宝満山と白山
白山への登拝からひと月以上が経過した。
未だに覚めやらぬ心地の残るなかに
登拝した意味をどこかで探し続けている。
白山と宝満
残された記録類からこの二つの山は似通った文脈で
歴史的な説明がなされてきたことに気づく。
宝満山にある宝満宮の開基伝説は
白鳳二(674)年、山中で修行中であった
法相の僧侶心蓮上人の夢想に「玉依姫」が出現、
変じて九頭竜馬に臥した金剛神ともなる、と『竈門山旧記』にある。
本地佛は十一面観音である。
白山の開基伝説は
霊亀二(716)年、泰澄上人の夢想に
「白山妙理大菩薩」(=イザナミノミコト)
が出現。この夢想により泰澄は前人未到の
白山を目指すこととなる。
山頂下の「転法輪岩屋」での禅定中に九頭竜が出現し、
本地佛である「十一面観音」に変じた
と『泰澄和尚伝記』に記される。
白山妙理大菩薩はキクリヒメノミコト
でもあり女神である。
別峰である北の大汝峰は
祭神が高祖太男知(大己貴神)であり
本地佛は阿弥陀如来とされ、
南の別山は祭神が小白山別山大行事で、
この神は本来の地主神で白山妙理菩薩に
主峰を譲ったとされる(『白山記』)。
別山の本地佛は聖観音である。
宝満山にも別宮があり
祭神は大田大明神とされ
この神も本来の地主神で玉依姫に
主峰を譲ったとされる(『竈門山旧記』)。
つづく
白山への登拝からひと月以上が経過した。
未だに覚めやらぬ心地の残るなかに
登拝した意味をどこかで探し続けている。
白山と宝満
残された記録類からこの二つの山は似通った文脈で
歴史的な説明がなされてきたことに気づく。
宝満山にある宝満宮の開基伝説は
白鳳二(674)年、山中で修行中であった
法相の僧侶心蓮上人の夢想に「玉依姫」が出現、
変じて九頭竜馬に臥した金剛神ともなる、と『竈門山旧記』にある。
本地佛は十一面観音である。
白山の開基伝説は
霊亀二(716)年、泰澄上人の夢想に
「白山妙理大菩薩」(=イザナミノミコト)
が出現。この夢想により泰澄は前人未到の
白山を目指すこととなる。
山頂下の「転法輪岩屋」での禅定中に九頭竜が出現し、
本地佛である「十一面観音」に変じた
と『泰澄和尚伝記』に記される。
白山妙理大菩薩はキクリヒメノミコト
でもあり女神である。
別峰である北の大汝峰は
祭神が高祖太男知(大己貴神)であり
本地佛は阿弥陀如来とされ、
南の別山は祭神が小白山別山大行事で、
この神は本来の地主神で白山妙理菩薩に
主峰を譲ったとされる(『白山記』)。
別山の本地佛は聖観音である。
宝満山にも別宮があり
祭神は大田大明神とされ
この神も本来の地主神で玉依姫に
主峰を譲ったとされる(『竈門山旧記』)。
つづく