Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

挑戦者・佐藤 康光 二冠が2勝目を挙げ、星を一つ戻す/『第20期 竜王戦 第5局』

2007-11-29 20:07:18 | 将棋
昨日から、山形県天童市で開幕した、『第20期 竜王戦』の第5局…。

2日目の今日、勝敗が決しましたね

結局、177手までの大熱戦の末、先手番の挑戦者・佐藤 康光 二冠が、渡辺 明 竜王を敗って、勝ち星を一つ戻すことに成功
佐藤二冠から見たこのシリーズの戦績を、2勝3敗としました

残念ながら、渡辺竜王の竜王位防衛&4連覇達成は、この第5局では「お預け」となりました


第4局は、渡辺竜王の指し回しが光り、その手順は「絶好調」と言って良いほどで、不調が囁かれている佐藤二冠の力を最後まで出させない「完勝」で制して迎えた本局…。

渡辺竜王は、佐藤二冠が「本当に」不調であれば、エンジンの掛かる前に防衛と「前人未到」の4連覇を決めてしまいたい…。
一方の佐藤二冠は、早くも「カド番」に追い込まれましたから、丹念に一つづつ勝ち星を返したい…そんな心理状況にあるのではと、勝手に想像しながら戦局を眺めていました。

そんな中で行われた本局…。

佐藤二冠にとっては、逆に追い込まれたことで、終盤は劣勢ながらも、最後まで諦めなければ勝機が見えると信じて指していたようですね…。
その執念が実った感じで、本局を制した気がします

さて、本局を少し振り返りましょう。

1日目の封じ手前の53手目に、先手番の佐藤二冠が、4六の銀を5七の地点に引いた局面で指しかけとなりました。

そして、封じ手の54手目ですが…驚きました
相矢倉だった戦型が「相穴熊」に変わる、△1二香でした。
見事に外れましたね…。

この「封じ手」の時の渡辺竜王の心理…恐らく本局が終わった後、ご自身のブログで語って下さると思います。ファンを大切になさるお方ですから
今は、それを楽しみに待ちたいと思います
(渡辺竜王にしか、その時の気持ちは分かりませんからね。)

小職自身の昼食休憩時(67手目の▲9六歩の局面でした…)に、封じ手後の棋譜を拝見しましたが、その渡辺竜王の「穴熊」の姿勢を、「本当にそれで良いんですか」と佐藤二冠が問いかけるように指していた気が、小生にはしました。

67手目▲9六歩以降は、先手穴熊陣近辺で、駆け引きが展開されていましたね。
ですが、小生には、どっちが良いのかがはっきり分かりませんでした
どっちを持っても自信なしですね

実は急用ができて、フレックスタイム制度を利用して帰宅したのですが、帰宅してすぐ戦局をチェックすると、手数が100手近かったので、ビックリしました
BS2も視聴していましたが、特に96手目△8五銀から暫くは、指し手が早かったですね~。

この局面では渡辺竜王の指し手は自信に溢れている感じで、先手番ながらこの辺りの局面では、佐藤二冠が受けに回っている感じでしたね。

ところが、終盤で形勢が逆転します
まさに、「風雲急を告げる」といった感じでしたね…。

これは入門者の見解で、正しいかどうかは全く自信がありませんが、126手目の△8六飛までは渡辺竜王が優勢だったと思いますし、▲同竜→△同馬と取る順も十分想定内です。
その後の129手目の▲8一飛が意外に厳しく、130手目の△5八飛がややぼんやりした攻めで、その後▲8六飛成→△7八飛成と進み、先手玉の「上部脱出」だけは避ける局面で、それを回避できる駒の一つだった7四の後手の歩に当ててこれを食いちぎる▲9六角も意外に厳しかったと思います。

この辺から少し局面が複雑になり、先手玉は入玉模様で、それを目指していた感じでしたから、これだけは後手は避けるべきだったかもしれません

それを許してしまったのが、後手の手持ちの唯一の歩を投入した134手目の△8七歩ではないかと…。
敗着を挙げるとすれば、これだったかもしれません

その後、遂に先手玉は6六の地点から「大脱出」に成功
これが功を奏して、入玉まで果たし、遂に決着が付きました

渡辺竜王…第2局同様、「急転直下」を食らった感じですね

深浦王位がタイトルを奪取したときも、深浦王位(当時挑戦者)が3勝1敗で、羽生二冠(当時三冠)に連勝されて追い上げられ、結局フルセットにもつれ込んでいます。

タイトルの行方を決する勝ち星を挙げることは、容易くないことを痛感させられましたね

逆転負けですので嫌な雰囲気かもしれませんが、それを食らうまでは、渡辺竜王が終始攻めていました。
本局も逆転されたとはいえ大熱戦でしたし、まだ「好調モード」は崩れていないのではないでしょうか


敗れはしましたが、渡辺竜王は、とにかくファンを大切になさるお方です
恐らく、ご自身のブログで、本局をじっくり解説して下さることでしょう。


第5局は佐藤二冠の執念が実り、渡辺竜王にとっては残念な結果とはなりましたが、次の第6局までは2週間インターバルがあります。
両対局者とも、気分を一新して、次に臨んでくることと想像します


渡辺竜王が、第4局の終局後に「引き続き頑張りたい」と語ったように、次の第6局で、防衛&4連覇達成&『永世竜王』に王手…を決めるでしょうか
挑戦者の佐藤二冠が、昨年のフルセットで奪取が叶わなかった悔しさを内に秘め、次の第6局も、第5局の逆転劇の流れそのまま制してフルセットにもつれ込み、「3連勝での大逆転」で渡辺竜王を倒して、昨年の雪辱を果たすのでしょうか

次の第6局が、まさに「ターニングポイント」です


見所たっぷりの竜王戦…第6局は、12月12日と12月13日の2日間、静岡県伊豆市で行われます。

非常に楽しみですね

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