徳洲会には沖縄・奄美地区に20以上の離島病院・診療所があります。
これら離島病院・診療所では、若い研修医の先生方も大勢研修しています。
これらの研修医達は、全国の都市部の徳洲会病院で内科外科小児科産婦人科など総合的な基礎トレーニングを受けて離島にやってきています。
離島ではドクターは少なく、その他の医療資源も限られています。専門外だから知りません、は通用しません。
時によっては彼らが島の唯一のドクターであることも、悲しいかな今の離島医療の現実です。
多くの研修医たちが離島研修を通じて医師のあり方を再発見し、医師としての原点を離島研修においています。
救急患者のたらいまわしが社会問題になっていますが、問題解決のひとつの答えは総合診療医の育成です。
数年前に始まった新臨床研修制度は、ここ数十年の日本の縦割り制度(ナンバー診療科、専門分野偏重)への反省にたった制度です。
卒後の早い時期に重要な複数の診療科で研修し、幅広い診療能力を身につけ、後に各自の専門分野を研修するというものです。
病気の大半はその分野の専門医でなくても診療できるものですし、複数の疾病を併せ持った場合などは、全体を見渡して治療方針を決める必要があります。
これらの見地から、現在の初期臨床研修制度は必要不可欠な仕組みであるといえますし、アメリカの研修制度に習ったものです。
医師不足を招いた犯人を新臨床研修制度に押し付ける意見が大学関係者に多いようですが、私は賛成できません。
大学のポリクリの延長のようで、研修医に真剣さがないといった意見も出されますが、これはその病院の取り組みの甘さと、研修医自身の資質の問題だと思います。
古くからの名だたる臨床研修病院はもちろん、徳洲会病院で学ぶ研修医達は、どの診療科を回っているときであっても取り組みは真剣です。
研修医ががんばっている研修病院というのは、研修医が医師としての仕事をし、実力アップを肌で感じることができる病院だと思います。
ポリクリの延長....などと嘆いている病院は、その程度の研修内容しか研修医に提供できていないではないでしょうか?
さて、来る11月15日(土)に、離島で研修している研修医たちの症例検討会があります。
奄美地区では2ヶ月毎に、沖縄も含めた合同カンファは年に1回行っています。
離島で研修医たちがどのように活躍しているかを見る絶好のチャンスです。
医療関係者はもちろん、一般の方もご遠慮なくご参加ください。
11/15(土)、16:00~19:00 中部徳洲会病院 4階講義室
参加ご希望の方は、研修担当の兼謝名(かねじゃな)までお知らせいただければ幸いです。電話937-1110.
添付画像は昨年行われた第1回の様子です。
副研修委員長 今西康次
これら離島病院・診療所では、若い研修医の先生方も大勢研修しています。
これらの研修医達は、全国の都市部の徳洲会病院で内科外科小児科産婦人科など総合的な基礎トレーニングを受けて離島にやってきています。
離島ではドクターは少なく、その他の医療資源も限られています。専門外だから知りません、は通用しません。
時によっては彼らが島の唯一のドクターであることも、悲しいかな今の離島医療の現実です。
多くの研修医たちが離島研修を通じて医師のあり方を再発見し、医師としての原点を離島研修においています。
救急患者のたらいまわしが社会問題になっていますが、問題解決のひとつの答えは総合診療医の育成です。
数年前に始まった新臨床研修制度は、ここ数十年の日本の縦割り制度(ナンバー診療科、専門分野偏重)への反省にたった制度です。
卒後の早い時期に重要な複数の診療科で研修し、幅広い診療能力を身につけ、後に各自の専門分野を研修するというものです。
病気の大半はその分野の専門医でなくても診療できるものですし、複数の疾病を併せ持った場合などは、全体を見渡して治療方針を決める必要があります。
これらの見地から、現在の初期臨床研修制度は必要不可欠な仕組みであるといえますし、アメリカの研修制度に習ったものです。
医師不足を招いた犯人を新臨床研修制度に押し付ける意見が大学関係者に多いようですが、私は賛成できません。
大学のポリクリの延長のようで、研修医に真剣さがないといった意見も出されますが、これはその病院の取り組みの甘さと、研修医自身の資質の問題だと思います。
古くからの名だたる臨床研修病院はもちろん、徳洲会病院で学ぶ研修医達は、どの診療科を回っているときであっても取り組みは真剣です。
研修医ががんばっている研修病院というのは、研修医が医師としての仕事をし、実力アップを肌で感じることができる病院だと思います。
ポリクリの延長....などと嘆いている病院は、その程度の研修内容しか研修医に提供できていないではないでしょうか?
さて、来る11月15日(土)に、離島で研修している研修医たちの症例検討会があります。
奄美地区では2ヶ月毎に、沖縄も含めた合同カンファは年に1回行っています。
離島で研修医たちがどのように活躍しているかを見る絶好のチャンスです。
医療関係者はもちろん、一般の方もご遠慮なくご参加ください。
11/15(土)、16:00~19:00 中部徳洲会病院 4階講義室
参加ご希望の方は、研修担当の兼謝名(かねじゃな)までお知らせいただければ幸いです。電話937-1110.
添付画像は昨年行われた第1回の様子です。
副研修委員長 今西康次
ご指摘のようにアメリカのfamily medicine(イギリスのgeneral physicianも?)では、小児やお産も含めて幅広い診療をできるようにトレーニングされています。ただ、これらはFMやGPそのものが専門医であるので、日本の初期臨床制度とは位置づけが異なります。人口密度や生活圏の大きさの違いから、これまでの日本では総合医や家庭医の必要性が低かったのかもしれません。日本においても同様な専門領域が早く確立されるのを期待します。
初期臨床制度はたかだか2年間ではありますが、真剣に2年間のトレーニングを行うことで、実に幅広い知識と技術、経験をつむことができます。研修医2年目は比較的自由ですので、いくつかのマイナー科を研修する者もいます。この2年間の医師としての経験はどの専門分野に進んでも将来役に立つことは間違いないと私は思います。
どの領域の疾患であっても、頻度の高いコモンはある程度診療できるようにスキルアップしておけばいいのです。専門的知識の必要な部分まで研修医がカバーすることは不可能ですし、通常はそんな必要もありません。しかし、都市部でさえ足りない産科医問題など含め、離島においては医療過疎はもっともっと深刻です。たとえば出産は大きな島の病院で行う予定でも、悪天候が続いて移動できないとかどうすればいいのでしょうか?根底にはすぐに解決できない問題がたくさんあります。研修医とはいえその解決の一翼を担うことは可能であり、今私達にできることのひとつであると思います。
いろんな解決策が議論され、そして実践されることを切に望みます。
今西康次
離島ですと産科医不足を補うのは総合医という考えは分かりますが、それ以外の専門性のある科までカバーは難しいと思います。