なんくるないさ~、沖縄での研修医生活

臨床研修のメッカ沖縄にあって忙しさNo.1を自負する中部徳洲会病院。スーパー研修医がリレーでつづる研修医ブログ。

東北関東大震災  災害医療報告 2

2011-03-28 15:37:17 | Weblog
前回は仙台へ到着したところまで書きました。続きです。

3月18日(金)朝に仙台徳洲会の現地本部を出発し、気仙沼市本吉に向かいました。
救急車に数名のスタッフが乗り込み、病院近くの緊急用ゲートから高速に入ります。
高速道路や国道はところどころ段差ができています。
夜間だとこの段差が見えにくくて危険だそうです。


本吉は気仙沼市中心部と、南三陸町の中間地点。


約3時間で本吉に到着しました。
気仙沼市立本吉病院は36床の病院で、2階建て。
1階部分は完全に津波に飲み込まれて、中はぐちゃぐちゃです。
1階には診察室や検査室、カルテ保管庫がありました。


1階の診察室の様子。 ごみが散乱しています。 天井近くまで水没しまことがわかります。



私が到着したのは地震発生からちょうど1週間でしたので、1階の入り口付近はすでにある程度片づけられていましたが、診察室などは什器など大きなものが運び出されただけで、ごみだらけです。


幸いに2階の病棟フロアは水没しなかったので、2階を利用して外来診療が始まっていました。
入院患者さんは前日に岩手県の病院に全員搬送されていました。
本吉病院ではTMATチームの宿営と、外来診療が行われていました。
周辺の10余りの避難所への巡回診療も始まっていました。



この日働いていたTMATチーム看護師の皆さんと私(右奥メガネ)。
愛媛、大阪、福岡、沖縄からやってきていました。


私はさっそく外来診療に加わりました。
外来は一般の診療に加えて、普段のお薬処方。
特に津波で薬も流されてしまった人が多く、処方内容もはっきりしないので苦労しました。

処方薬局は近所に3軒あったのですが、1軒は水没し、他の2軒も在庫が心配です。
遠くの専門病院から処方を受けていた人は、近所の薬局には薬がないこともしばしば発生。

電話が通じないので、薬がない時は患者さんが薬局と病院を往復するという事態にも。
院外薬局だと非常時にはこのような不便も伴いました。


病院内には石油ストーブが2台しかなく、廊下を温めるのがやっと。
診察室やTMATのスタッフルームにはストーブがありません。
患者さんには寒い思いをさせてしまいました。
私たちも常に冷蔵庫の中にいるようなものでした。

夜にはスタッフミーティングを行い、夕食のカップめんで体を温めました。


災害医療報告3 につづく          中部徳洲会病院 今西康次

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