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執事たちの足音
『それゆけ、ジーヴス』 特製おめざの作り方
本日の召使 : ジーヴス(バーティ専用の執事)
心待ちにしていた国書刊行会のウッドハウス・コレクション第三弾、『それゆけ、ジーヴス』![](http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=shitujitachin-22&l=ur2&o=9)
読むのがもったいなくて、ちびちびページをめくろうと固く決心したはずだった。
自分の意思の弱さがニクイです。
でもこれからもジーヴスシリーズの刊行が続くそうなので、嬉しい限りです。
さて、今回注目したのは、
二日酔いに絶大な効果を現すというジーヴス特製のおめざです。
何てったってジーヴスの面接初日、この特製おめざを飲んだバーティに
「採用だ!」の一言を叫ばせたシロモノですからね。
いったいどんな飲み物なのでしょうか。
ジーヴス特製おめざの効能
「その朝はどんな命綱にだってすがり付きたい気分だった」
ひどい二日酔いに悩むバーティにジーヴスが差し出した“特製おめざ”
して、その効能は。
「小鳥は樹上にさえずり」というのがスゴイですね。
ちょっとイケないクスリが入っているんじゃないか、というくらい。
効き目はバッチリです。
ジーヴス説明によると、“特製おめざ”の中身は、
きっと、まだ隠された秘密のレシピがあるとは思うのですが
ちょっとここで、ウスターソースに注目してみましょう。
辛~い本場のウスター・ソース
『ヴィクトリア朝百貨事典』
の
【ウスター・ソース】の項目を見ますと、
ヴィクトリア朝時代において他に食卓用の瓶入りソースがなかったわけではないが、
「今もって食卓用のソースといえば、ウスター(シャー)・ソースであり、ウスター・ソースといえば、オレンジ色のラベルでお馴染のリー&ペリンズ社のウスター・ソース以外にないのである。」(太字はブログ筆者)
バーティ宅に置いてあったウスター・ソースが、
このリー&ペリンズ社のウスター・ソースである可能性は、高いですね。
そしてさらに、
「ウスター・ソースの瓶はあまり乱暴に振り回さない方がよいようだ。底にたまっていた香辛料のせいで、ときに舌を刺すほど辛い思いを味わわされるからだ。」(同上引用太字はブログ筆者)
先ほどのバーティが表現した特製おめざの味わい、
「火のついたトーチを持って咽喉をぐるぐると降りてくるような」というのは、
このウスター・ソースの「舌を刺すほどの辛さ」かもしれません。
(さらに赤唐辛子も入っているから、尚更です。)
さて、おそらく味の大部分を占めるであろうウスター・ソースの選定も決まったことですし、ここまで来たら…
あとは実際に作ってみたくなるじゃないですか!
それが人情ってものじゃないですか!
ジーヴス特製おめざの作り方
というわけで、ジーヴス特製おめざのレシピに詳しい記事を探してみました。
二日酔いと二日酔いに訊く飲み物についての深~い記述。英文です。
Remorse code【smh.com.au】
以上の記事から、
ジーヴス特製おめざレシピに関して書かれた部分を以下に引用してみましょう。
どうやら中身は、
胡椒、卵黄、トマト・ジュース、アンゴスチュラ・ビターズ、
ウスター・ソースのようです。(あ、あと赤唐辛子か。)
アンゴスチェラ・ビターズというのは、アルクによると、
「アンゴスチュラの皮から抽出した液を材料にした酒。
カクテルなどに入れて味を引き締めるのに用いられる」
…んー、アンゴスチェラの皮? 分からないのでさらに検索。
「南米産のアンゴスチュラの木の皮。
解熱薬としてまたカクテルなどに入れる苦み材として使われた」
なるほど、解熱薬として使われる成分でもあるなら、二日酔いにも効きそうだ。
さあ、準備はととのった! あとは作るだけだ!
と、その前に先ほどの英文記事の続きを読んでみたら…
…えー、つまり、
「ウスター・ソースは二日酔いでヒリヒリした胃には酷だし、
あなたに執事がいないのなら、複雑なレシピに従うのは難しいかも」
やっぱり、ジーヴスじゃないとダメなのかーっ!
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読むのがもったいなくて、ちびちびページをめくろうと固く決心したはずだった。
自分の意思の弱さがニクイです。
でもこれからもジーヴスシリーズの刊行が続くそうなので、嬉しい限りです。
さて、今回注目したのは、
二日酔いに絶大な効果を現すというジーヴス特製のおめざです。
何てったってジーヴスの面接初日、この特製おめざを飲んだバーティに
「採用だ!」の一言を叫ばせたシロモノですからね。
いったいどんな飲み物なのでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e0/d521b5058e0dfbf75897683f2b383cbf.png)
「その朝はどんな命綱にだってすがり付きたい気分だった」
ひどい二日酔いに悩むバーティにジーヴスが差し出した“特製おめざ”
して、その効能は。
僕はそいつを飲み干した。たちまち僕の脳天で誰かが爆弾を破裂させて火のついたトーチを持って咽喉をぐるぐると降りてくるような気分がして、そして次の瞬間突然全てが大丈夫になった。窓には陽光が射し入り、小鳥は樹上に囀(さえず)り、全般的に言って、希望の曙光が再び輝きを放っている。 『それゆけ、ジーヴス』国書刊行会2005年より引用(太字、カッコ内読み仮名はブログ筆者) |
「小鳥は樹上にさえずり」というのがスゴイですね。
ちょっとイケないクスリが入っているんじゃないか、というくらい。
効き目はバッチリです。
ジーヴス説明によると、“特製おめざ”の中身は、
「この色はウスターソース、滋養のため生卵が入っております。赤唐辛子は気分をしゃんとさせます。(後略)」 同上引用(下線、太字はブログ筆者) |
きっと、まだ隠された秘密のレシピがあるとは思うのですが
ちょっとここで、ウスターソースに注目してみましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e0/d521b5058e0dfbf75897683f2b383cbf.png)
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【ウスター・ソース】の項目を見ますと、
ヴィクトリア朝時代において他に食卓用の瓶入りソースがなかったわけではないが、
「今もって食卓用のソースといえば、ウスター(シャー)・ソースであり、ウスター・ソースといえば、オレンジ色のラベルでお馴染のリー&ペリンズ社のウスター・ソース以外にないのである。」(太字はブログ筆者)
バーティ宅に置いてあったウスター・ソースが、
このリー&ペリンズ社のウスター・ソースである可能性は、高いですね。
そしてさらに、
「ウスター・ソースの瓶はあまり乱暴に振り回さない方がよいようだ。底にたまっていた香辛料のせいで、ときに舌を刺すほど辛い思いを味わわされるからだ。」(同上引用太字はブログ筆者)
先ほどのバーティが表現した特製おめざの味わい、
「火のついたトーチを持って咽喉をぐるぐると降りてくるような」というのは、
このウスター・ソースの「舌を刺すほどの辛さ」かもしれません。
(さらに赤唐辛子も入っているから、尚更です。)
さて、おそらく味の大部分を占めるであろうウスター・ソースの選定も決まったことですし、ここまで来たら…
あとは実際に作ってみたくなるじゃないですか!
それが人情ってものじゃないですか!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e0/d521b5058e0dfbf75897683f2b383cbf.png)
というわけで、ジーヴス特製おめざのレシピに詳しい記事を探してみました。
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Remorse code【smh.com.au】
以上の記事から、
ジーヴス特製おめざレシピに関して書かれた部分を以下に引用してみましょう。
In fact, egg-based remedies are common, including the well-known prairie oyster: pepper, raw egg yolks, tomato juice, angostura bitters and Worcestershire sauce. This was the concoction that Jeeves the butler served to Bertie Wooster in P.G. Wodehouse's novels. (下線、太字はブログ筆者) |
どうやら中身は、
胡椒、卵黄、トマト・ジュース、アンゴスチュラ・ビターズ、
ウスター・ソースのようです。(あ、あと赤唐辛子か。)
アンゴスチェラ・ビターズというのは、アルクによると、
「アンゴスチュラの皮から抽出した液を材料にした酒。
カクテルなどに入れて味を引き締めるのに用いられる」
…んー、アンゴスチェラの皮? 分からないのでさらに検索。
「南米産のアンゴスチュラの木の皮。
解熱薬としてまたカクテルなどに入れる苦み材として使われた」
なるほど、解熱薬として使われる成分でもあるなら、二日酔いにも効きそうだ。
さあ、準備はととのった! あとは作るだけだ!
と、その前に先ほどの英文記事の続きを読んでみたら…
Worcestershire sauce seems a cruel thing to inflict on an irritated stomach and, unless you have a butler, following a complex recipe may be a challenge. (下線、太字はブログ筆者) |
…えー、つまり、
「ウスター・ソースは二日酔いでヒリヒリした胃には酷だし、
あなたに執事がいないのなら、複雑なレシピに従うのは難しいかも」
やっぱり、ジーヴスじゃないとダメなのかーっ!
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コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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ヤッター!!!
「それゆけ」は図書館に予約を入れてあるんだけど、ちっとも連絡が来ないのです。
はやく読みたいな~。
おめざは手に入りにくそうなレシピですね。
木の皮だって、、、いいとものノギジュースみたい。
ジーヴスシリーズは、
「ウースター家の掟」(2006年3月刊予定)
「でかした、ジーヴス」
と続くそうです。帯に書いてありました。やった!
図書館から早く連絡くるといいなぁ。
くろにゃんこさんのブログ、楽しみにしてるんですよ。UPしたらリンクさせてください!
あと、もうこうなったら、ぜひウッドハウスのカテゴリーを作ってください(笑)
口ひげを嬉々として剃り落とすジーヴスの姿を思い浮かべちゃいますね。
ご要望にお答えしてウッドハウスのカテゴリー、作りました。
いえ、前々から作ろうとは思っていたのです。
ジーヴスシリーズは続くようですし、ウッドハウス選集もこれから2、3とありますから。
膨大なウッドハウスの著作は、雲霞のごとくありますから、これからも翻訳¥に期待したいですね。
くろにゃんこさんの書評は、本当に面白い。
今まで興味が無かったジャンルの本でも、くろにゃんこさんの分かりやすくも奥が深い書評を読むと「読んでみようかな」とチャレンジしたくなります。
おかげで本屋や図書館の中で歩く通路が増えました。
くろにゃんこさんのブログはこちら。
「くろにゃんこの読書日記」
http://blog.goo.ne.jp/curonyanko
ジーヴス、最高ですねえ。
おめざは実際作るの無理そうですねえ。
もし、作れたら必須アイテムなのに(笑)
なんにせよ、3月配本予定の「ウースター家の掟」が楽しみです。
おめざの「材料」は判明しましたが、「分量」が分からないんですよねぇ、これが。
ま、だからこそ「特製レシピ」なのですけどね。
リー&ペリンズ社の本場ウスター・ソースが手に入ったら、作ろうと考えています。
わたしも「ウースター家の掟」心待ちにしています。
もうこうなったら、全作品を翻訳してくれないだろうか。国書刊行会さん。