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クリエイト速読スクールブログ
なおしのショートショート「鼓動」
小川なおしさんの紹介のために、もうひとつ。
こちらが『卒論はキェルケゴール。いまどきケイタイを持たない人……』などと紹介するより「作品」でと、ご本人了解の上の掲載と相成りました。
これから、なおしさんには「書評・お薦め本」をお願いしています。
鼓動
小川 なおし
彼女の心臓の音が聴きたかった。
Tシャツの上からそっと耳をあててみると、柔らかな肉の向こうから、ドクッドクッと響いてくる。耳に音として届いているのか、それとも震動として感じているのか、どちらかわからない。
どちらでもいい。ぼくは音楽を聞くときのように、ボーッと集中して、その音に入り込んでいった。ドクッドクッという音が規則正しく続いている。遥か遠くからやってきたような懐かしい響き。ふいに、彼女に対して、今までと違う気持ちが湧き起こってきた。
どのくらい時間が経ったのだろう。すっかり、われを忘れていた。ふと顔を上げると、彼女が不思議そうな目をして見おろしている。
「生で聴かしてくれない?」
何か言わなくてはと思ったのだが、自分でも予想のしない問いを発していた。返事を聞く間もなく、彼女のTシャツをたくし上げた。お椀状の乳房が、無防備にこちらを見ている。おっと今回はそういう気分ではない。耳をまた押しあてる。
Tシャツ越しの感触は、肌のぬくもりを暫し保っているため、ほのかで優しい暖かさであった。ところが、じかに皮膚に触れると全く違う。肉体が圧倒的に迫ってくるのだ。肉だけでなく、肌も産毛も自己主張を始めている。体温が、今の温度で伝わってくる。音も、確かに大きく聞こえてくる。
いつからか動き出したこの心臓は、いつかは力尽きるのだろう。でも、今この時は、勝手に動いてくれている。
「かわって」
聴かれることに飽きたのか、自分も聴きたくなったのか、今度は彼女が僕の胸に耳を当ててきた。
頭の重さを胸で感じている。ずいぶん長いこと聴くものだ。そうか、ぼくもそうだったのだろう。
ぼくはこの時の気持ちを口に出そうとした。けれど、思い浮かんだ言葉はみんな嘘っぽくて、仕方なく黙っていたのであった。 なおし
※小川なおしさんのサイン(花押)は「なおし」にしてみました。今後は、「なおし」だけとなります。は雨の中でもニッコリだからなおしさんぽいかなとつくってみました(goo絵文字が少ないというだけですが)。ちなみに、松田真澄の「真」は、この組み合わせにうっすらとした偽善性がある感じがして、まあふさわしいかなと。 真
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読んだ瞬間、携帯小説にもなれそうな作品だなと思ってしまいました(笑)
素敵なショートショートこれからも楽しみにしています!
「もりぞう」についで好きなのが「鼓動」です。この作品も1994年に書かれたものです。
なおしさん、受講生やスタッフの評判、いいですよ。スタッフもクワタさん以外、なおしさんの作品初めて読んだ人ばかりで、驚異をもって読まれています。
匿名さん、これからも、なおしワールド
楽しみにしてくださいね
「スタッフでない」人たちでこのブログが占拠されるようにならないかなーと。ただし、こちらが掲載をお願いしたいような文章で。
なおしさん、とりあえず書評バンバン書いてみてください。こちらで選択させてもらいますが。
面白い本ならなんでもOKです。漫画でも戯曲でも、俳句でも。また、雑誌からでも。
なおしさんが面白いと感じていることが重要です。
「スタッフでない人たちで…」というところを読んでやっと松田さんの意図がわかりました。
書いてみます。
書いてますか?
この前、トップとラスト書き直しされたところ、
トップがまだという気がします。
いきなり、そのことが当然という感じで始まるわけですが、それでいいのでしょうか?
制度に対するなおしさんの目のようなものが、それでいいのかなーという疑問が。
伝わりました? 分かっててしていること?
いまコメントを読みました。
私の文章に配慮が足りないということですね。書き直してその程度ということは、そういう目をしているということだと思います。ボツにしてください。
それよりも、このコメント欄を読む私以外の人々はさっぱり訳がわからないのではないかと、それが気になります。
なんか夜更かししてしまいました。
「コメント」は当事者に伝われば十分なのではないでしょうか?
なおかつ、どなたかが目にして関心を寄せてくれたらもっといいのでしょうが。
「コメント機能」は話し言葉でいきましょう。舌っ足らずでかまわないということで。
腹立つことも出てくるかもしれませんが、コラエテくださいね。こちらの読みが浅いと居直っといてください。基本的には。
一番のファンに、違いありませんから
腹立つことは、これからもないと思います。
文演の生徒の気持ちで書いていくつもりです。
無手勝流ですいませんが、この程度ならOKというものがあったら掲載してください。
お心づかい感謝します。
コメント機能は、なおしさんにとっての携帯メール
かもしれませんね
なんかサラリとしてます