かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  61

2020-10-18 17:56:59 | 短歌の鑑賞
ブログ版 清見糺鑑賞  9    かりん鎌倉なぎさの会
]
61 機内食メインディッシュは七面鳥のカツなり平らげて下はシベリア
       「かりん」96年1月号
  
 「うしの会」19号では結句が「ツンドラ」になっている。人が住まない住めない凍土である。しかしかりん発表時「シベリア」に推敲された。そこから考えてもやはり60番歌「シベリアに春来たるらしオビ河をおおう氷にひびはしる見ゆ」もこの歌もシベリア抑留を意識しているようだ。
 きっと七面鳥のカツはおいしかったにちがいない、そして夢中でたいらげた。しかし飛行機の下は大勢の日本兵が飢えて死んだシベリアだ。後ろめたい思いに胸をつかれたに違いない。



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