あわれな馬鹿者よ
あなたが吐いてきた嘘が
山のようにつもり
あなたの魂の骨を
ぎしぎしとつぶしていることに
あなたは気づかないのか
逃げることはできぬ自分から
逃げようともがき
嘘で作り上げたきれいな自分を
かぶって生きている
そのことがあなたの魂を
きついほど締め上げていることに
あなたは気づかないのか
あなたの人生の舞台を見る
観客席の中から神が去っていっても
あなたはまだその嘘芝居を続けている
いやだからだ
本当の自分がいやでたまらないからだ
それは嘘をついて醜いことばかりしている
いやなやつだからだ
だからまた嘘をつく
いつまでやっているつもりなのか
芝居を続けていれば
何かの奇跡が起こって
嘘が本当になるとでも思っているのか
情けない馬鹿者よ
すべての愛が
あなたから去っていっても
ただひとり去っていかないものがいる
それが自分自身だ
その自分自身をさえ
あなたはだまそうとするのか
もうやめなさい
嘘をついて自分をごまかすのは
そんなことばかりしているから
あなたは自分の最も大事なところを
壊してしまうのだ
無明の霧の中に
逃げようとする自分の心を
自分で引き留め
本当の自分に帰りなさい
何もかもを失っても
それだけは失うことはない
ただひとりの自分の元に
帰ってきなさい