トルコで大きな地震がありました
距離的にも遠いですし、「あんまり馴染みのない国だな・・・でも、お気の毒」という感覚の方が多いでしょうか。
コロナ禍になって、すっかり「外国への旅行」ということが身近なことではなくなりましたね。コロナ前は、あんなに「えっ?どこ・・・どちらにいらしたのです?」と聞き返さないといけないほど、メジャーではない国や地域にも出かけていたのに、です
例えば・・・コロナが始まる前の2年ほど、私はよく「クロアチアに行ってきたんですよ」というお話を聞いていたものです。元ユーゴスラビアの1国。世界地図を見て「ここです」とすぐに指で指すことの出来る人は稀だと思う国ですが、当時は、すでにフランスやドイツ、イタリアに慣れ親しんだ海外旅行愛好家にとっては、新しいブームになろうとしていた国だったと思います。
おっと、話しが脱線してしまいました。「トルコ」です
じつは、もしコロナの流行がなかったら、すでに私は2度目のトルコを経験していたはず・・・です。
2019年の5月、初めてトルコを訪れ、すっかり歴史や文化に魅了された私は、トルコの大ファンになっていたのでした。
1度目は、オーソドックスなコースということで、イスタンブール市内、トロイ遺跡、エフェソス遺跡、コンヤ、カッパドキア・・・と巡りました。次回は、もっとゆっくりと時間をかけてイスタンブールの市内を歩くこと、そして、シリア国境に近いガズィアンテップでローマ時代の精巧なモザイクを見たり、ガズィアンテップ周辺が産地のピスタチオをたっぷり使ったお菓子を食べたり・・・イラン国境に近いヴァン湖も訪れてみたいそんなことを夢見ていたのでした。
今回の地震の震源地は、まさにそのカズィアンテップから、それほど遠くはない地域でした。
被害の大きいシリア北部には、有名な古代都市アレッポもあります。
広範囲にわたる大きな地震で、死者や被災者は膨大です。まずは、そこに一番に目を向けるべきですその通りです。
しかし、ユネスコもすでに発表している通り、トルコ南東部にある世界遺産、古代ローマの遺跡「ディヤルバクル城塞とヘヴセル庭園の文化的景観」の複数の建物の壁が崩落。このほか、古代遺跡「ギョベクリ・テペ」など3つの世界遺産で被害が出た可能性があるらしい、とのことです。
シリアでは危機遺産に登録されている古代都市アレッポで、城塞や塔、スーク(市場)の建物で崩落。アレッポはシルクロードの歴史を刻む商都でありながら、シリアの内戦で2013年、危機遺産に指定されています。
阪神・淡路大震災の時も、東日本大震災の時も、私は亡くなった方々のことや、被災された方々のことにしか目が行きませんでした。しかし、今回、偶然にもつい数日前に「ガズィアンテップ」のことを考え、ゼウグマモザイク博物館を訪れることや、画像でしか見たことのないピスタチオで出来たお菓子「バクラバ」や、朝食に食べられるという「カトゥメル」のことを考え、一人でニマニマしていたのでした。その直後に地震が起き・・・今までよりも、もう少し広い思いを持ちながら、毎日のニュースを一生懸命に聞いています