原発事故発生当初から「大本営発表」を伝えるだけだったマスメディアが、ここにきて少しずつ変わりはじめた。この間、いくつかの新聞、雑誌、テレビの取材を受けた。その記者やディレクターと話をしてみると、それぞれに危機感を抱いていた。つまり、「政府、マスコミ、学者の言うことは信用できない」という「常識」が人々の中に形成されてしまったからである。有用な情報はもっぱらTwitterやUstreamなどのソーシャルメディアで流れるようになった。それは時代の根本的な変化を感じさせるものだ。また、いつもはゴシップ記事満載の週刊誌が、とてもまともな記事を書いて売り上げを伸ばした。
ここにきて、マスメディアの中にいる彼ら彼女ら中に、勇気をもって記事を書き番組をつくるジャーナリストが現れはじめた。「クビを覚悟したが、意外にも何も言われなかった、逆にほめられた」という話を聞くようになった。東電や原子力「ムラ」と心中するわけにはいかない。そういう判断がマスメディアの経営陣にも生まれたようである。まともな報道を人々は支持する。市民の見る目をあなどってはいけない。いくら広告費が入ってくるからといって、そもそも人々が見て読んでくれなければなりたたないのがマスコミである。
同じことは学者の端くれの私にも言える。「御用学者」ばかりがテレビに出てきて、「ただちに心配するレベルではない」と、視聴者を煙にまくようなコメントをするシーンに、人々はもう辟易している。信用回復をしなければならないのは、私たちも同じだ。いったん地に落ちた信用を回復するのは容易なことではない。
気なる話もある。NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)の飯田哲也さんは、私たちの「広報担当」として、原発事故発生以来、大車輪のご活躍である。私もメディア露出は飯田さんの役目と思っていた。しかし、少し前の飯田さんのTwitterで、「経産省と東電が飯田とISEPのあらさがしをしているらしい」との発言があった。「飯田さえつぶせば大丈夫と考えているらしい」とのこと。確かに飯田さんに負担がかかりすぎている。飯田さん以外にも厚い論客陣がいることを示さなければならない。
メディアに露出することは私の本意ではないが、ここは、勇気あるジャーナリストの求めならば、それに応えなければならないと思う。メジャーであるか独立系であるかを問わず、本物のジャーナリズムを支持して応援していきたい。
以前は何の疑問も持たずに見ていたテレビですが、(考えてみれば地域独占の電力会社がテレビコマーシャルを出す必要なんて無いですよね)今はチェックする為に観ています。そして間違った放送後には抗議のメールや電話をし、良い放送の後は激励のメールを送るようにしています。一人の力は小さいけれど、声を送り続けなければ、何も変わりませんよね!
既存のメディアで先生のお顔を拝見するのを楽しみにしています。
気になるのはマスコミの取材先が限定的なことです。ご活躍は嬉しいですが、同じ話を何度もしていただくのは申し訳ない。良心をもった学者さん達がもっとメデイアに出てきてほしいです。
子育て中の普通のアラフォー主婦ですが、未来の世代は大丈夫なのか、いろいろと考えるようになりました。
まして、こんなコメントも恥ずかしくて今まで書いたことはありませんでしたが、少しでも届くよういろいろな場面で書くようになりました。
応援しております。