☆GREEN HEART☆

漫画と本と国府津があれば生きていけるかもしれない「ことは」のブログ。
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五條 瑛 さん 『断鎖(Escape)』読破。

2006-02-26 | 五條瑛
めちゃくちゃ不親切な感想になってます。

五條瑛さん『断鎖(Escape)』とは
「革命を起こさないか、この国に」
自分から自由を奪う両親を憎み、家出を繰り返していた少年「亮司」
仕事を点々とする中、やがて手にとった仕事は、パスポートを用意し、密航者に日本人教育を施し、密航させるというものだった。
あふれかえる中国人、自分を精神的に縛る両親、憧れ、殺し合い、信頼、裏切り。。。「密航」を巡るさまざまな事情を知る中で、主人公はやがて成長を遂げていく。。

話が複雑すぎて一言では説明できないということが判明しました。これから書く感想も、読んでない人には本当に意味不明だと思います。。。

様々な人間の思惑と「密航」が絡まって、それぞれ自分の利益を追求しつつも、故郷である中国という国から、完全に離れることができない・・という印象を受けました。結局皆過去を清算することはできないし、自分を縛るものが完全になくなることはない。「自由は求めてはいけない。諦めることが自由への道」と語られてます。

主人公の悪人になりきれない素直さとか優しさが良かった。
それでもただ甘いのではなく、守ると決めた約束のためには、引き金を引くことをためらわないっていうのもまた良かった。
散りばめられたピースが次々とつながっていく感じが好きでした。

石田衣良さんの『池袋ウエストゲートパーク』が好きな人は、この本も面白く読めると思います。主人公の性格とか社会の黒い部分とか、なんとなくかもし出すものは似てる気がします。
とにかくずっと前から読みたくて探してたので、読めただけで大満足。
この本を第一弾とする革命シリーズは全10巻完結予定ということですが。
長い道のりになりそう。。。

2006年9月一部訂正;