かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の⑦外国詠 326 トルコ⑨

2024-05-18 09:17:50 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子旅の歌44(11年10月実施)
     【コンヤにて】『飛種』(1996年刊)P146~
     参加者:泉可奈・N・I、K・I、崎尾廣子、藤本満須子、
         T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
                     
326 木ぞ一つ立てると見ればアナトリアを耕せる家族暗くまどゐす

     (当日意見)
★曽我さんのレポートにある316番歌(神は偉大なりといひて瞑想に入りしとぞアナ
 トリア大平原の寂寞)に関連して読むとよく分かる。コンヤは古い宗教都市である。
  (藤本)
★豊かでないアナトリアで田畑を耕して宗教に支えられて暮らしている。(慧子)
★アナトリアを耕す過酷さを言っている。(崎尾)
★宗教画のようだ。(鹿取)


      (まとめ)
 ミレーの宗教画を思い出した。「まどゐ」は団らん。一本の木の下に集まって憩いをしている情景は静かだ。家族で寄り添って、おそらく貧しい暮らしを営んでいる姿が「暗く」と写ったのだろう。木を一本ではなく一つと表現しているのも面白いが、一つの木を詠うことによって、かえってアナトリアの大地の広さが見えるようだ。(鹿取)

   

コメント
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