かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 2の138

2019-02-10 22:02:50 | 短歌の鑑賞
  ブログ用渡辺松男研究2の18(2018年12月実施)
     Ⅲ〈錬金術師〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P93~
     参加者:泉真帆、M・I、岡東和子、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉真帆   司会と記録:鹿取未放

138 生を鈍き音たてながら行く父よごんずいごんずいごんずいの花

      (当日意見)
★ごんずいって花は地味だけど、赤い実がなりますね。(慧子)
★北原白秋の歌にありましたね。父親を見ている作者の目もちゃんとあって、ごつごつしながらも
 生きる父への情があっていい歌だと思います。(A・K)
★ごんずいはウツギ科の花だそうです。この歌、よくわからないけどリズムが面白くて好きな歌で
 す。生を鈍き音をたてながらいくお父さんというのは象徴的で、資本主義にべったり組み込まれ
 ているお父さんというのとはやっぱり違う、何かそこに隙間があって、だから摩擦を起こして鈍
 い音を立てている。前の歌の流れる自動車も、同じ象徴の手法なんだろうと思います。
    (鹿取)



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