宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

杉山龍丸氏

2010-03-22 | Weblog
玄洋社頭山満の盟友杉山茂丸の孫龍丸氏。
今でいう非政府系組織をいち早く立ち上げて
インドの深刻な緑化に没頭したことは有名ですが、
一方では企業家でもあったようで、
「博多人形に革命を起こす」といい
プラスティック素材の博多人形を
開発する会社を立ち上げたりしていました。
祖父茂丸氏は後に中国革命の父となった孫文を
日本亡命中にかくまうなど、アジアの政局に深く係わっており、
息子泰道(夢野久作)の整理した茂丸氏50代の日記には
海外の知人向けに博多人形を贈っていたことが書かれています。
龍丸氏も台湾やインドに博多人形を郷土福岡の土産として
贈っていたようですが、いかんせん素焼の製品はいかにも脆く、
そのような背景でプラスティック素材の博多人形を
会社を立ち上げてまで作ろうとしていたのでしょう。
当然、博多人形業界からは反対されて原型を製作することが出来ず、
彫刻家安永良徳に人脈を頼って事業を進めようとしたようです。
残念ながらこの事業からは芽が出ませんでした。