かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 252 中国⑫

2023-06-11 12:11:58 | 短歌の鑑賞
2023年度版馬場あき子の旅の歌33(2010年11月実施)
   【砂の大地】『飛天の道』(2000年刊)192頁~
    参加者: N・I、Y・I、佐々木実之、T・S、曽我亮子、
       藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター: 藤本満須子 司会とまとめ:鹿取 未放

          
252 西王母浄き虎の歯をもてりとふ仰けば雪の博格達峰(ぼぐだ)の皓さ

      (レポート)
 前4首のパオの歌から一転して西王母をうたい、シルクロードの最後の歌は李白への思いで幕を閉じる。浄き歯、雪、博格達峰の皓さ、どこまでも白く清浄である。窟に描かれた壁画からは想像もできないが、万年雪におおわれる博格達峰の峰峰を仰ぎつつ、その山々を霊山と眺め、西王母の虎の歯も浄く真っ白な歯であっただろうと西王母の伝説に思いを馳せている歌だ。
 西王母は女神で西方の霊山に住むと言われている。真人として表されたり、人面虎歯豹尾とされたり、姿は一定しない。(藤本)


      (当日意見)
★「皓さ」は、「明眸皓歯」の「皓」の字であることが大切。(実之)


      (まとめ)
 「西王母浄き虎の歯をもてりとふ」と伝聞の「とふ」が使われているから、何かの文献で知ったのだろう。博格達峰の神々しいまでの皓さに、霊山に住むという虎の歯をした西王母を想像している。真っ白い霊山に虎の顔をしてすっくと立つ姿は美しく清らかだ。(鹿取) 

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