疑いで持っていかれるかもしれないということだった。

 繰り返すが、小沢幹事長も公人であり権力であるが、検察も同じく公的機関であり国家権力なのだ。その一方を大々的に実名で報じておいて、一方を隠し、守り通す。

 記者クラブの持つその精神の方が、明らかにアンフェアだと筆者は思うのだが、日本の報道界ではそうした意見は聞き入れられないようだ。

戦前の過ちから学ばない新聞ジャーナリズム

 組織同士の共生関係は、外部からの攻撃に対して、強い耐性を持つ。単体では弱い組織体も、お互いの弱点を補うことでより強固な権力構造に生まれ変わるのだ。

 たとえば米国の「軍産複合体」もそうだ。軍部と産業が手を握ることで強力な権力構造を作り、お互いが利権を補い、利権を享受している。

 過去の日本もまた同様であった。戦前、軍部と新聞が共生関係にあったことで戦争の惨禍に国民を引き摺り招いた。本来、権力をチェックすべき新聞ジャーナリズムが、権力に寄り添ったために起きた悲劇である。

 果たして、そうした教訓は活かせたのだろうか。現在の検察と記者クラブメディアの関係をみると悲観的にならざるを得ない。本当に、新聞は戦前の過ちを反省しているのだろうか。

 つまり、いまだ「大本営発表」は存在するのだ。

 国が破れ、何百万人という日本人の尊い命を犠牲にした先の戦争の悲劇の責任はひとり軍部の独走だけに帰すべきではない。批判精神を忘れ、権力に寄り添ったメディアが一体となって不幸な戦争に突き進んだ結果なのではないか。

 報道は権力から独立しなくてはならない。

 だが、日本では、今回の小沢金脈報道をみるように、再び同じ過ちを繰り返しているようだ。

捜査が順調な場合、検察は情報リークしない

 石川裕知議員と小沢秘書ら3人が逮捕されると同時にまたもや供述内容がメディアに漏れ始めた。

〈「これ以上は小沢先生に相談しないと話せない」(中略)特捜部の聴取には涙ながらに、「親分」の承認なしに真実を口にできないかのような供述をしていたという。〉(産経新聞)

 果たしてこうした捜査情報はどこから出てくるのか。密室であるはずの取調室の会話が即時に新聞紙上に踊るのだろうか。なぜ、検察からのリーク情報は止まないのか。

 そもそも捜査が順調な場合には、検察は絶対に情報を洩らさない。筋のいい事案を追っているときは、たとえば朝刊に「きょう○○を逮捕へ」という具合に、結果が出た段階で初めて世間に知らされる。

 ということは、事前にメディアに捜査情報が漏れる場合は、捜査が芳しくない状況にあるか、あるいは「死に筋」であったりする。つまり、リークによって局面を打開するためにメディアを利用するのだ。

 この1年弱の小沢報道も同様の可能性が高い。贈収賄、斡旋収賄、脱税などの文字が躍り続けているが、現時点では、元秘書と現職秘書の政治資金規正法違反にぎすない。

 とりわけ石川議員の逮捕は、検察による立法府への挑戦と受け止めてもおかしくない内容である。

 なぜなら、公職選挙法でもない事案で、しかも秘書時代の政治資金収支報告書の不記載という違反によって、現職の国会議員を逮捕するということは異常以外のなにものでもない。民主主義の根幹である選挙を無視したものである。仮に逮捕するというのであるならば、百歩譲って、国会開会中、逮捕許諾請求を取ってから行うべきではないか。

 さらに、国権の最高機関である立法府の一員を逮捕したというのに、検察は何一つ説明を果たそうとしていない。また、記者クラブメディアも説明を求めていない。

 検察の暴走を報じない日本の新聞・テレビなどの記者クラブメディア。日本は再び、「大本営発表」が蔓延る、あの戦前の暗黒時代に戻ろうとしているのではないだろうか。(2010年01月21日週間ダイヤモンド)

上杉隆 (ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。
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Unknown (Unknown)
2012-02-08 21:35:02
 利権政治家の代表格・野中広務などは軽蔑する人物だが、墓場に近づくにつれて良心が芽生えてきたのだろうか。 4月28日珍しくまともな事を言った。 下記は琉球新報の記事(2010年4月28日)からの転記です。

 『野中広務元官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月~99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。

 野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。 秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。

 野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。 その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。 一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。

 官房長官の政治的判断で国庫から支出される機密費は、鳩山内閣が昨年11月に内閣として初めて2004年4月以降の小泉内閣から現在までの月別支出額を公表したが、使途については明かしていない。

<用語>内閣官房報償費(機密費)
 「国の事業を円滑に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。国庫からの支出は年間約12億円で、使途の不透明さが問題視されており、民主党は2001年に一定期間後の使途公表を義務付ける法案を国会に提出した。』(ここまで)

その他の新聞記事はこちらでご覧下さい

 野中広務は京都府副知事を経て1983年に衆院議員に初当選。1998年7月から翌年10月まで官房長官を務め、2003年に政界を引退した。

 これ程重大な発言を大新聞やテレビではおざなりに琉球新報の後追い記事を報道しただけで黙殺し、追加記事も無く闇に葬ろうとしている。 なぜ追求しないのか、それは政治部の記者のみならず役員、社主までが汚染されているからだ。 その代表格が読売新聞の渡辺恒雄だ。

 マスコミの政治記者は総じて自民党時代にはそのおこぼれの恩恵によくしていた。 政治部記者の何人か、ではなく全員が当然の如く受け取っていた。

 マスコミの政治部記者が民主党に政権が変った事で『収入』が著しく落ち、酒代も自前になったことから、鳩山、小沢に対する風当たりが強くなる事は充分理解出来る。 こじき根性の薄汚いジャーナリストなどは人間のクズだ。 テレビなどで知ったような事を論評している自民党ご用達の『政治評論家』が裏では自民党と汚い金で結びつき、批判、追及のポーズをとるだけで、まさに馴れ合いで、それを鵜呑みにしている国民はいい面の皮だ。

 政治評論家やマスコミを自民党の味方につけるためのその金は、国民からしぼり取った税金だ。 その金が新聞記者等のメディアに所属する薄汚れたジャーナリストの家の新築祝い、転勤祝い、出産祝い、子供にこじつけた様々な祝い金、そして、議員の海外旅行での餞別だという。 この餞別で同行記者に頻繁にお土産と称する買い物をさせ、プレゼントする。

 同行する番記者は出張費をもらった上に議員から食事からお土産まで一切の支出をまかなって貰える。 自民党政権時代ここまでされた政治関連の記者が今の民主党攻撃の急先鋒に居る。 マスメディアの政治記者の全員が自民党からの金汚染にまみれている事実は私自身が目の当たりに見てきた現実だから断言出来る。 メディアの浄化は喫緊の課題である。

 新聞やテレビの政治部記者は官邸に餌付けされ飼い慣らされてきた政治家の下僕なのだ。 

 私が商社に勤務していた時代の経験では、1980年代の話だが何々委員会と言う政党混在の海外研修旅行に接待のため何度も同行した事があるが、社会党、公明党、共産党の議員は単独で参加していたが、ほとんどの自民党議員は秘書を同行させており、大きなカバンを抱えて買い物の度に秘書が支払っていた。 この秘書の旅行費も機密費からの流用である事は容易に推察できる。

 週刊ポストの記事で、ジャーナリストの上杉隆氏が入手したとされる政治評論家リストには共通点があると言う。 それはマスメディアの政治部記者が退職後政治評論家となり、政府の各種委員会に招聘され金を受け取る。 こんな構図が紹介されている。

 政治評論家と称する自民党の下僕達は民主党の小沢一郎に対する無責任で根拠のない疑惑をメディアが垂れ流すことに対して、無責任な人権無視の行動を批判せずに、情報誘導を後押しして、小沢に対するネガティブ・キャンペーンに協力し、あげくの果てに、小沢一郎氏に説明責任を求めてきた。

 自民党政権下での官房機密費によるマスコミ汚染はタレントの薬物汚染よりもはるかに悪質だ。 疑惑のある言論人は、他人の説明責任を求める前に、自らの「政治と金」について説明責任を果たすべきだ。 癒着、馴れ合い、もたれ合い、マスコミというのは、腐りきった組織なのだ。

ネット上で疑われているタレント、評論家、コメンテーターの名前を集めてみました。 
(何の根拠もありません。)

宮崎哲弥、三宅久之、テリー伊藤、河上和雄、橋本五郎、北野タケシ、みのもんた、北村弁護士、大田光(爆笑問題)、古館伊知朗、後藤謙次(元・三宝会の世話人)、木村太郎、辛坊次郎、青山繁晴、橋本五郎(読売)、星浩(朝日)、岩見隆夫(毎日)、岸井成格(毎日)、桜井よし子、池上彰、田崎史郎、屋山太郎、福岡正行、河上和雄(元・東京地検)

写真週刊誌FOCUSが2000年5月31日号
『極秘メモ流出!内閣官房機密費をもらった政治評論家の名前』

竹村健一 200万円
藤原弘達 200万円
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Unknown (Unknown)
2012-02-08 21:36:54
 野中広務氏「官房機密費、毎月5千万~7千万円使った」 朝日新聞 2010年4月30日

 小渕内閣で1998年から99年にかけて官房長官を務めた野中広務氏が30日、当時の官房機密費の取り扱いについて、「毎月5千万~7千万円くらいは使っていた」と暴露した。首相の部屋に月1千万円、野党工作などのため自民党の国会対策委員長に月500万円、参院幹事長にも月500万円程度を渡していたほか、評論家や当時の野党議員らにも配っていたという。都内で記者団に明らかにした。

 野中氏はさらに「前の官房長官から引き継いだノートに、政治評論家も含め、ここにはこれだけ持って行けと書いてあった。持って行って断られたのは、田原総一朗さん1人」と述べた。

 与野党問わず、何かにつけて機密費を無心されたこともあったという。「政治家から評論家になった人が、『家を新築したから3千万円、祝いをくれ』と小渕(恵三)総理に電話してきたこともあった。野党議員に多かったが、『北朝鮮に行くからあいさつに行きたい』というのもあった。やはり(官房機密費を渡して)おかねばという人と、こんな悪い癖がついているのは絶対ダメだと断った人もいる」とも語った。

 いまになってこうした話を明かす理由について、84歳の野中氏は「私ももう年。いつあの世に行くか分からんから。やっぱり国民の税金だから、改めて議論して欲しいと思った」と説明した。

 鳩山政権では、平野博文官房長官が官房機密費の金額を公表しているが、その使途は明らかにしていない。野中氏は「機密費自体をなくした方がいい」と提案した。(朝日新聞 2010年4月30日)


 前官房長官・河村をビビらせた野中広務の告白 (ゲンダイネット 2010年04月29日)

●新築祝いに3000万円!?

 自民党の河村建夫・前官房長官がビビりまくっているという。河村は政権交代直後の昨年9月に2億5000万円もの官房機密費を引き出したとして、大阪市の市民団体に背任容疑などで東京地検に告発されている。この問題に関連し、思わぬところから新証拠が飛び出した。野中広務元官房長官がテレビで官房機密費の使途を洗いざらいブチまけた一件だ。河村を告発した原告代理人のひとりで弁護士の辻公雄氏はこう言う。

「野中氏の発言で、官房機密費があらためて情報収集に使われていないことが分かりました。野中氏の発言を載せた記事を基に先週、東京地検に証拠資料の請求をしました。河村議員の件が訴訟になれば、野中氏を裁判の証人として呼ぶことも検討したいと思います」

 野中の衝撃告白は、先週放送された「官房機密費の真実」(TBS系)。番組で野中は、官房機密費の使途をバクロした。

「総理の部屋に月1000万円。衆院国対委員長と参院幹事長に月500万円ずつ持って行った」「政界を引退した歴代首相には盆暮れに毎年200万円」「外遊する議員に50万~100万円」「(小渕元首相から)家の新築祝いに3000万円要求された」と次々に明らかにしたのだ。

「これはもう公私混同どころのレベルじゃなく、税金ドロボー、公金横領ともいえる驚愕の実態です。告発されている河村はもちろん、自民党の歴代首相や官房長官はみな泡を食っています」(司法ジャーナリスト)

 野中証言にはもうひとつ注目発言があった。「(政治)評論をしておられる方々に盆暮れにお届け」と明かしたことだ。

「テレビに出ている政治評論家やタレントが数百万円を提示されてマスコミ工作をお願いされたという話もある。この人たちが“毒まんじゅう”を食べていたと仮定すると、官房機密費のニュースに触れない理由が分かります」(民主党関係者)

 鳩山政権が、歴代政権の官房機密費の使途を完全公開すれば、政界と大マスコミは一気にガタガタだ。
(日刊ゲンダイ2010年4月26日)


 「北朝鮮に行く」野中氏に機密費要求 (2010年5月1日 読売新聞)

 小渕内閣で官房長官を務めた野中広務・元自民党幹事長は1日、読売新聞の取材に応じ、官房機密費(内閣官房報償費)について、「私が官房長官当時、毎月5000万円、最高で7000万円程度使っていた」と証言した。

 使途に関しては「首相に月1000万円、国会で野党対策にあたる自民党の国会対策委員長と参院幹事長にそれぞれ月500万円を配った」と述べた。官房機密費の具体的使途を官房長官経験者が公表するのは異例だ。

 野中氏は「前任の官房長官の秘書官から渡された引き継ぎノートに基づき、評論家や与野党の国会議員に機密費を配った」と説明。「評論家の元議員が、当時の小渕首相に『家を建てたから3000万円ほしい』と求めてきたり、野党の元議員から『北朝鮮に行くから』と機密費を要求されたりしたこともあった」と振り返った。

 使途を明かした動機については、「私も年(84歳)で先がない。政権も代わったので悪弊を断ち切ってもらった方がいいと思った。自分はできなかったが、政治をゆがめる機密費は廃止した方がいい」と語った。
(2010年5月1日 読売新聞)


 東奥日報「天地人」 2010年5月4日

 首相官邸奥の院の金庫はまるで打ち出の小づちだ。欲しいときに欲しいだけカネが出てくるらしい。「1カ月当たり多い時で7千万円、少なくとも5千万円くらい使っていた」と野中広務元官房長官が官房機密費の実態を明らかにした。

 証言はリアルだ。「首相に1千万円、国会で野党工作などに当たる自民党国対委員長、参院幹事長に各500万円程度のほか、政治評論家や野党議員にも配った」。おねだりもあった。自宅の新築祝いに3千万円ほしい、と当時の小渕首相に厚かましい要求をしたのは評論家に転身した元政治家だった。

 会計検査院のチェックも及ばない聖域で、野党の切り崩し資金に、外遊する国会議員への餞別(せんべつ)に、評論家のご機嫌取りにと気前よく札びらを切っていたのか。本来は、国益に結びつく情報の収集や危機管理に使うはずの国民の税金が、なれ合い政治の潤滑油に化けていた。

 自民党のかつての実力者があえて身内の恥をさらしたのだから、これが事実なのだろう。「政権交代が起きた今、悪癖を直してもらいたいと思い告白した」という。残念ながら悪癖を正す動きは鈍い。だが、野中証言で政府も国会も口をつぐむわけにはいかなくなった。

 少なくとも歴代の官房長官と国対委員長には、事実関係を国会で語ってもらわなければなるまい。何のために、誰にいくら渡したのか、納税者が使途の公表を迫るのは当然だ。重宝な打ち出の小づちを振り続けてきた政治家に、納税者が怒りの拳を振り上げる番だ。


 野中氏-毎月5千万円使った 機密費、評論家らに配る (共同通信 2010年05月01日)

 小渕内閣で官房長官を務めた自民党の野中広務元幹事長(84)は30日、長官在任中に内閣官房機密費を「1カ月当たり、多い時で7千万円、少なくとも5千万円くらい使っていた」と明らかにした。共同通信の取材に答えた。

 内訳については月々、首相に1千万円、国会で野党工作などに当たる自民党国対委員長や参院幹事長に各500万円程度のほか、政治評論家や野党議員らにも配っていたと説明した。官房機密費は毎年十数億円計上されているが、官房長官経験者が使途を明らかにしたのは極めて異例だ。

 野中氏によると、評論家に転身した元政治家が小渕恵三首相に電話し「自宅を新築したから3千万円ほどお祝いをほしい」と要求したことや、野党議員から「北朝鮮に行くから官邸にあいさつにうかがいたい」と暗に機密費を要求されたこともあったという。

 野中氏は「前任の官房長官からの引き継ぎ簿に評論家らの名前が記載され『ここにはこれだけ持っていけ』と書いてあった。持っていって返してきたのはジャーナリストの田原総一朗氏だけだった」と証言。「政権交代が起きた今、悪癖を直してもらいたいと思い、告白した」と強調した。
(共同通信 2010年05月01日)


 官房機密費のメディア汚染は? 野中発言の波紋 野中元官房長官の”暴露”波紋 機密費で世論誘導?
  (東京新聞 2010年5月18日)

 評論家に盆暮れには五百万円ずつ届けた-。小渕内閣で官房長官を務めた野中広務氏が先月、官房機密費の使途で、暴露発言をした。折しも一連の検察報道などで「メディア不信」が漂う中、発言は波紋を広げた。受け取った人物の具体名については、明かされずじまい。河村建夫前官房長官の使途疑惑に加え、政権交代後も透明化が進まないなど、官房機密費の「闇」はいまだ深い。 (加藤裕治、秦淳哉)

評論から受領を否定

 野中氏は先月19日の民放番組、23日には那覇市での講演で機密費問題に触れた。

 同氏が官房長官を務めたのは1998年7月から翌年10月まで。当時、首相や自民党の衆院国対委員長、参院幹事長らに機密費から月々一定額を届けたという話に加え、「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに、盆暮れに五百万ずつ届けることのむなしさ」などと発言した。

 機密費の使途については、これまでも写真週刊誌「FOCUS」(現在は廃刊)が2000年、複数の評論家の名と金額とみられる数字が並んだ「極秘メモ」を報道。01年の外務省職員による外交機密費横領事件の際も、共産党が1990年代初頭の官房機密費の内部資料を入手し、国会で取り上げた。

 本紙の取材申し込みに野中氏側は「この件では現在、取材を受けない」(同氏事務所)。そこで、失礼を承知で”有識者”に聞いて回った。

 まずは、テレビでおなじみの政治評論家の三宅久之氏。「野中さんから官房機密費をもらったことは一切ない。彼が思わせぶりなことを言うから、大変迷惑している」

 ただ、三宅氏は中曽根内閣当時、故藤波孝生官房長官の秘書から百万円の提供があったと振り返る。「藤波氏が予定していた二回の後援会に出られず、代わりに講演し、百万円(講演料)をもらったことがあった。しかし、自分の信条からして恥ずかしいことはしていない。お金の出どころが官房機密費かどうかは考えたこともない」と語る。

 メディアや評論家と政治権力の距離について、三宅氏は「提供を『断ればいい』と言うのは簡単だが、必ず相手との関係が悪化する。最終的には良心の問題」と悩ましさを隠さない。

 元自民党衆院議員の浜田幸一氏は「議員だった時は、配る役をしたし、自分ももらった。引退してからはない」という。

 浜田氏が国会で活躍した当時は、いわゆる55年体制。機密費の使途は法案を通すための野党対策と、自民党議員の選挙資金だったと明かす。

 野党議員への受け渡し方法は「料亭で封筒に入れた現金を座布団の下に仕込む。野党議員は座る前に座布団の下を探る。幹事長の所へ直接、受け取りに来た野党トップもいた」。額は「封筒の中は百万円や五十万円。幹事長から直接の時は五千万円だった。」という。

 選挙資金については「派閥の親分から。自分は手を出して催促する方。額は二千万円や三千万円だ」。ちなみにメディアや言論人に対しては「私と親しい記者たちには受け取る人はいなかった」と話した。

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