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2015年体験記「それは本当にもったいないのだ」

     今年の体験記は、田上雪音さんにお願いしました。

  田上さんは、2012年9月からユーキャンの速読を55回受講し、そして2013年9月にクリエイトに入会した兼業主婦です。

   タイトルは本文から拾っています。文字の拡大や赤文字青文字などは、こちらの恣意的なものです。  


 それは本当にもったいないのだ  

                             田上 雪音

  今回私はクリエイト速読スクールで扱っている速読、文章演習講座、そして通信教育(ユーキャン)、という3種全てをコンプリートしたということで、体験記のお話を頂戴した。ここには能力も素晴らしく、かつ立派な肩書きもある方々がゴロゴロいるというのに、こんな路傍の石が声を掛けて頂けるとは恐縮なことである。そう思っていたら「アンケート(速読の受講10回ごとに提出するもの)に本音があるから」とのお言葉をいただいた。

   こちらはこれまでメールで提出していた「10回ごとアンケート」を読み返した際、我ながらあまりにキレキャラを披露していたことにガッカリし、やたらと昔を振り返って書き連ねるのはやめようと思った矢先であった。何がどう転ぶか分からないものではあるが、「速読」に興味のある人、文章演習講座を検討している人、クリエイトや通信教育ユーキャンの速読講座をスタートしたものの思うように結果が出ないと暗中模索をしている人、そして勉強法自体を探していたり「頭が良くなる」系のキーワードについ釣られてしまう人たちのご参考になれば幸いである。

  きっかけ】

 
速読に興味を持ったのは、「ものすごくやりたくないけど逃れられない業務」を何とかサクッと終わらせたいと思ったことがきっかけである。ああ、こんなつまらない(分からない)本なんてさっさと終えて、もっと楽しい本を読みたい! と、試験前のアホ学生のような思いから速読を調べ始めた。

 
私は何か新しいことを学ぶには直接習いにいくのが最も効率的だと思っている。そのため速読も本などによる自習ではなく、スクールを中心に探した。まずは速読そのものを検索し、次にスクールを探す。そのそれぞれの感想を読み、

  • 自演ではないのか?
  • 料金は幾らか?
  • 効果はどういったものか?
  • そもそも効果があったと書いてる人は元々自身の能力が高いだけではないのか?

   と、根暗く疑ぐり深い視点で数日間ひたすら探すなか、クリエイトのHPも見始めた。トップページの更新履歴がえらく少ないようだが大丈夫だろうか。過去に来ていた「たまたまスゴイ人」の出した結果や、大分昔に書かれたホメ上手の文章にすがっているんじゃなかろうか。とはいえまずは体験記があるのでそれを読む。

  
ところが最新のものから順に読もうとしたところ、司法試験や公認会計士といった、自分とは何の縁もない立派な資格に合格した人たちの文章がそこには立ち並んでいた。いや……あのー……私、そんなスゴイことは求めておりませんでして。

  
元来卑屈な性格のため、効果が曖昧であるスクールはもちろんだが、スゴ過ぎる所も検討対象から除外したくなる。だってそれって来た人の元々の頭がいいからついていけるって話じゃなくて? ダメ寄りの一般人の私がやって同じように出来るとは限らなくない? 第一ウソっぽくない? と。ところが中に一つ、異彩を放つタイトルを見つけた。

   アル中から私を救ったクリエイト

   ……
なにこの新興宗教チックなタイトル!

   
読み始めると、よくあるだらしない酒好き程度の「いわゆるアル中」ではなく、もはやアルコールで脳が変性してしまい、今断酒しなければ5年以内に死にますよ宣告をされてしまった相当深刻な状況の人の体験記であった。

  
おおおおおっ!萎えた興味が一瞬にして湧き始めた。読み進めるにつれ、感心するというより私は感動をおぼえた。一時は九九もおぼつかなくなり、名前すら書けなくなったような人が、こんなにも破綻なく整然とした文章を書き、数々の資格を取得していっている。つまり機能回復だけでなく新しいことにも挑戦し、成功しているのだ。

  
前職で脳疾患の後のリハビリに携わっていたことがある。普段意識に上ることさえなく出来ていたような動作を、大の大人がイチからやり直さねばならない苦痛や悔しさ。恐らく働き盛りと思われる年齢のその人が、こんなにもひどい状態から取り組んだことはどれほど辛い格闘であっただろうか。それなのにここにはサラッと楽しかった、と書いてあるではないか!

  
これなら自分も何とかなるかもしれない。どれだけアホで移り気で、仮に気づかぬうちに若干脳が萎縮していたとしても(アルツハイマー家系なのでちょっと心配)、さすがに日常生活にまだ支障はきたしていないのだから、そんなに激しくは変性していないだろう。そもそもこんな状態の人が頑張ったというのに、自分のドン臭さは生まれつきだなどと言って逃げている場合ではない。どうやら彼は速読だけでなく、文章演習講座というものも受けたらしい。そうか、それでこんなに読みやすい文章を書いているのか。当初の目的もコロッと忘れて文章演習講座(以下文演とする)に心は傾き始めていた。

  
いいんじゃない? ここ。と期待を込めて更に(興味の湧かなかったスゴい人たちの)体験記を読み進めると、司法試験などに受かった人たちも決して最初から賢かった人たちばかりではないと知る。そしてブログも発見した。しかしこちらは全く意味が分からなかった。なんの数字を羅列しているのか、ブログで新規顧客を呼び込もうとは思っていないのか(→思っていなかった。受講生向けだった)とはいえ、当時でさえもう数年間かなり頻繁に更新を続けていたのだから、それなりに実績はあるはずだ。仮に嘘だとしても、これだけ毎日のように虚構の内容をアップしているのであれば、その執念にそれはそれで敬意を表そう。

  
こうして講座の案内を読み始めると、文演は速読を受講している人しか参加できないことを知る。よしよし、それならやはりひとまずは速読で通おう。と、教室へのアクセスを確認した途端、悲劇が。クリエイトって池袋にしかない!池袋? 池袋だけ? よりによって都内で池袋だけって!? 当時関西在住であった私にとって、池袋はどうあがいても通うことができない場所であった。

   【通信教育を受ける】

  
仕方ない。だいぶテンションは落ちたが通信教育でいこう。嫌なんだよ、自習は苦手なんだよ。やりきれるのかなあ、やりきれなかったら自己嫌悪に陥って余計悲しくなるよ……という、やる気はあるのに激しくネガティブなスタートを切った。

  
ムダにはすまいとトレーニングの予定を予めスケジュールに入れこみ、3か月分ザックリと時間の確保をした。しかし、実は単なる時間の確保だけでは足りなかったのである。説明は読んでいるので字面上は理解して電話の電源オフなどもしていたのだが、本当に必要なのは「集中できる時間」だったのである。

  
我が家には猫がいる。トレーニングを邪魔されないよう事前に餌をやり、電話も切った。しかし、両手でシートを持てば、ワザワザその腕を枕に寝にくるもの、「今すぐ撫でなきゃこの壁で爪をとぐ」と目の座った顔つきでこちらをチラ見をするもの等、それらが思い思いに波状攻撃を仕掛けてきたのである。一体何を察知しているのか。兎にも角にも最初の段階のトレーニング全てをそんな惨憺たる状態で終了してしまい、1分間の読字数も初速よりも下がるという惨敗っぷりであった(ただし、これはよくあることらしい)。

  
だめだ、このままでは無意味な状態で終えることになる。心機一転、次の段階からは仕事場で終業後にそのままトレーニングを行うことにし(出来る環境であった)、これは成功した。これでようやく場は整ったが、今回体験記を書くにあたり、かつて提出した内容物を再読して幾つかの敗因に気がついた。

  • 自分の選んだ倍速読書トレーニング用の本が悪く(悪い=トレーニングをしづらい)、準備した冊数も少なかった(読み方をセーブしてしまう)
  • 市販の本を使うため倍速読書をトレーニングと割り切れず、つい「本をちょっと急いで読む」程度にしか出来ていなかった(理解していなかった)
  • 質問をし、アドバイスもちゃんと頂いているが、それを実行できていなかった(当時はやっていたつもり、でも今振り返るとその内容を理解していなかったことに気づいた)

   要は言われた通りにやっていなかったのである。もしいま通信教育でなかなかスコアが上がらないと悩んでいる人があれば、指示された通りに行っているかを各トレーニング毎に細かく点検するといい。また、上手くできないのは何故かと当時散々悩んでいたが、もっとオンラインを活用して、きちんと腑に落ちるまで質問をすればよかったと反省している。後半のトレーニングになるほど1回に掛かる時間が長くなるため、なかなか思うように時間をとれず、終了までに4か月ほど掛かった。その結果1分間の読字数は初回1,840字/分→最終6,923字/分となった。

   【教室へ通う】

 
その後我が家に転機が訪れる。夫の仕事に合わせ、関東に戻ることにしたのである。戻るにあたり、クリエイトに通うことは自分の中での当然やることリストの一つに含まれていた。だって文演受けたいし、読むスピードももっと上げたいし!

  
実際に教室に通いだすと、通信教育との違いを幾つか感じた。語弊がないようにしたいが、教材自体は全く一緒だし、やること自体もほぼ変わらない。教材の紙質はユーキャンの方がいいものさえある。初めて教室で受講したとき、私の冊子お譲りしましょうか? と一瞬思ったくらいである。更に言うなら提出物の返信を書いて下さっていた講師の方たちも一緒であり、場所が違えどもほぼ同じトレーニングをしていたことに気づいた。そのうえで私の感じた違いを述べると、大別して二つある。これは通える人は最初から教室に行ったほうが絶対的に伸びやすいし面白いですよ、とオススメする理由でもある。

    1.トレーニングだけに集中でき、かつ飽きずに臨める
 
通信教育の頃は「次の制限時間は何分何秒か」「冊子はどれだ」などと一人バタバタしながら準備をしていた。元々集中力が低いこともあり、いつも出足は落ち着かない状態で臨むことが多かったのだが、その頃と比べると都度、内容に落ち着いて臨める度合が雲泥の差なのだ。

  
また、講師の方々は受講生の成長度合いに応じて内容をカスタマイズしてくださる。シート訓練には単調さを感じやすかったのだが、教室でのそれは他の受講生と競争するなども含めバリエーションに富んでいる。こういったことは一人で行う通信教育では展開出来なかったが、当時楽しさを見出しにくかったシート訓練も今では「もっと!」と前のめりで行っている。

  
また、倍速で使用する本が豊富で、小説・ビジネス書を問わず新刊が次々と入っているのも嬉しい。気になっていた本をクリエイトで発見することは多々あり、どんな本を選べばいいのか悩みながら書店をうろついていた私からすると、単純に面白そうな本と出合うという楽しさ自体も通うモチベーションの一つとなっている。

    2.図抜けた人たちを見られる
 
そして決定的な差と考えているのは、他の受講生を直接見られることである。

  
どれだけブログや紹介文にすごい話やスコアが載っていても、それらがどんな速さで行われているのかを実際に目にしなければ疑心暗鬼でいっぱいになってしまうのだ。本当にこんなスコアって出るの? なんか上乗せしてない? と自分が不出来なことを棚に上げ、つい疑ってしまうのである。

  
ところが教室に行くと、そんな疑いが一気に吹き飛ぶ。こちらからしたらまだ序盤ほどの短い時間で同じ訓練を終了してしまう人がいたり、ペラッペラと秒速でページをめくっていくような人たちがそこにはいたのである。初めてその姿を目にしたときは思わず「先生、一人パラパラ漫画見てる人がいます!」と言いつけたくなったほどである。おそらく知らない人が見れば図表でも探しているのかと思うような速さであろう。

 
  しかもブログにはそんな超人たちの、とても、とても普通だった最初の頃のスコアが載っている。つまり普通の人が続けた結果であることが分かるのである。それがなければ単純に「頭がいい人って色々全体的にどうかしてるんだな」と自分と切り離して終わりだろうが、粘れば全スコアとは言わないまでも、到達可能であることに励まされるのである。

 
 トレーニングに臨む際に意識すべきは、これまでの自分のスコアを少しでも上回ること。しかしハイレベルな結果を出している人を間近に目にすることで、自分だけではかけきれない負荷をその姿から得られる。速い人が側にいるときは気を取られつつも、ペースランナーと仮定してついていこうとしており、そういうときはやはりスコアが上がることが多い。受講85回目の読字数は16,100字/分となり、倍速後の分間読字数が(一つの節目と考えていた)10,000字を超えるようになっている。

  
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文字数の関係で2回に分けての掲載になります。

 

 後半は、次回のアップとなります    

  



 

         ※クリエイト速読スクールHP

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傑作 (小川)
2015-06-29 11:28:11
松田さん、凄いですね。この文章。
かゆいところを丁寧にかいてくれているような。かきすぎのところもありますけど。

さて。
下から二行目の《10,000字を超えるるようになっている》なのですけど、こそっと直しておいてください。

最近、空猫さんのコメントがなく、私のコメントが続いています。ちょっと芳しくないので、私のは載せない方がいいと思います。
ではまた。
 
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