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なおしのお薦め本(101)『これでいいのだ 怠けの哲学』

  クリエイト速読スクール文演第1期生の小川なおしさんから、お薦め本が届いています。

 

これでいいのだ 怠けの哲学
 

           トム・ホジキンソン著 小川敏子訳


 原題は『How to be idle』。怠けることについて、こんなに誠実に書いている本は他にないでしょう。しかも笑えます。

 一か所だけ引用します。(154ページから156ページ)

 〈僕は、世界を二種類に分けて考える。怠け者と、怠け者の敵。後者を「出たがり屋」と命名しよう。「出たがりや」は、ほかの人の人生に干渉せずにはおれない。想像力に欠け、ハードワーク、搾取、偽善は正しいと信じる。政治家、官僚に最適の人々。金持ちにもなれる。彼らは何か事を起こしたいと願う。だが「何か」の中身については気にしない。いったん何かを思いついたら、法律と新聞を利用して他者に無理強いする。あげくの果て、職をつくりだした、経費を節減した、消費を拡大した、株主のために利益を出したなどといって自分の行動を正当化する。

 「現状のままではいけない!」が彼らのモットーである。彼らは有限実行だ。摩天楼を築き、コールセンターをつくり、ダムや高速道路を建設する。それだけじゃない。人のプランに首をつっ込むのも大好きときている━━たとえば、古い納屋の窓を一インチ広げたいという計画案にいちゃもんをつけてくる。

 出たがり屋は自分で「実行する」だけでは飽きたらず、つねに僕たち哀れな怠け者をけしかける。何かしろ、と。何たるはた迷惑。

(中略)

 休みをとる者、一歩退いて世界を眺める者、怠惰な者、面倒くさがり屋、作家、詩人、音楽家。彼らは人生を生きるに値するためにおおいに貢献している。

 彼らは文化を創り出すが、ものごとの運営には関わりたがらない。インフラ部分の経営管理、病院の官僚政治、教育制度、地方議会、税の監査などには手を出そうとしない。理由? どうしようもなくつまらないからだ。彼らはほかの人の生きかたを変えようとするかわりに、自分自身の生きかたを変えることに専念する。

 怠けを正当化したい方、ぜひお読みください。   なおし   





                    
  ※クリエイト速読スクールHP 

 

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