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2020年:the Westのナラティブ管理崩壊年

2020-10-28 22:12:24 | WW1&2

NHKがまたおかしなことを言っていた。

「アメリカが世界の安全を脅かす」中国 新華社通信が連載開始

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201027/k10012682431000.html

中国国営の新華社通信は、「アメリカが世界の安全を脅かしている」とする7回シリーズの記事の連載を始め、アメリカ大統領選挙を前に、中国への批判を強めるトランプ政権をけん制するねらいがあるとみられます。

連載記事のタイトルは「アメリカが世界の安全を脅かす7つの大罪」で、26日からアメリカ大統領選挙の投票日直前の11月1日まで毎日配信するとしています。

1回目の記事では、アメリカの対外政策について、イラク戦争や「アラブの春」などを例に挙げ、「イデオロギーで敵対する国の政権を転覆させようと、軍事介入や経済制裁、選挙操作などを行ってきた」として、アメリカは内政干渉や政権転覆の「専門業者」だと主張しています。

 

新華社の連載ってどんなのだろうかと思って英語版見たけどトップには該当しそうなものはなかった。中国語版だけ? いやぁ、それじゃアメリカに向けたことにならないから英語版がそのうち来るんだろうか? また後で見に行ってみよう。

 

で、NHKですが、

「イデオロギーで敵対する国の政権を転覆させようと、軍事介入や経済制裁、選挙操作などを行ってきた

って、中国の主張じゃなくて、単なる事実でしょう。何を言っているんだ、NHKは。

 

ロシアもこういうことはしばしば言うけど、今年はもっぱら75年前の話に集中しているので、最近見ないかも。もう、事実でしかないのにわざわざ言う意味もないってところだろうか。

 

今年はしかし、いやぁ、戦後一貫してthe West総出で作ってきたヨタ話が、びりびりに破かれた年でした。振り返ってみたい。

まず、1月にあった、ホロコースト話が嘘半分だったというのが結構各方面に影響していると思う。反撃ないしね。

ということで、今って、いわゆる「リベラル」という勢力にとって危機的状態なんだろうと思う。

だって、リベラルが作り上げた「ホロコースト」は、実のところもっと壮絶なスケールで行われたナチ勢による産業的な大規模殺人の一部のことだとばれちゃったりしてる。

この、どこで起きたのかよくわからないドイツとユダヤしか登場しない西側謹製「ホロコースト」物語は、ソ連の人たちの死を無視するためであっただろうと思われる(そうでないのなら、なぜナチの蛮行を語る人がソ連の人の死を同じように語らない?)

それを、プーチンが枠組みを明かして、世界ホロコースト会議で表明

「ホロコースト」犠牲者の4割はソ連市民

「ホロコースト神話」(西側謹製)が崩れてる

 

また、それと同じ流れで、ドイツ軍の蛮行の記録が整備されている。まさしく蛮行で、戦争というより、産業的大量殺人こそ第二次世界大戦の東部戦線。

ドイツ、ソ連軍捕虜の記録をロシアに渡す&産業的大規模殺人

 

45年のドイツ降伏に際して、ポーランド、ハンガリーあたりをソ連軍が文字通りナチスから解放していったことを、今まで知らなかった人たちも多いことでしょう。

これを、戦争末期から西側の一部(&日本の支配層)は、卑しいことに、東欧をソ連が侵攻して取った、侵略した、と教えてきた。じゃあ、お前が出て行ってナチと戦ってみろよ、って話でしょう。やれもしないのに、戦後そうやって教えてきた。

■ WW2シリーズ

1943年2月2日:スターリングラードでドイツ軍降伏

1944年1月18日、レニングラード包囲解消(プーチン献花

1945年1月17日:ソ連赤軍ワルシャワ解放

1945年1月27日:ソ連赤軍アウシュビッツ解放

1945年2月4日、ヤルタ会談始まる

 

西側の人間が教え込まれている、アメリカがナチを破ったというのは相当に怪しい話で、実際最も決定的な働きをしたのはソ連の人々でした。この膨大な犠牲を一顧だにしないのが西側が言う「人道」というもの。また、ソ連の人なら死んでも無問題というのが後の「反共思想」に脈々と流れる差別感情の源流だと思う。是非ともこれは崩壊させるべき。

WW2の決定的な勝者はソ連だよと人々が言うの巻

 

極東方面では、朝鮮、満洲に居座っていた日本軍を叩き出したのはソ連軍という事実を北朝鮮は忘れていなかった。南朝鮮と日本はここを無視してる。

ロシア、北朝鮮に「よく覚えていてくれました」賞

 

さらに、6月にはプーチンによる第二次世界戦に至る1930年の動きを説明した論文が発表された。

6月19日に、プーチン大統領が去年から書く、書くといっていた第二次世界大戦に至る1930年代の一連の出来事についてのかなり長いエッセイを書きあげ、このたびアメリカの National Interestのサイトに掲載された。

プーチン論文がNational Interest誌に掲載される

 

6月22日のバルバロッサ作戦開始の日には、ロシア軍の教会もお披露目になった。

スターリンの姿があることに涙したソ連/ロシア人は多いと思うな。酷いことしてるよ、西側は。

6月22日バルバロッサ作戦開始&ロシア軍の主教会

 

ということで、戦後のthe Westによる、適当で都合のいい「歴史みたいなもの」が、当事者によって、様々な証拠を付けて提出された年でしたね。

いやほんと、西側の教育って一体なんだろうかと唖然とするしかない。

 

■ ナラティブの重要性

西側の「強さ」というのは、半分以上騙しの力だと思う。あなたは仲間なんだから入ってください、下なんだから従え、あなたにはこうしなければならない、なぜならこれこれだから etc. と売り込まれ、その枠組みに入る。すると、どこで決まったかしれやしないルールを押し付けられ、出ようとする時には仲間はずれにする(例:国際社会の孤児だ)と脅し、同時に力と金で押してきて出させなくなる、みたいな恰好。シンプルにいえば詐欺なんだけど、上手く出来てる。

だからこそ、世界中の主流メディアを従えて話を作り、「国際社会の論調」なるものを拵え、誰が与えたか知れない権限を持つメディアが断罪する。

であるからして、どうしてこうなったのかという過去の履歴をつなぐ「歴史の語り」は非常に重要な問題。

 

ロシアはそこを崩すと同時に、自分で守れるだけの力の優位性を確保していた。この優位性は信頼できる仲間にとっても支援となるでしょう。

プーチンによれば、新しいミサイルはクルチャトフ(ソ連の原爆開発プロジェクトを率いた)、コロリョフ(世界初のICBMであるR-7を開発した)並みの仕事だそうです。

 SKorolow.jpg 

START&ミサイル:狂ってみたところで始まらない

 

中国は今までわりとおとなしめだったけど(冷戦中米中結託してたから)、言わせっぱなしにしないというのは、ナラティブ管理の主導権を取られないために非常に重要なので、今後はわーわー言うのがいいと思う。

 

■ civilization諸国は大きい

去年から今年にかけて、イランが正確なミサイルを撃てることが明白になったことも、the Westにとっては大打撃。ここはそのうちまとめたい。

もとより、いろんな意味で中国は盤石。

アクロバット八方外交をしているインドは、いろいろグダグダあるだろうけど崩れそうな気はしない。

ロシア、イラン、インド、中国というのは、nationであり、かつ、civilizationなので、ここらへんがなんで俺らがthe West の慣習に慣れないとなんないんだよ、と考え、感じるのも実は無理もなかったという感じがする。

冒頭に戻って、「イデオロギーで敵対する国の政権を転覆させようと、軍事介入や経済制裁、選挙操作などを行ってきた」のは、アメリカを代表とする西側全般ですね。そして、イデオロギーなるものは話を売り込む1つのきっかけにすぎない。

このことが他のcivilization諸国に明らかになって、落ち着いてきた。であれば、対処の方法はある。

そして、civilization諸国は基本的に大きいので、政権転覆作業もまた巨大にならざるを得ない。現在の the West集団にできるだろうか?

ということで、俺らだけが中心だとの妄想のthe West集団はまさしくピンチ! 

だったら、the West集団もそれぞれ自分の生き方をしたらいいんでないの?といったところ。

だけども、それができないのが西側ではあるでしょう。2016年にはトランプが勝つ意味があったけど、今度は、トランプが勝とうがバイデンが勝とうが当時ほどのインパクトをもたらすことはできないでしょう。外向きのナラティブが崩れ、その上アメリカ内部の対立が深刻化したため二重に崩壊したようなもの。

 

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そしてナチリベ(≒ユーロコミュニズム)とエバンジェリカルが残った

 


 

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1 コメント

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西側のナチス批判の底が割れた年! (ローレライ)
2020-10-29 06:38:31
西側のナチス批判の教祖アーレントの自身の差別性が露呈して彼女では強欲資本主義の西側諸国の暗黒時代を批判で着ない西側リベラルが暗黒社会を作らざる得ない事がアメリカの階級闘争とパンデミックで露呈した。
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