執事・メイド・従僕・使用人について。あらゆる作品が対象。出版元の詳細は記事中の作品名をクリック。amazonに行けます。
執事たちの足音
イギリスの奉公娘はシムネルケーキを焼く
今日は母の日です。
このまえ小手鞠萌さんから、こんなコメントを頂きました。
浅学にして初耳のわたくしは、さっそくネットで検索。カチャカチャ。
(あー、怖いくらい便利な時代だ…)
ヒットしたこちらの記事 (a+ discovery vol.2) で、シムネルケーキと母の日をつなぐエピソード読んで、すっかり興奮してしまいました!(とくに「主人が…」のとこ)
シムネル・ケーキはイギリスの焼菓子。
図書館で借りてきた『季節を楽しむイギリスのお菓子』 にはこう紹介されています。
奉公に出た娘たちが…故郷の母親に…。
少ないお給金から材料費を貯めたんだろうなぁ。
そんな彼女らが腕をふるって作ったケーキ。
うーむ、どんな味なんだろうか?
というわけで、作ってみました。
シムネルケーキ、完成!
実際にシムネルケーキを作ってみて、驚いたことが2つあります。
ひとつは、ケーキの生地に混ぜ込むドライフルーツの量。
レシピ本を読んだ時はピンとこなかったのです。それがどのくらいの量なのか。
材料を買い揃えて計ってみて、ギョッとしました。
三種類のレーズンと、刻んだオレンジ&レモンのピール。
それらを合わせると、軽くバケツ半分くらいの量なる。
丸くまとめたら、小玉スイカくらいになります。
それらを生地に混ぜて焼くと、中はこんな感じです。
ゴロゴロ、ぎっしり!
「小麦粉の生地にドライフルーツが入っている」なんて可愛らしいものではなく、
「ドライフルーツ軍のわずかな合間をぬって、小麦粉生地が流れ込んだ」
もうひとつは、ラム酒の量。
ドライフルーツを一晩ラム酒に漬け込むのですが、ドライフルーツの量がそんなもんだから、当然ラム酒の量も…かなりなもんです。
後日、おすそ分けに職場に持っていったら、お酒に弱い子が一口食んでウッと呻き「これ、“何か”入ってます!?」涙目で訊いてきた。
正体が分からないほど、ラム酒が利いていたらしい。
(アルコールなら何でもごされの私は「はぁ~いい香り」と思っていた)
さて、母の日にはまだ数日早かったのですが、母に早く食べてもらいたくてさっそく実家へ持って行きました。気分だけは、すっかりイギリスの奉公娘です。
「ママ! あたい、お料理上手になったでしょ?」
(脳内年齢13歳。かなり無理があります)
母は嬉しそうに笑顔で私を向かえ入れ、小皿とフォークを用意し、お茶(日本茶…)を入れてくれた。
ケーキを切って、母に差し出す。一口、ぱくり。
「どう、味?」
「うん、おいひい(美味しい)よ。」
「ラム酒がね、入ってるんだけど (母はさほどお酒に強くない)」
「うん? へーきだよ。おいひいよ、うん」
「………」
「…うん…おいひい、おいひい…うん…」
母は、入れ歯だったのだ。
ごめん、母ちゃん。レーズンたっぷりなんて。
〔シムネルケーキで分かったこと〕
イギリスの母は、アルコールに強く、歯も強い。
このまえ小手鞠萌さんから、こんなコメントを頂きました。
>そういえば、そろそろ母の日ですね。「しむねるけーき…?」
シムネルケーキの話はどーでしょーか?
浅学にして初耳のわたくしは、さっそくネットで検索。カチャカチャ。
(あー、怖いくらい便利な時代だ…)
ヒットしたこちらの記事 (a+ discovery vol.2) で、シムネルケーキと母の日をつなぐエピソード読んで、すっかり興奮してしまいました!(とくに「主人が…」のとこ)
シムネル・ケーキはイギリスの焼菓子。
図書館で借りてきた『季節を楽しむイギリスのお菓子』 にはこう紹介されています。
Simnel Cake シムネルケーキ 奉公に出た娘たちが、料理の上達ぶりを示すかのように故郷の母親に持ち帰ったのが、このケーキ。シムネルの語源はラテン語の simila (上質な小麦粉)といわれ、ローマ人征服の時代までさかのぼる古い歴史を秘めたもの。飾りの11個のボールは、キリストに仕えた11人の使徒をあらわしているといわれています。 『季節を楽しむイギリスのお菓子』(北野佐久子著/文化出版局 1998)より引用 |
奉公に出た娘たちが…故郷の母親に…。
少ないお給金から材料費を貯めたんだろうなぁ。
そんな彼女らが腕をふるって作ったケーキ。
うーむ、どんな味なんだろうか?
というわけで、作ってみました。
シムネルケーキ、完成!
実際にシムネルケーキを作ってみて、驚いたことが2つあります。
ひとつは、ケーキの生地に混ぜ込むドライフルーツの量。
レシピ本を読んだ時はピンとこなかったのです。それがどのくらいの量なのか。
材料を買い揃えて計ってみて、ギョッとしました。
三種類のレーズンと、刻んだオレンジ&レモンのピール。
それらを合わせると、軽くバケツ半分くらいの量なる。
丸くまとめたら、小玉スイカくらいになります。
それらを生地に混ぜて焼くと、中はこんな感じです。
ゴロゴロ、ぎっしり!
「小麦粉の生地にドライフルーツが入っている」なんて可愛らしいものではなく、
「ドライフルーツ軍のわずかな合間をぬって、小麦粉生地が流れ込んだ」
もうひとつは、ラム酒の量。
ドライフルーツを一晩ラム酒に漬け込むのですが、ドライフルーツの量がそんなもんだから、当然ラム酒の量も…かなりなもんです。
後日、おすそ分けに職場に持っていったら、お酒に弱い子が一口食んでウッと呻き「これ、“何か”入ってます!?」涙目で訊いてきた。
正体が分からないほど、ラム酒が利いていたらしい。
(アルコールなら何でもごされの私は「はぁ~いい香り」と思っていた)
さて、母の日にはまだ数日早かったのですが、母に早く食べてもらいたくてさっそく実家へ持って行きました。気分だけは、すっかりイギリスの奉公娘です。
「ママ! あたい、お料理上手になったでしょ?」
(脳内年齢13歳。かなり無理があります)
母は嬉しそうに笑顔で私を向かえ入れ、小皿とフォークを用意し、お茶(日本茶…)を入れてくれた。
ケーキを切って、母に差し出す。一口、ぱくり。
「どう、味?」
「うん、おいひい(美味しい)よ。」
「ラム酒がね、入ってるんだけど (母はさほどお酒に強くない)」
「うん? へーきだよ。おいひいよ、うん」
「………」
「…うん…おいひい、おいひい…うん…」
母は、入れ歯だったのだ。
ごめん、母ちゃん。レーズンたっぷりなんて。
〔シムネルケーキで分かったこと〕
イギリスの母は、アルコールに強く、歯も強い。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
« 帝国ホテルに... | 帝国ホテルで... » |
ごめんよカーチャン、料理下手な娘で……orz
それにしても実際に作ったとは! 相変わらずのチャレンジ精神、おみそれ致しました!
イギリスのプディングはドライフルーツどっさり系が多いですね。甘い物が贅沢だった頃の名残なのでしょうか。
いやそれにしても半端ない量ですね。生地、ほとんどつなぎ状態じゃないですか……凄いなぁ。
最後の落ちは笑わせて貰いました☆ そりゃあんだけドライフルーツが入っていればなぁ。
>イギリスのプディングはドライフルーツどっさり系が多いですね。甘い物が贅沢だった頃の名残なのでしょうか。
ナルホドそうかー。そうかもしれませんね。
上アゴから脳天に突き抜ける甘さでしたもの。
味は…ラムレーズンの味でした。(笑)
変なシムネルケーキ見つけました。こんなの↓
http://uktv.co.uk/food/recipe/aid/512917
しかも飾り玉が、ひとつ、ふたつ、みっつ………12個あるよ。(ユダ!)
シムネルケーキを、教えてくださって本当にありがとう!
いつもいつも情報に感謝です。勉強になります。ほんとに!