「Kちゃん、聞いてる?」
「うんうん、いいねえ、Kちゃん、その調子」
Kちゃんは、私からそんな風に声をかけられると、ちょっとはにかんだ様子で横目で?ちらっと私を見て、ぎゅっと口を閉じたままで、口角を上げて笑顔を見せてくれました。
Kちゃんのママと初めてお目にかかったのは、新横浜のホテルのロビーでした。お仕事でお忙しく、日中に十分な時間のとれないKちゃんママ。当時の私は「仕方がないなあ・・・」という感覚を持ったまま、多忙を極めるママに押し切られる形で面談をしたのでした
幼児教室マナーズ開校から、まだ数年。まだまだワーキングマザーの小学校受験志向は珍しく、私もクラス設定は水曜日のみ。今からは想像も出来ませんが、お仕事を持つママ達に「辛口の意見を持ち、理解を示そうとしていない私」でね
そんな私に、Kちゃんママは、「先生のもとで、是非ぜひ親子で準備をしたいのですどうぞ、願いを叶えてください仕事を持つ母親達のために、土曜日にクラスを作ってください」と必死に訴えられました。
あの時、Kちゃんママが「仕事を持つママに好意的じゃない先生なんて、願い下げだ」と食い下がってくださらなかったら・・・今の幼児教室マナーズはなかったでしょう。
Kちゃんママがワーキングマザーの先駆者で、その年はKちゃんママの他に2人、フルタイムでお仕事をするママ達からのお問い合わせがあり、その方々のために、土曜日クラスを開講したのでした
そんなKちゃんは、立派なドクターとなり・・・先月、12月に大学当時からお付き合いをされていた方とご結婚 ママ同様、多忙を極めるKちゃんと、同じくドクターのダンナ様は、現在、別居結婚中で、春にはお互いの新しい職場の中間点に新居を構えるのだそうです
「私は小中高とあの学校に通っていなかったら、医者になろうということも考えなかっただろうし、幸せな学校生活もなかったと思う・・・幸せな学校生活だった」と、結婚の前、あらためてご両親に話されたというKちゃん。そのお話をお聞きし、私は本当に良かったなあ、とマナーズ時代のKちゃんのことを思い出しました
Kちゃんの成長過程では、Kちゃんママもいろいろな悩みを持たれ、決して順風満帆だったわけではありません。今の時代、男女共に「結婚すること」がゴールでもなく、mustのことでもありません。それぞれの思いに基づき、それぞれの価値観の中で自分にとって「最善の道」と思われる道を模索し、進み、時には軌道修正をする・・・それが現代の生き方だと思います。
でも とにかく私は、マナーズを巣立たれたお子様達が、「ああ幸せだな」と思える人生を歩んで欲しい、と切に切に願っています
Kちゃん、ご結婚、おめでとう