かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 314 トルコ⑧

2024-05-01 16:13:57 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子の外国詠43(2011年9月実施)
   【コンヤにて】『飛種』(1996年刊)P142~
    参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、
        渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:曽我亮子    司会と記録:鹿取未放


314 アナトリアの大地ゆつたりと盛り上がり肉体感のごとき耀(て)りみゆ

     (レポート)
 アナトリアの大地はおおらかにふくらんでなめらかな人肌のように光り輝いて見える。広大なアナトリアの中部高地は、紀元前より様々な民族が自らの主権の為に戦い、11世紀中央アジアのセルジュークトルコ人によって建国されたトルコの中核をなす土地である。小麦畑の広がる起伏に富んだ大草原や、エルジュス山の大噴火によって生まれた奇岩のカッパドキア等、壮観で現実離れした風景が広がっている。また南部のアンタルヤ近郊にはローマ時代の遺跡も多く残り、トルコの長い歴史を物語る。作者はあらゆる対象―山容や山肌までも「生あるもの」として対しておられることが理解される。(曽我)


   (当日発言)
★これはバスからの風景なのでしょうかね。「ゆつたりと盛り上がり」というのだから
 「小麦畑の広がる起伏に富んだ大草原」かもしれませんね。下の句がうまく雄大さを
 引き出していると思います。「耀(て)り」という捉え方が独特で、大地をダイナミ
 ックに捉えていますね。豊かな女性のイメージもあるのかもしれません。(鹿取)

                  

コメント
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