かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 61 アフリカ⑥

2023-09-23 10:18:05 | 短歌の鑑賞
 2023年度版 馬場あき子の外国詠 ⑦(2008年4月実施)
   【阿弗利加3 蛇つかひ】『青い夜のことば』(1999年刊)P171
    参加者:泉可奈、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、藤本満須子、
        T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:T・S  司会とまとめ:鹿取 未放

 
61 すべらかにとぐろなす身を解く蛇のいかなれば陽に涼しさこぼす

      (当日意見)
★とぐろを解いてのびのびと一本になったから涼しいのだ。身に負うのではなく解いた
 ことで涼しさを感じている。(崎尾)


       (まとめ)
 袋から掴み出されて笛の音に合わせて身を解いていく場面であろうか。ぐるぐるととぐろを巻いていた蛇が、一本となってくねりながら陽に向かっていく時、涼しさをこぼすように作者には感じられたのだろう。とぐろを巻いて怒っているかに見えた蛇が、その身をゆったりとほどくときに見せる涼しさ、その推移が「いかなれば」という疑問を呼びこんでいるのだろうか。「陽に」とあるから笛に合わせて踊る夜の場面ではないのかもしれない。それにしても蛇を「すずしさ」と結びつけるとはあっぱれだ。蛇を気味悪くしかとらえられない私のような者には、とうてい思い浮かばない発想だ。(鹿取)

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