かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  142

2021-09-11 19:06:06 | 短歌の鑑賞
 ブログ版清見糺鑑賞 22  かりん鎌倉なぎさの会  鹿取 未放
     
142 たましいをふたつぶら提げ駅までの下り坂ゆく ぶらりへうたん
        「かりん」2000年2月号

 「たましいをふたつ」というのは、男の身体についてのものいいなのだろう。旧仮名の「へうたん」は駅までの下り坂の辺にある属目でもあり、「たましいふたつ」のアナロジーでもあろう。下駄でもつっかけて飄々と歩いている、そんな図である。しかし、下り坂は年齢や人生ののそれかもしれず、この時の魂のありようは明るかった、ともいいきれないようだ。

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