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ルーブルかガスか

2022-04-01 02:47:33 | WW1&2
ロシア政府が、非友好国への天然ガスの輸出に対する支払いはルーブルのみ受け付けると言ってから数日。明日がその締め切りとなる。

そこで、プーチンが出てきて、しっかり繰り返し語っている。



だって考えてもみなさいよ、彼らが天然ガスの代金をユーロで支払う、そして彼らはそれを資産凍結する、ということは、彼らはタダでガスを使うわけです、と言ってる。

 


前から書いている通り、これは、欧州+アメリカ+日本(後態度変更)が、制裁の一環としてロシア中央銀行の準備金を差し押さえるという、前代未聞の行動に出たことを受けた措置なわけです。

中央銀行の準備金を盗むことは初めてではないが、大国のそれとなると単なるいじめではすまない、金融システム全体の信用にかかわる問題になる、だから、これはまずいだろう、と当初からこの措置には批判がある。


で、なんでプーチンがわざわざ出てきたまた言ってるかというと、今日、ドイツあたりから、ロシアはユーロでの支払いを許容したとかいう説が飛び回ったから。

こういうの。やっぱりナチの朝日が書くんだなと笑った。

プーチン大統領、天然ガス代金のユーロ支払いを容認 独首相に説明(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/80bc8238e9e9ea511dbd71878fce4e91e5f28256 


しかし、この説に確証はなく、むしろロシアのTASS通信は、メディアがそう主張している、という書き方で記事にしていた。これは、自分のところの説ではないとわざわざ書いて、ウォーニングを出したんだと思う。

RTには、締め切りは設定されてますよ、ルーブル支払いということは、支払いのためのルーブル建てアカウントを開かないとならないんですよ、と丁寧な記事まで出てきた。

この意味は、上の、ユーロ支払い容認の内容は、欧州諸国がユーロで支払い、ガスプロム・バンクがそれを受け取り、そこで自分でルーブルに転換すればいいのだ、みたいな話だからだと思う。多分、これだと、欧州はユーロ払いままで、我々は応じなかったのだ、とか主張できるから都合がいいということなんでしょう。

だがしかし、これは、ロシアに対する制裁に対する、カウンターの制裁なんだから、その筋で読まないとダメでしょう。

まさか、ヨーロッパはこの不始末を覚悟していなかったのだろうか? つい3週間前、ロシア経済を破壊してやると豪語して、今もそのつもりらしい西側のリーダーたちは、反攻作戦をどれぐらい予想しているのだろうか?


また、西側は勝手な仮想戦記を書いて、話をぐじゃぐじゃにして、総じていえば、こういう人たちの見解をそのまま垂れ流して今がある。まるでまったくシリアと何度も書いた通り。




しかし、地上では人間の盾となった同胞をロシア軍が救い出す作戦が展開されていたし、今もいる。したがって、ロシア国内の国民は、これらの「ジェノサイド」を志向したナチを養成した欧米に対する強い嫌悪がある。

とりわけ、ミンスク合意をする、するといって、実際には「スローモーションのバルバロッサ作戦」のためにウクライナの戦力増強のための時間稼ぎをしていたメルケルには強い嫌悪感が向けられていると考えていいと思う。もちろん、「ジェノサイド」を大げさだといってあざ笑ったショルツはもはや相手にもされていないでしょう。

ということは、今回、欧州に対して強い態度で出て、ガス、石油の関係を停止し、それが経済的不利益になったとしても、国民の多くは、それは仕方がないと受け止めるでしょう。

これは、現在のロシアにおけるプーチンの支持率。上が支持、下が不支持。支持がピンと跳ね上がって、クリミア復帰の頃と同じぐらいになっている。

レバダという西側が好んで使う、ロシア政府筋が関与しない機関が取った世論調査なので、むしろ低めに出ている可能性の方があるもの。






2か月ぐらい前だったか、ロシアの議会で、ロシアの国会議員の人が、何かの法案に関する意見陳述で、ヨーロッパは我々が存在しなくなるまで仲良しになる気はない、我々にはSCOがあり、BRICSの仲間もいる、といった趣旨のことを言っていたことを思い出す。

ヴャチェスラフ・ニコノフさん。同じ名前を持った祖父は第二次世界大戦に至るまでの外交を指揮したことで有名なあのモロトフ。




そして、その間にも、ソビエト兵士がナチを追い払う中で死んでいった、その墓やら記念碑をポーランド他のヨーロッパ諸国が倒している。全体主義からの解放のつもりらしいが、その前に、誰があんたたちの頭に銃口を突きつけていたのかを忘れている。迂闊で愚かで俗悪な人々だと、遠いところの私でさえ思う。

 




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4 コメント

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Unknown (にゃんこ)
2022-04-01 11:53:21
父の日記に書かれている昭和13年頃と似た日本の状況。
ヒットラー、ムッソリーニを礼賛する一方、ソ連について、内部抗争を頼みにしている、と書かれている。
しかし、「一度戦争となれば国民は思想的反目や個人的対立は捨てて国家の擁護に努めるものである。国家は他国からの脅威を受ければ受けるほど、内部的に強固になれる」と書いてある。
今も昔も何も変わらない日本。

家族は全く理解しない。私もここまで来るのに15年くらいかかったので無理ないかも。リーマンショックの時、恐慌になるかと思い、前の恐慌の時、世界大戦となったので、それから調べ始めた。調べると教えられた事とは全然違うことに気が付くようになった。そこからでしたね。
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Unknown (kiyo)
2022-04-01 17:30:48
スプートニクの記事(3月31日)「ウクライナの研究所で生物兵器研究をコーディネートしているアメリカ人とは?」を訳してみました。もうひとつ訳します
「ウクライナ、アメリカの生物兵器研究の証拠①」
https://quietsphere.info/who-are-the-americans-coordinating-bioweapons-research-in-ukraine-labs/
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正義か損得か (地球戦国)
2022-04-01 20:03:52
ドイツ社会に接して感じていることは、正義よりも損得勘定が優先すると。経済的制裁でロシアに打撃を与えると、同時にそれはドイツにも跳ね返ってくる。ドイツ経済にとっては深刻な問題に直面。
それを思うと、嘘か誠かは別にして、ガス代金をユーロで支払う事をプーチン大統領が承認したという報道、裏を返せばドイツをぶっすぶすと息巻くドイツも、エネルギー関連ではロシアに頭を下げる(?)と言う事を意味しているように感じます。ルーブルの口座を開設して、ルーブルで支払うという契約を実現させる(?)経済制裁国の了解を得るための、時間稼ぎ?ドルの大打撃になるから大変な問題なんでしょうが、ドイツがドイツ経済と国民生活を犠牲にして腹切りするとは思えない立場です。
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イラン制裁の教訓がルーブル立て輸出! (ローレライ)
2022-04-01 20:14:14
イラン制裁などの歴史の教訓で物々交換以外だとルーブル立輸出となった!
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