かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 21

2023-04-10 14:41:27 | 短歌の鑑賞
    2023年度版 渡辺松男研究4【地下に還せり】
      (13年4月実施)
      『寒気氾濫』(1997年)12~
       参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、鹿取未放
       司会と記録:鹿取 未放(再構成版)

              
21 シベリアを父のいうとき樹は凍てて根は意志以下のすさまじき爪

    (当日意見)
★お父さん自身にシベリア抑留の体験があるのだろうか。そういっ
 たことを踏まえて渡辺さんが自らの言葉にしたという感じがあ
 る。(鈴木) 
★人間自身もこういうところではむき出しの状態になるんでしょう
 ね。極限状況の人間を樹に照らし合わせて歌っている。何か胸に
 ぐーっと伝わってくる。(崎尾)
★「意思以下」が鋭いと思います。普通だったら「意思のごとき」
 とかするんじゃないでしょうかね。「地下に還せり」の一連は
 魅力的で、この人のお父さん像の作り方が好きです。(鹿取)
★本当に「意志以下」というところがすごい。すさまじさを出して
 いる。(曽我)
 

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