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加藤秀行さん、第120回文學界新人賞受賞

 中3のときにSEG(エスイージー)で速読を受講し、文章演習講座第28期生でもある加藤秀行さんが、第120回文學界新人賞を受賞しました。

 5月7日発売の文學界6月号が、6月6日(土)まで書店に並んでいます。

 ぜひ手にとって、ご覧ください。

 文芸誌「文學界」の巻頭を飾る新人作家が受講生から誕生しました


 5月27日(水)、毎日新聞夕刊の文芸時評(田中和生執筆)のラスト7行↓です。

 「各誌で発表されている新人賞では、文學界新人賞受賞作の加藤秀行「サバイブ」(文學界)が、いくつか若者の必死の声を記録していると思った

  純文学の新人賞受賞を知って誰より喜んでくれるのは、1993年に文演をつくり、6年間文演を主宰してくれていた元編集者Kさんかもしれません

 

  加藤さん、おめでとうございます  



 ※追記:加藤さんは、2015年下期「シェア」・2016年下期「キャピタル」で、二度芥川賞候補となっています。




※加藤さんの2002年文演受講体験記です。

 国語の授業のかわりに

  加藤 秀行・19歳・東京大学教養学部文科Ⅱ類

   ものを書く、ということは子供のころから苦手だった。
 運動会の感想を書きなさい、と手渡された作文用紙。この紙をなんとかしなきゃ、とものすごくあせる。とりあえず小学生の僕は当日の朝の様子を書き出してみる。「朝、起きたらすごく晴れていて、ぼくはとてもよかったとおもいました」とてもよかったかどうかは別にどうでもいいや。つまりは紙がうまるかどうかだ。終わりはどうしよう。まあいいや、「運動会はとてもたのしかったです」うん、いいかんじだ。 どこかで見たことあるし、これでよさそうだ。

  弾き方を教えずにピアノを自由に弾きなさい、とは誰も言わない。そこには姿勢から始まり、手の置き方、動かし方、名曲の反復練習までありとあらゆる型にはまったピアノの演奏の練習がある。その上で初めて自己表現が成り立つ。「文章だって全く同じはず。なのに文章だけはなぜか最初から自由に書きなさい、と言われる。おかしな話ですよね」そう言われたときに、僕はすべてを納得した。

  才能がなかったわけじゃないのか。もしかしたら自分には文章を書く才能が他の人よりないのかもしれない、と悩んでいた時間を悔しく思った。

  文章の書き方を習えば、これまた出るわ出るわ。今までもやもやしていた、「文の書き方」を松田さんは一瞬でクリアにしていく。これほど知的に楽しい授業を、僕は他に受けたことはない。
 書き方とはつまり、読み方である。講座を受講した後、小林秀雄の「人形」を読んだ。書く作業の困難さを知っているからこそ、その文のあまりの無駄のなさにただ、驚くだけだった。国語の授業のかわりに「文演」を一律に中高生に教えたら、どれほどの文学者が出るのだろう、とも思った。

  この講座を受けて、文章への印象がガラリと変わった。書くことだけでなく、読むことにも一本、自分の中に太い幹ができた。折れ曲がることなく、これからさらにスクスクと成長していくと思う。いや、必ずさせる。いつかいっぱしの物書きになれたとき、執筆のきっかけは? と聞かれたら「クリエイト速読スクールの文章演習講座を受けた時からですかね」と大きな声で宣伝したいと思う。え、文演の感想ですか? そうですね、「文演はとてもたのしかったです」。


 体験記原文は、こちらです。      

           

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