「バットマン」 ヒーローを見守る執事 アルフレッド・ペニーワース

本日の召使 : アルフレッド・ペニーワース(Alfred Pennyworth )(バットマンの執事)

Batman Begins

バットマンには、執事がいる―

知りませんでした、わたくし。

バットマンには、執事がいる―

バットマンは世界でただひとり。
ならばバットマンのお世話をする執事も、世界でただひとりの執事。
これ、ちょっとスゴイぞ。いや、かなり、だ。

執事の名は、アルフレッド・ペニーワース。
バットマンことブルース・ウェイン青年の正義活動を陰で支える「縁の下の執事」です。

 執事であり、共同製作者であり、父親代わりであり―

執事アルフレッド・ペニーワースを知ったのは、つい最近、
映画『バットマン ビギンズ』でした。
レンタルビデオ屋で「そういえば渡辺謙がでてるのよねぇ」と何の気なしに借りて観たのです。

いま思うと、渡辺謙に感謝、だ。

いままで執事が登場する映画を探すときは、たいてい舞台がイギリスか、クラシック文学のジャンルに目を通していました。
まさかバットマンに執事がいるとは思わなかったさ。

そもそもバットマンについても
「ゴッサム・シティを悪者から救うコウモリ姿のヒーロー」
くらいしか知らなかったワタクシ。
バットマンはじつはブルース・ウェインという青年が変装したヒーローで、しかも大富豪であるとは知らなんだ。
空を飛ぶのは、あれは超能力だと思っていました。スーパーマンみたいに「変身」すると飛べるのだと。
そうではなく、ふつうの人間が、特殊スーツや便利グッズを身にまとい「変装」して、敵と戦っているんですね。

『バットマン ビギンズ』ではとくに、主人公バットマンを、暴漢による銃撃で両親を失った少年時代の心の傷に苦しむ「ひとりの青年」として描いています。

やがて街に巣くう悪をやっつけるヒーローへと成長してゆくブルースを、かげで見守り、つねに支えてきたのが、執事アルフレッド・ペニーワースです。

マイケル・ケイン演じるアルフレッドは、理知的で、ちょっと皮肉が利いていて、すました口調ながらも瞳で主人への心配りを物語る、奥の深い執事です。

マイケル・ケイン演じるアルフレッドの画像はこちら。
Batman Begins Photo Gallery (Warner Bros.Online)

映画の中でアルフレッドと主人ブルースが交わす台詞には、胸にぐっとくるものがいくつかあります。

両親の死の呪縛から逃れられず、自暴自棄になり大学も追い出されたブルースに、アルフレッドは“ただひとえに、坊ちゃんの将来を案じているのだ”と告げます。
ブルース「見捨てないのか?( Haven't given up on me yet?)」
アルフレッド「もちろん( Never.)」

Batman Begins』日本語/英語字幕より引用
Never.
たった一言、ニコッと笑顔で答えるアルフレッドに、大きな父性愛を感じます。

ふたりでバットマンのマスク(ヘルメット?)を製作開発するシーンがとてもほほえましい。父親と息子が一緒になって真剣にプラモデルを作っているみたいです。


Batman Begins: The Visual Guide

←これがそのマスク。
じつはとっても硬くて頑丈なシロモノ。
執事と主人の共同製作。
ふたりの絆の結晶である。


アルフレッドが試作品のひとつを棒でぶっ叩いたら粉々になってしまい、
“とりあえず、頭からの着地はお避けくださるよう”わざといんぎんな物言いで提案するなど、執事らしい「くすぐりどころ」も押さえています。

 作家、俳優…それぞれのアルフレッドのイメージ

WikipediaのAlfred Pennyworthのページで彼の経歴を読みますと、アルフレッドは英国王室に仕えていた(!)ところをブルースの両親が引き抜いたそうです。(ついでに言うと過去には舞台俳優、軍医といった経歴もあり。すごいスキルだわ。なんでもアリね)

「生粋の英国執事」ともなるとキャラクター・イメージがある程度固定されがちです。しかし面白いことに、アルフレッドの場合、絵を描く作家や演じる俳優によってイメージが微妙に違ってくるのです。やはり彼の多彩な経歴がイメージに幅をもたせているのでしょうか。

そこで、いくつかのサイトから様々なアルフレッドを集めてみました。
以下のリンクをクリックしてご鑑賞ください。(別ウィンドウで開きます)

ひとり、ご主人のグローブを縫いつくろうアルフレッド。けなげ。
The Man Behind The Bat's Profile! (The Man Behind The Bat)

こちらはBrian Bollandの筆によるイラスト。ちょいワルおやじ風。
Image:BatmanGothamKnightsCVR42.jpg(Wikipedia)

フィギュアのアルフレッド。どうして谷村新司に似てるんだ。
DC Direct Action Figures(JoeAcevedo.com)

映画のバットマン・シリーズ第一作から第四作までアルフレッド役を演じたマイケル・ガフの紹介。
Michael Gough (lenin imports UK)


マイケル・ガフ演じるアルフレッドは、わたくし、大好きです。
紳士らしい英国執事に「やさしいおじいちゃん」がプラスされたような感じです。
この人にとっては、ご主人さま(バットマン)がいくら歳をとって大人になっても「ブルース坊ちゃん」のままなんだろうなぁ。
(主人の名前を呼ぶときは、礼儀上、ブルースが少年だった頃からずっと「マスター」をつけて呼んでますけどね)

シリーズ第四作『バットマン&ロビン』は、題名を『バットマン&アルフレッド』に変えたほうがいいんじゃないのか、というほどキャラが立っています。
主人公のバットマンから、“私と同じヒーローである”と賞賛されてしまうのですから。

「執事ものがたり」として観るなら、『バットマン ビギンズ』よりこっちを断然オススメします。(いるかなー? そういう方)


さて、アルフレッド・ペニーワースの召使評価です。


すばらしい、ほぼ満点!
さすがヒーローに仕えるとなると、それだけ高い能力が要るということか。



ひかえめ 4
あえて辛めに、1点マイナスしました。
理由は、アルフレッドは召使いの身分なのに「バットマン・ファミリーの一員」扱いを受けているからです。
召使い評価としては、「主人から家族同様に扱われる召使い」は、ちょっとひかえめさが足りないかな、と。
アルフレッドのせいではないんですけどね。

機転 5
主人からの問いかけに、いちども平凡な返答をしない執事というのもめずらしい。
はじめに主人を持ち上げといて、あとでちくりと刺す会話に妙味あり。

献身 5
いわずもがなの父親代わり。
もしその父性愛を抜いたとしても、通常の「お屋敷の執事業務」に加えて、

・バットケイヴ(屋敷の地下にある洞窟。バットマンの秘密基地)の管理。
・バットマンが使う兵器や車(バットモービル)のメンテナンスや配置。
・通信機器を使っての情報収集

これだけの仕事量と責任を負うには、よほどの献身的精神がないと…。

主人からの愛情 5
こちらもいわずもがな。
アルフレッドは主人にとって、いちばん親しい友人。かけがえない家族。叱ってくれる理解者。

じつはロビンより、失ったら辛いんじゃないかと。

スタイル 5
典型的な「執事スタイル」のモーニング・スーツなんですけどね。
ここまで堂々と着こなされると、平凡を越えて威風を感じます。


 おまけ

Batman (Batman) (ペーパーバック)

イメージを拡大

ここはバットケイヴの中。
うしろにはバットマン・ファミリーのコスチュームがきちんと飾られて。

アルフレッドが整理陳列したのか。マメだな。
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