1カ月ぶりの更新なので、先月との間に変わったことを探して書きたいと思って考えてみるに、今月はロシアやアメリカの動きもさることながら、何か日本の中のざわつきも相当なんじゃないのかという気がする。
ロシア方面は、ウクライナのいわゆる反攻作戦とやらが失敗して、何をやっても上手くいかず、ほとんど最後っ屁のようにしてワグナーの騒ぎがあって、西側の政治家やら情報機関関係者が大喜び後大失望みたいなことが起きた。
ロシア方面は、ウクライナのいわゆる反攻作戦とやらが失敗して、何をやっても上手くいかず、ほとんど最後っ屁のようにしてワグナーの騒ぎがあって、西側の政治家やら情報機関関係者が大喜び後大失望みたいなことが起きた。
(へんな作りだったワグナー・グループの兵士は条件があえばロシア軍直属となり、儲けてたプロゴジンはいろいろ調べられて、プリゴジンにやらせてた業務が軍の方に行く。総じていえば、再編成完了ってところか)
どうあれ西側は上手く行ってるのだとメディアが言い、バイデンやらブリンケンは、ロシアは既に負けているのだと宣言する、みたいな、現実の戦いとメディア上の戦いが相変わらず食い違ったままの状況は、1カ月前とたいして変化はないといえばない。ただ、じりじりとロシアが押している状況がさらに顕著になってきている。
アメリカとNATOは、7月のはじめに、英国のウォレス国防相が次期NATOの事務総長に浮上(というか立候補)していたものを、バイデン政権がノーを出し、結局、今のストルテンベルグが再任されることになったというのが、なかなか大きな事件だったんじゃないかと思う。
アメリカとNATOは、7月のはじめに、英国のウォレス国防相が次期NATOの事務総長に浮上(というか立候補)していたものを、バイデン政権がノーを出し、結局、今のストルテンベルグが再任されることになったというのが、なかなか大きな事件だったんじゃないかと思う。
この時、イギリスのエリートたちが非常に失望していたと言われている。
その後、7月11日、12日にはリトアニアでNATO首脳会合が開かれ、NATO各国+αが雁首揃え、言ってみれば、みんなしてハイル・ゼレンスキーを叫んで快哉を上げるようでいて仲間外れにする、みたいな幾重にも破廉恥なイベントがあった。
事前にはいろんなことが言われ、ウクライナがNATOに正式加盟するだの、あらたな高みに至るウクライナ支援だのへちまだのと書かれていたものだが、冷静に考えれば、誰も博打を打ちたい人はいなかった、みたいなことになっていた。
そりゃそうでしょう。現在紛争中の国を正式加盟させるって、そもそもできるの?というお話し。
なにしろ、昨年9月には、旧ウクライナの東部4州が住民投票によってロシアへの帰属を決定して、大多数が既に大喜びで新しい生活をしているというファクトがある。クリミアは2014年まででも高度な自治共和国だったからウクライナに食わしてもらったことなどなかったが2014年3月に住民投票からロシア帰属を決定したことで、完全ロシア。
2022年9月30日はロシア史にとって重要な日でしたよ、ほんと。
9月30日、ドンバス他4州ロシア連邦加盟
したがって、誰がなんと言おうとロシア世界にとって現在のロシア連邦にはこの右側の赤いところ全部が含まれるわけです。
ということは、NATOが語る「ウクライナ」ってどこのこと?という大問題がある。ウクライナを正式加盟させてこれを取り返すというのなら、ナチよろしく、東部4州+クリミアからその東のロシアにかけての大戦争を、今回失敗したけど再度やりますということ。
見たところ、どこも本気でやりたいとは思ってない風ではあるが、そこを解説せずに、無責任にも、ウクライナがNATOに加盟するまでみんなで支援します、とか言い出ってるのが現状。
NATO首脳会議が閉幕 ウクライナ加盟見通し示さず G7長期支援へ
NATO=北大西洋条約機構の首脳会議は12日閉幕し、最大の焦点となっていたウクライナの加盟について、具体的な見通しは示しませんでした。一方で、G7の各国が加盟が実現するまでの間、ウクライナを守るため長期的な支援を行う方針を表明しました。
ナチを止められないってほんと、大変よ。
米軍も英軍も兵隊も弾も足らない。人々は、どうしてロシアまで出かけて行って死ななければならないのかわからない。それを続けるためには、またぞろ強力なプロパガンダが必要になる。金も必要だが、その嘘嘘嘘の羅列というのは、人心を腐らせる特効薬のようなものでしょう。この効果を織り込んでいるのだろうか?
そして、止められないまま戦いを続ければ続けるほど、ロシアは西に向かう態勢を取る。
■ イエレン@中国
7月の真ん中へんには、アメリカの要人がやたらに中国を訪問していた。ビジネス界の人も三々五々行ってたと思うけど、政治面でも、ブリンケン、イエレン、キッシンジャーが訪問していた。
その中で、ジャネット・イエレン財務長官が中国で見せた奇妙にへりくだった、卑屈な、腰を低くした動作が注目された。
なんだったのだろうって、まぁ、中国とは戦うところは戦いますが、ここはひとつよしなに、と言うしかない局面だったんだろうと誰しも思うところ。
言うまでもなく、今後の金融のスキームにおいて中国の出方は非常に重要なので、いろんなディールを画策しているんだろうし、中国も別にアメリカに倒れて欲しいと思ってるわけではないから、やれるところは妥協するが、別にお前に騙される予定はない、という態度でしょう。
したがって、現在のアメリカの政権の面々は、自分だけ上手く曲芸をやっているつもりなんだろうが、傍から見るとだたの信用のおけない奴らになっている。ここも、軍事に続いてマイナスの効果が予期される。
■ 崩れていく:異次元な政策
そんな中、日本では、昨日7月28日、日銀が緩和を継続しつつYCCを拡大するみたいな、へ~んな説明によって金融政策を変化させることになった。
これによって、黒田時代の金利統制主義はほぼもうお終いに近づいたと言っていいでしょう。この変化はささやかなものに見えるかもしれない。でも、昨年末0.25%だった長期金利を0.5%まで許容し、今回1%まで許容するという変化は、つまり、8カ月間に金利が4倍になったわけで、小さな変化ではない。
この効果はさざ波ではすまないかもしれず、かつ、1%で終わるか否かも定かではない。
超低金利時代からアベノミクスの異次元緩和時代を経て、もはや金利って何だっけか状態となった日本にとって、実は大きな変化が実現されている。毎日特集組んで騒いでもいいぐらいの話しだが、静かに変化してる。
■ 崩れていく:日本の戦後のへんな人脈
もう1つは、なにかこう、奇妙奇天烈な展開を見せているジャニー喜多川の連続児童強姦の問題。
普通に考えて、そのスケールにおいて、世界の強姦魔とか、世にも悍ましいこの犯罪者みたいな特集に登場できる、驚くべき人だと私は思うが、多くの人が知ってる通り、なーなーでここまで来た。
そして、亡くなってからはネット上にも結構な記事が出て、幼少の頃の日系人社会での話しとか、お父さんの話しなど、興味深いというより謎の多い人だなといった感じのするものだった。そしてそれ以上に興味深かったのは、ジャニー喜多川氏は朝鮮戦争時に米人として招集されて朝鮮に行って、日本に戻って、「ワシントンハイツ」に住んでいたという経緯。
ジャニー喜多川氏も住人だった「ワシントンハイツ」の全貌
当然に、この人の日本国籍はどうやってゲットしたのかというのがまず率直な疑問。米で生まれたことによってアメリカ国籍者である場合、日本国籍を得るためには、米国籍は捨てなければ成り立たないのでは? 日本は二重国籍を認めてないから。しかし、戦後渡米し米軍に招集されて米軍属だったのであれば、米国籍は保持されていたんでしょう。じゃあ・・・。
また、戦後米軍属として日本に住んでいた時には、多くの日本人にとっては占領軍の軍属の人なわけだから、チヤホヤというか、腫物に触るというか、距離を置くというか、といった態度で接したのではないのかと思う。総じて、パワハラでもあったのでは?
服部良一氏の78歳次男「ジャニー喜多川氏から幼少期に性被害受けた」…都内で会見
で、今般、にわかに大きな話題となってネット上を駆け巡ったのは、山下達郎が少年強姦問題よりジャニーズ事務所との仕事がなにせ大事です、という驚きの対応を取ったことと、その次に国連人権委員会が調べに来る、などと言い出したことがきっかけだった。
その前に、春先にBBCが取り上げた時にジャニーズ事務所と主流メディアがもっとマシな対応を取っていればこんなことにはならなかったんじゃないか思うけど、そうはならなかった。
とかいっていたら、デヴィ夫人が登場して、驚くべき発言をし、多くの若い人などを怒らせ(若くなくても怒るけど)、この、ジャニー喜多川を庇う日本社会の恥のレベルをさらに高めてくれていた。
まぁデヴィさんにとって身体は売るもんだから買ってもらってありがたいと思え、ぐらいな感じなのかしらと咄嗟に思った。
あと、デヴィさん「恩を仇で返す」、達郎「ご縁と御恩」 と、2人して恩を強調している。なぜここで共通なのだろうかとちょっと不思議に思ったりもした。
で、実際問題、このおばさんは、wikiによればこんな感じ。
1959年(昭和34年)、19歳のとき、人口2億6400万人の大国であり世界最大イスラム教国家でもあるインドネシアへの開発援助に伴い、東日貿易の秘書という名目で、インドネシア建国の父であるスカルノ初代大統領のもとに送り込まれた[2]。この件に当時「昭和のフィクサー」と呼ばれた児玉誉士夫が関わっていたという説がある[9]。
巷間言われているところでは、インドネシア賠償ビジネスに絡んで伊藤忠が送ったらしく、また、その当時の伊藤忠といえば瀬島隆三なわけで、この人の画策だという説も読む。
最初単なる愛人の1人だったが数年後第三夫人となるも、政変で夫が権力を失い日本に戻る。
全体としてデヴィさんは日本のODA利権の中で潤っているのではないのかと思ったりする。知ってることが多すぎるだろうから一生食うネタはあるだろうが、しかし、大統領の第三夫人がなぜセレブ?というのはとても謎。なんでテレビに出すの?と思ってる人は多いことでしょう。
というわけで、特にまとめはないんだけど、何かとても歪な何かが知らない間に崩れてきている気がする今日この頃といった感じがする。
■ オマケ
インドネシアの戦後史は語られていない、あるいはまだ定説が編まれていない状況ではなかろうかと思う。特に、アメリカの一部(またまた例のダラスが仕える一群みたいな人たち)がかなり前からインドネシアを我が物にしようと画策していたらしく、そこらへんが現在解かれている最中であるようだ。そして、そうであれば、ではそこに、日本はどう嵌るのだろうかという疑問が当然生まれる。このへんは、もっと勉強してから書きたいと思う。
■ オマケ2
北朝鮮とアフリカの話しがホット。北朝鮮については、日本のテレビのどこかが、ロシアのショイグ国防相が北朝鮮で歓迎されている話しについて報じていて、朝鮮戦争に関係ないのに、と言っていたことが非常に面白かった。関係ないかぁ? そもそも朝鮮半島の解放とはという問題があり、さらに朝鮮戦争それ自体でも、ミグ回廊とかあるのにね。
遠い親戚のお姉さんが昔、スカルノの部下の息子と東京で知り合って結婚したという話を聞いた。スカルノ失脚で、どうなったのかしらと思っていました。二十数年前、息子が東大に留学で日本に来ていて親戚を訪ねていたらしく、無事で良かったねと母と話したことがあります。
東映の脚本家だった笠原和夫氏の「昭和の劇」という本を読んだ時、児玉誉士夫にインタビューした時、彼は昭和天皇の戦争責任について語っていたとのこと。「軍人にも国民にも謝らなければならない」と。戦争中は彼なりに国のために命がけだったと。色々中国で資源を手に入れていたが戦争が終わって、残ったそれを自民党に寄付したとか。鳩山さんにだったか?忘れましたが。
ちなみに、日本は多重国籍を容認していませんが、現実問題として、日米二重国籍者は多数存在します。アメリカで出生した場合、日本大使館に出生届けを出せば、日本国籍を取得することができますし、1984年以前に二重国籍になった者については、外国籍保有は罰則もなく、放棄も努力義務ですので、おそらくジャニーも二重国籍だったのでは。
服部さんのインタビュー、子を持つ親としては、あまりにおぞましく、聴くに耐えない。この性犯罪常習者は、本来生きている間に告発されるべき。それを死ぬまでアンタッチャブル案件にしてきたメディアは一体、何を恐れていたのか。
日本人には、めでたい話です。
おっしゃる通り、実は簡単に二重国籍状態の人が多数いるんですよね。アメリカに住んでる時に実例をもとに考えるまで私は気づいてませんでした。あり得るんだよ、とただそれだけ。
ジャニーという人は、お姉さんのメリーさんの夫が資産家の「ご学友」だし、ジャニー兄弟が第二次世界大戦中匿ってもらっていた家は政界のフィクサーだと言われる人だったりするそうで、どこからどう見ても普通でないと思われます。
メディアが黙ってたのは全く大問題ですが、恐れていたのはジャニーというよりその向こうの政治というかなんというかの人脈なんじゃないかとも思います。
ベラルーシ側:https://www.youtube.com/watch?v=RyZEKo0m_C0
女性記者側:https://www.youtube.com/watch?v=XzSCMh2ITyE
共に一日足らずで100万回以上の視聴で、膨大なコメント数があり反響の大きさを物語っています。
ウクライナ情勢について戦争以前、ソ連崩壊以降の経緯を含め全体を俯瞰できる内容になっています。ルカシェンコの語るプーチンの言葉も面白かったのですが、僕が興味深かったのは、ウクライナの若い女性記者、パンチェンコが繰り出す鋭い質問です。(彼女は「正当な」政権批判をして現在、国を追われていますが、ウクライナ人としてのアイデンティティーを持っていて非常に好感が持てます)一部を訳してみます。
記者:「ウクライナでは皆、ゼレンスキーがキエフを守った、ウクライナ軍がロシアの侵略を撃退したので街を離れたと信じています。」
ルカ:「単なるおとぎ話ですね。恐らくゼレンスキーが自身の英雄談を誇示するためマスコミに創らせたのでしょう。」
記者:「実際の所は?」
ルカ:「プーチンとの会話で、私が戦争は首都を取らないことには終わらないと言うと、彼はそれは簡単なことだが、膨大な死者が出る。というのは、連中は戦車や高射砲やらを幼稚園、病院に隠す。我々がキエフ近郊からどうやって正確な攻撃ができるのか。我々は連中のような無差別攻撃はできない。彼の苦悩はこの点であり、私に幼稚園に隠れている相手に対しどう攻撃するのかと問う訳です。そこで、キエフ攻撃は未だ始めていないということで、キエフ郊外の兵力を引き揚げたのです。ゼレンスキーが撃退したのではない。そこにはウクライナ軍はいなかった。」
記者:「今おっしゃたことは衝撃的です。というのは、私は大変よくウクライナの雰囲気が分かりますが、その事こそが、ヤヌコビッチのようにキエフから逃げなかったこと、ロシアの侵略を撃退したというゼレンスキーの主なる政治宣伝の根拠になっているのです。」
この引用部分は去年3月の話ですが、このキエフ撤退、加えてキエフ北部での兵力損耗、「ブーチャの虐殺」あたりで、西側では作り話が出来上がり、ロシア軍は弱い、ロシア人は凶悪だ、英雄ゼレンスキーといったプロパガンダが完成し、特にこの国では未だにこれを信じる人が大半でしょう。そのうちまた、情勢は「複雑怪奇」と言い出すことになる気がします。
遠藤先生は、幼い頃、長春で中国共産党と旧ソ連軍によって地獄の体験をしたので、随分と中露を恨んでおられるようですが。
元凶が何だったか考えて欲しいです。何故、そこに日本人がいたのか。
それでも、日本が戦争に巻き込まれることだけは必死で止めようとされています。中国関連でマトモな情報が得られるサイトは日本には遠藤先生しかないようです。
遠藤さんの記事は読んでないですけど、アメリカがプロジェクトを組む際には、CIAもNEDも国務省本体もみんなして行動しますよ。
だからNED単独なんてことはないでしょう。NEDは確かに問題ですが。
あと、ブレジンスキー側だけではないでしょう。冷戦期に反共で飯食ってた人は皆さん、なんとかして全部誰かのせいにしたいんじゃないですかね。
公開が遅くなってほんとに申し訳ありません。率直でいいインタビューだったのに!
ゼレンスキーの英雄伝説はキエフを担当してる英米の宣伝部隊の作戦でしょうね。それで各国に支援をねだりに興行を打った。
でもキエフにたまってる利害関係者以外のウクライナ人がどれだけ信じてるかというと、かなり怪しいでしょうね。
これからこの強いウクライナ軍伝説をどうしようというのか、まったくわかりません。実に愚かしい、実に非人間的な話しだと思います。