ジーヴスって有名なんだなぁ、としみじみ。

“A butler? A real English butler? Like Jeeves?”
ある本の序文を流し読みしていて、いきなり出くわした台詞です。
こちらがその本です。↓

A Butler's Life:
Scenes from the Other Side of the Silver Salver






え、なに? ジーヴス? が、どうしたって?
あわてて序文を最初から読む。

著者はクリストファー・アレン氏と、
その夫人であるキムバリー・バートン・アレンさん。
クリストファー氏は1997年(この本の出版年)の時点で16年のキャリアをもつ現役の執事。“イングリッシュ・バトラー”としてイギリスはもちろん、スイス、モナコ、アメリカと様々な国で経験を積まれました。

序文は夫人のキムバリーさんによる、後に夫となるクリストファー氏との出会いから始まります。
南カリフォルニアの、とあるお洒落なアイリッシュ・パブで知り合ったふたり。
キンバリーさんが「仕事は何をしてらっしゃるんですか?」と会話の初めの常套句を投げかけると、クリストファー氏が返した言葉は「執事です」

そこで、冒頭に引用したキンバリーさんのセリフが飛び出すわけですね。
「執事? 本当のイギリス執事? ジーヴスみたいな?

こういうリアクションが普通に出てくるんですねぇ。いいわぁ。
いかにジーヴスの名前が浸透しているか、この一言でよーく分かります。
(よし、いつの日か日本でも…とジーヴス普及運動の野望がフツフツと…)

しかし、ジーヴスは本当は執事(butler)ではなく、従僕(valet)のはず。
むこうの人も、つい混同してしまうんだなぁ…とちょっと嬉しく思っていたら、
次のだんなさんの筆による序文で、しっかり訂正されていました。
しかもvaletの正しい発音指導つきで。
And just for the record: Jeeves, the archetypal “gentleman's gentleman”created by P.G. Woodhouse, was a valet, not a
butler
. And that is correctly pronounced VA-lett, not va-LAY.
(太字、下線はブログ筆者)
ですので、みなさん、アクセントは第一音節に、下唇をしっかり噛んで発音しましょう。
本物の執事によるご指導ですからね。
さあ、ご一緒に、「ァレッ

ちなみにクリストファー氏は「執事心得」なるもののひとつとして、
「他家に勤める同業者たちを捜し求め、彼らとの情報ネットワークを保持すること」と述べています。
その例として、ジーヴスたちが集う、召使いだけのクラブ “ジュニア・ガニュメデス・クラブ” の、あの「有名な本」(召使いたちの手による、雇用主のブラックリスト)を挙げています。

すごいなぁ、ジーヴス。
フィクションを越え、生ける執事のお手本なのか。
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