唐突ですが・・・ 私の住むマンションは、オートロックのマンションです なので、自分が出かける時、自宅のカギをかける必要がなく「いってきまーす!」と外出をし、帰宅した時には自分で鍵を開けなければならない状況だった場合・・・鍵を手元に持っていることが必須です
要するに、自分の鍵で施錠せずに出かけ、鍵を持っていなかったら、家を(マンションの玄関を)開けてくれる人が中にいなければ、マンションの中にも、自分の家にも入れない・・・ まっ、こんなに詳しく書かなくても、多くのマンション住まいの方はニマニマと「わかってるよ~」とおっしゃることでしょう。でもね、今日のお話は「私が鍵を忘れて、家に入れなかった」という話題ではありません
つい先日、こんなことがありました。
私が帰宅すると、マンションの玄関の踊り場のところに女性が立っていました。戸数の少ないマンションではありますが、なかなか住人の方すべてを把握するということは難しく・・・私は、その方が住人なのか、はたまたどこかのお宅を訪ねられるお客様なのか、わかりませんでした。
私が「こんにちは」と挨拶をして、鍵をバッグから出していると、「すみません、私、鍵を持って出るのを忘れて、中に入れないのです 一緒に中まで入って良いですか?」と声をかけられました。
私は「はいもちろんです」と応じ、一緒にマンションのロビースペースに入りました。でもね、彼女はそこまでは入れても、鍵がない限り、ご自分の家には入れない
それに、古いマンションなので、ロビースペースには暖房は入っていなくて、凍えるほど寒いのです 私は、頭の中でクルクルと考えました。「私の家にお誘いをすべきか?それとも、何か他に・・・?」でもー、即座には良い方法は思い当たらず・・・やっとこう言いました。
「ここはとっても寒いですよ」と。何だか、空虚な意味のない言葉が、ロビースペースに響きました 私は自分が情けなく、上手に言えませんが、何だか恥ずかしく・・・
すると、その方はすぐに「いえ、大丈夫ですもう、すぐに帰ってくる頃ですから。ありがとうございます」とおっしゃいました。
私は、そうですか?本当に大丈夫ですか?と、またまたバカみたいな言葉を発し、会釈をして、エレベーターに乗りました。私は、鍵で自分の家の玄関ドアを開け、中に入り、うがいをして、手を洗いながら思いました。「あそこは寒い・・・たとえ5分であろうと、10分であろうと、あそこのソファに座っているだけで体は冷え切ってしまうよな・・・」着替えをしながらも考えました。「そうだ、大きめのひざ掛けを持って行こう。名乗ったりしたら、向こうだって名乗らないといけなくなるから、ひざ掛けを紙袋に入れて、部屋番号だけを書いたカードを手に持って、紙袋を手渡す時に、そのカードを見せながら『使い終わられたら、この部屋の玄関に掛けておいてください!』って言えば良いよね」
とても名案に思えました。
そして、私はクローゼットを開けて大きめのひざ掛けを引っぱり出し、大きめの紙袋を探し、カード状のメモに部屋番号を大きく書いて・・・マスクをして、エレベーターに乗りました。その方と別れてから、10分強の時間が経過していました。
ロビースペースに着くと、さっきの女性はもういませんでした。
本当に、すぐにご家族が帰ってこられたのでしょうね 本当に良かった~と思いました。ロビースペースでの時間は10分弱?だったかもしれませんが、私がマンションの玄関に着くまで、あの人は30分以上待っていらしたかもしれませんものね。私がマンションに帰ったのは、管理人さんの就業時間が過ぎて、ちょうど30分だったので。
私は、本当に安心して、家に戻りました でもね、家に帰った後、クローゼットにひざ掛けを片付けながら、あらためて考えました・・・「ご家族がすぐに帰っていらして良かった そして、このひざ掛けを使う必要がなくて良かった、のかも・・・こういうことって、親切なのか、お節介なのか、私にはわからないな・・・」と。
お節介と親切は、紙一重、な気がします。
とは言え、歳をとってきた私は、あまりいろいろと深読みをし過ぎずに、人に対して「こうしよう、こうしてあげよう」と思った時には、きちんと言葉を尽くして自分の思いを話し、実行に移そう、実行しよう、と思っています お節介に受け取られた時には、要らぬオバサンのお節介でした、と心から詫びれば良いのだから、と。それでも、やっぱり、考えますね・・・