よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

F・F外伝エカテリーナ編その17

2010-08-30 17:08:16 | ブログ

ぴろろろろ…
おもちゃの携帯電話がなる。りーたが持っていた物だ。
「もしもーし。りーたちゃんですよー」
何やら話しこんでいる。迷い込んだ異世界で苦もなく陽気に振る舞う幼女に唖然とするエカテリーナ。
頭の中にお花畑でも広がってそうな会話に違和感だけが、実感できた。
「もう、しょーがないなーくーちゃんはー。りーたちゃんがいないと何もできないんだからぁ~」
ぷくぅと頬をふくらますりーた。

Fsep17

どうやら電話口にいるのは妹らしい…。
「じゃあ、くーちゃんがさびしーって泣いてるからりーたちゃん帰るね~」
間延びした声と共に掻き消えるりーた。
呆然とするエカテリーナ。
まさか、さっきまでいたのが12番の化獣で、電話の先にいたのが13番の化獣だとは夢にも思っていなかった。
最強と言われる化獣達にしてはイメージがマヌケすぎるからだ。


F・F外伝エカテリーナ編その16

2010-08-30 17:05:47 | ブログ

「じゃあ、この状況をなんとかせぇ…」
エカテリーナは適当にあしらうつもりでなげやりに言ったつもりだった。だが…
「まいどー!30円になります」
りーたは真剣に受け止めた。
「釣りはいらん、とっとけ」と鏡からガラス玉を作り出し、彼女にわたす。
「じゃー、これがしょーひんになりまーす」
りーたはその辺の土から泥団子を作り出し、エカテリーナに手渡した。
「な、なんじゃ、これは…」
渡されたのはただの泥団子のはず…。だが、とてつもないパワーを感じだ。
「なんとかせー玉になります」
りーたはとってつけたようなネーミングで商品名を言った。
だが、なぜか子供のお遊びのようなこの泥団子が他の何よりも頼もしく感じた。


F・F外伝エカテリーナ編その15

2010-08-30 17:03:39 | ブログ

幼女は辺りをキョロキョロしだした。
そして、エカテリーナを確認すると、近づいてきた。
「いらっしゃいませぇー」
いきなり訳のわからないことを言い出す。
「な、なんじゃ、お前は?」
「りーたちゃんだよ~いらっしゃいませぇ~」
りーたと名乗る幼女はニカッっと笑った。
怪しく、不思議な童女。だが、イフェメラは彼女を恐れてか近づこうとしない。
「何者じゃ?」
「りーたちゃんだってば~。2年後からきたの~。お店屋さんだよ~。だから、何か買って」
どうやら、ごっこ遊びをしているようだ。彼女の話が本当なら時間旅行でもしてきたというのだろうか?


F・F外伝エカテリーナ編その14

2010-08-30 17:01:48 | ブログ

どうすればよいのじゃ…
エカテリーナが考えあぐねていると
「あれ~?ここどこだろ~?」
という間延びしたちょっと抜けた感じのする声が響いている。
「な、なんじゃ?」
エカテリーナは幼女の姿を確認する。いや、ほとんど赤ん坊といってもいいくらいの年格好だ。おそらく、一歳か二歳といったところか…。
「だいじょーぶ!りーたちゃんはおねーちゃんだからだいじょーぶ!」
独り言を言っている。
この幼女の事で解るのはこの子はエカテリーナの様に扉に引き込まれたわけではなく、突然、現れたということ。つまり、ティアグラの世界に易々と入ってこれる程、強大な力を持っているということだ。


F・F外伝エカテリーナ編その13

2010-08-30 16:59:38 | ブログ

合わせ鏡の秘術…。フリーアローラの力を使えるエカテリーナは襲いかかってくるイフェメラが牙を突き立ててもガラスが割れるように実体をぼやかし猛攻をかわしていった。
が、エカテリーナの異能反転もイフェメラのスピードが速すぎて捕らえきれない。
捕らえたと思ってもかげろうのようにゆらめきやはり実体を認識できない。
一進一退の攻防が続いた。
こんなやつが八匹もおるというのか…
エカテリーナは自分と互角の力を持つものがこんなにも自分を脅かすと初めて知った。
そして、自ら、距離を取り、鏡を通して、フリーアローラと対策を練ることにした。
が、フリーアローラは現れない。
名無しの花畑も消えてしまった。
そう、ここは、ティアグラの世界。フリーアローラの力はかなり制限されているのだ。


F・F外伝エカテリーナ編その12

2010-08-30 16:57:31 | ブログ

「皆、自分に追いつかれるのを恐れているんだ…」
少年はそう答えた。
「自分に追いつかれる?どういう意味じゃ?」
「八舞(やまい)のイフェメラだよ。知らないのお姉ちゃん?」
聞けば、この迷い込んだ世界(小世界)は八舞という八体の怪物が人々を脅かしているという。
イフェメラはその中の一体で、噛みついた者の影を切り離すという…。
そして、影は、噛みつかれた者と同じ姿となって、追ってくるという。
影に追いつかれた者は消滅し、影は、怪物の姿になってイフェメラに使える忠実な下僕と化すという…。
ドッペルゲンガーのようなものを作り出す能力だろうか…。


F・F外伝エカテリーナ編その11

2010-08-30 16:52:33 | ブログ

「ここはどこじゃ?」
村人に訪ねてまわるエカテリーナ。
どの村人も怯えて答えなかった。
まるで、何かから隠れているようだった。
それでも根気よく村人に声をかけ続けたエカテリーナはどうにか答えてくれる村人を見つけることができた。
よく見ると、その村人にはちゃんと影があった。
怯えている人間には皆、影がなかった。


F・F外伝エカテリーナ編その10

2010-08-30 16:51:15 | ブログ

不覚にも一瞬気を失ってしまった。
次に、エカテリーナが目を覚ました時、あたりはかなりの濃霧に包まれていた。一寸先は闇ではなく、霧だった。
だが、ここは、風の星、ウェントスとは別の場所のようだった。
エカテリーナはフリーアローラの名無しのかけら…、光の花畑を展開した。特殊な光により霧が晴れていく…。
目の前には村らしき光景が広がってきた。


F・F外伝エカテリーナ編その8

2010-08-30 16:47:38 | ブログ

普通の人間なら即死の一撃…。だが、彼女はムクリと起き上った。
首が180度曲がっていたがすぐに元に戻った。
「もののけか?そなたは…」
「死にたいの私…」
「死にたがりめ…胸糞悪いわ!」
息一つ乱さず凄まじい斬撃を繰り出すクリスティナ。
だが、エカテリーナにとっては大したことではなかった。
首をはねる。が、クリスティナは首を拾って定位置に戻す。
「褒めてつかわす、人間!妾に力を使わせるとはな!」
鏡が出現する。
異能反転(いのうはんてん)…鏡に映った者の能力を反転させる力だ。
鏡に映れば、不死の身体はたちまち死の身体となる。


F・F外伝エカテリーナ編その7

2010-08-30 16:45:32 | ブログ

「その方、名は何と申すのじゃ?」
エカテリーナは城を抜け出して身分を隠し(ているつもりで)、人々が暮す町へと繰り出していた。
そこで、目が虚ろな町の人間とは思えない少女に出会い、話しかけてみたのだ。
「クリスティナ…」
「そうか、で、何をしておるのじゃ?」
「お願い…一緒に死んで…」
「??何じゃいきなり?いかれておるのかそなたは?」
首をかしげるエカテリーナにクリスティナはいきなり切りかかってきた。

Fsep07

「何をする?無礼な!!」
「お願い…死んで…」
「たわけめがぁ!!」
あっという間にクリスティナをねじ伏せるエカテリーナ。


F・F外伝エカテリーナ編その6

2010-08-30 16:42:57 | ブログ

リアルワールド…この世界は化獣、神御、亜空魔が頂点に君臨する…。
だが、ティアグラの所有する世界では別の存在が頂点として君臨しているのだ…。
不可侵とされている場所…それが、八三間だった。
そして、八三間の入り口は突然、冒険者達の前に出現し、彼らを異世界へと運んでしまう…。
それが、四連星において、そこを支配する絶対者以上に恐れられている狭間への扉だった。
エカテリーナは慢心からその恐ろしさを理解していなかった。


F・F外伝エカテリーナ編その5

2010-08-30 16:41:09 | ブログ

ティアグラ…1番の化獣…
7番の化獣ルフォスと13番の化獣クアンスティータと共に三大化獣に数えられる過去を司る化獣…。
圧倒的な力を誇っていたが、神話の時代、ルフォスと覇権をめぐり争い、その隙をついて、神御(かみ)と亜空魔(あくま)の連合軍により、残った2番から6番と8番、9番の化獣が倒され、ティアグラはルフォスとの相討ちにより化獣は滅びたとされている。
その時、ティアグラの所有していた世界は83の小世界に裂かれたとされている。
83の小世界、八三間(はざま)…。それは、ティアグラが所有していた世界のなれの果てだった。
83に分かれてもその1つ1つに強大な力を持つ怪物、いわゆるボスキャラが存在していた。


F・F外伝エカテリーナ編その4

2010-08-30 16:39:28 | ブログ

エカテリーナの使う、フリーアローラの力…それはまるで、光の花畑にも見えるキラキラしたものにあった。
その正体は【名無し】と呼ばれる怪物達であった。
尋常ではない力を持つ名無しは名前を持たないが故に存在することが出来なかった。
フリーアローラはその名無しに名前を与えることで、忠実な下僕として出現させることが出来るのだ。
加護を受けるエカテリーナも同様のことが出来た。
フリーアローラより格上である1番の化獣ティアグラ…。
そのティアグラの所有する83に分かれた世界、八三間(はざま)の領域を侵さない限り、彼女に敵はいなかった。


F・F外伝エカテリーナ編その3

2010-08-30 16:37:28 | ブログ

「平和なのは良いことよ。…テララかイグニスには救世主という者が現れてしまうかもしれないらしいし…」
テララの支配者ルゥオとイグニスの支配者ジェンドからその事を聞かされていたアナスタシアはいつか自分も救世主に命を狙われるかもしれないと不安で仕方がなかった。
「何じゃ、救世主じゃと?面白い、その様な者、妾が蹴散らしてくれようぞ」
エカテリーナはいつも自信たっぷりだった。
化獣の力を使う彼女は四連星の支配者達より飛びぬけていた。冒険者達がウェントスを指して不可能と呼ぶのもエカテリーナを示していた。