だいずせんせいの持続性学入門

自立した持続可能な地域社会をつくるための対話の広場

Happy

2014-06-26 20:35:01 | Weblog

  Pharrel Wiliamsのミュージックビデオ、「Happy」が世界でブレイク中である。https://www.youtube.com/watch?v=y6Sxv-sUYtM「だってぼくはハッピーだから、手をたたこう!」と歌い踊る。入れ代わり立ち代わりたくさんの人が登場して24時間!歌と踊りが続く。今YouTubeでたくさんの映像が投稿されている。ご当地Happyというべきもので、その土地の普通の人、老若男女が楽しそうに踊るのを見ているとこちらもハッピーな気持ちになってくる。

  そして福島版が公開された。https://www.youtube.com/watch?v=B-pk8z8rX2U福島駅に滑り込む新幹線の英語のアナウンスからはじまり、新幹線から降りてきたのは福島駅の駅長さん?らしい。そこからはじまってたくさんの福島の若者、おじさん、おばさん、年寄り、子ども、お坊さんまで、それぞれのスタイルで踊っている。楽しい。ハッピーそのものだ。
  
 出演者はみな素人であるが、映像はプロの仕事である。どういう人がつくったのか気になって調べてみた。
  プロデュースしたのはソーシャルメディアプロデューサーの熊坂仁美さん。『YouTubeをビジネスに使う本』などの著書がある。東京から故郷の福島に拠点を移して活動されている。ご本人がHappy福島版制作のいきさつを書いた記事によればhttp://bylines.news.yahoo.co.jp/kumasakahitomi/20140604-00036011/、「被災地ということで、いまだに道行く人がみなマスクをしている暗い街というイメージを持たれがちだけれど、実際、ほとんどの人は普通にハッピーに暮らしている。むしろ以前より割り切っていて、腰を据えていて、地域愛が強い人が多いのだ。HAPPYの動画なら、その空気をそのまま伝えることができると思った」とのことである。

  この感覚は、私が福島に通っていて感じるものと同じだ。そしてその空気感が映像に実によく表現されていると思う。

  その空気感というのは例えばこういうことである。先日、私が福島の蓮笑庵を訪問して出会ったのは、ちえみさんという元気いっぱいの20代の女性。彼女たちがやっているのは、「女子の暮らしの研究所」。http://www.girls-life-labo.com/福島に住む若い女性たちが自分の暮らしのあり方を見直し、「ふくしまの女子がこれからどう生きるのか」を真剣に考え、発信している。キャッチは「かわいいが世界を変える」!である。彼女たちは地元の伝統工芸、会津木綿にであい、これを活用したピアスを商品開発した。「ふくいろピアス」ということで、8色の色それぞれに思いをこめている。「ひとのいろ」のメッセージは「ふくしまというだけで差別したり、自分とは関係ないことのようにふるまう人の声に、傷つくことがあります。でも、手をさしのべてくれるのも人。何世代もつながれてきたいのちの温度を感じながら、前を向いていきたいと思っています。」Ready forのクラウドファンディングで資金を集めて商品化、Yahooの復興デパートメントで販売している。その行動力とセンスのよさに感心してしまった。若い女性たちも「腰が据わって」いるのである。

  顔をしかめる向きも多いかもしれない。特に福島のみならず関東地方から中部や西日本に自主避難して苦しい思いをしている人は複雑な気持ちにならざるを得ないだろう。

  YouTube映像につけられた熊坂さんのメッセージを訳出しよう。
「福島もやっぱりハッピーです。多くの人が福島は3.11以来、アンハッピーと思っているかもしれません。でもそれは違います。このビデオで、私はみなさんに私たちがみなさんと同じようにハッピーで健康であることをお伝えしたいのです。どうぞ私たちのダンスを楽しんで幸せをシェアしてください。・・・私はMark Barrieさんからいただいた次のコメントが大好きです。
“すばらしい。幸せとは境遇ではなく、選択であることを思い起こさせてくれます”」

 ということは、不幸せも境遇ではなく、自らが選択しているということだ。どういう境遇にあっても、私たちは幸せを選択できる。3.11という大きなできごとを共有した私たちは、それぞれに何らかの選択をしている。それがどのようなことであっても、自分で責任をもち、そして必ず幸せを選択したい。 

 

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