かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

改訂版 渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞  26       

2022-04-09 10:56:16 | 短歌の鑑賞
 ※本日から改訂版を先にアップします。
  既にアップした『泡宇宙の蛙』2の1~2の5までの鑑賞を大幅に変更した歌について、
  改訂版を1首ずつ載せてゆきます。
この後、本日2回目になる通常の鑑賞を載せます。  


  改訂版 渡辺松男研究2の4(2017年9月実施)
    『泡宇宙の蛙』(1999年)【大雨覆】P24~
     参加者:泉真帆、T・S、曽我亮子、渡部慧子、A・Y、鹿取未放
      レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取未放
     

26 ひかりより繊きおもいというものを鳥は知りつつ天翔るらん

        (レポート)
 太陽光が生き物へ与える慈しみより、もっと繊細な恩寵を天(そら)から身に浴びていることを、鳥は自覚しながら翔んでいるのだろう、と鳥への畏敬の情を詠んでいるように思う。(真帆)


        (まとめ)
 「ひかりより繊きおもい」というのは、大いなるものの意志、超越者から与えられているものなのだろう。鳥は天を翔けながらその恩寵のようなものを、思念ではなく直観として体に沁みて知っているのだなあと〈われ〉が思っている。これから鑑賞する歌に「白鳥はふっくらと陽にふくらみぬ ありがとういつも見えないあなた」というのがあるが、この歌の「あなた」と26番歌の「ひかりより繊きおもい」を発している主体はたぶん同じなのだろう。(鹿取)


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