<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

中国の会社って、ココがスゴイ!?

2011-04-27 | 中国ビジネス
今日で北京での仕事も3日目。
明日は天津で、ようやく上海戻りとなる。

今日は北京の企業・団体を3社、訪問した。
北京は市域が広いうえに渋滞も酷いので、一日に訪問できる件数はせいぜい3~4件がいいところである。

今日は中国、特に北京の大手企業に行って、スゴイなぁと思うところを幾つかピックアップしたいと思う。

まず1点目、本社ビルがもの凄く大きく、内装も豪華ということ(今日訪問した1社は、床が大理石だったような・・・)。
働く場所なのに、ここまで広いロビーが必要なのか・・・?と、ほとんどの日本人は思ってしまうだろう。

2点目は、会議室の数がハンパなく多いということ(しかも、これまた立派)。
これも、日本人だったら「空間がもったいない」などと感じてしまうだろうが、そういえば日本のオフィスで会議室不足が叫ばれて久しいような・・・。

3点目、必ずお茶を汲むのが仕事の服務員が配置されていること。
中国は茶文化発祥の地、会議の合間にお湯を注ぎ足しに来る服務員は、会議を進める上で欠かせない役回りの人物となっている。

4点目、大きな企業だと接待を目的としたレストランを自前で完備していること。
日本ではあんまり考えられないでしょ?
しかも、街中にある中華料理店より美味しい料理を出すから驚きだ。
店内の雰囲気、サービス水準、料理の質、どれをとっても接待に利用するのに十分なレベルが確保されているから恐ろしい。

ここまではハードの話だが、5点目は仕事の相手方について。
今日だけで全部で15名ほどの方々と話をしたが、非常に優秀な人から意味不明な人まで幅が圧倒的に広いということには驚かされ、そして疲れ果てる。
特に、異常なほど話が長くて、その内容も意味不明といった人には困ったものである(こういう人ほど結構偉い役職の人だったりする)。
そうかと思えば、何を議題にしても専門的な回答を的確にドンドン返してくる人もいた。
日本でも同様のケースはあるが、ここまでの開きを1日で見せ付けられることは滅多にない。

対する日本はどうだろうか?
「失われた十年」以来、経費節減が叫ばれて久しいが、国際的な観点からみると、やや行き過ぎた節約主義ではないか?
日本人が中国に来れば、当然ながら豪華なVIPルームで接待してくれる。
日本人に限らず、国内ではこれが当たり前だと中国人は理解している。
他方、中国人が日本に来たときにはどうか?
あまり深く考えず、年季の入った会議室や応接室で月並みな対応に終始しているケースが多いのではないか?

中国はメンツの社会と言われるが、裏を返せば「返礼を重んじる社会」とも言える。日本人が悪気なく行った月並みな接待のせいで、「中国で接待した分を日本で返してもらえなかった」と考える中国人は少なくないように感じる。

日中の区別はさておき、日頃から「借り」より「貸し」を多く作るような生き方を志向したいものだ。。。

仕事における日本人と中国人の思考の違い

2011-04-27 | 中国社会学
昨日に続いて、今日も北京で仕事をしている。
今日は日本側の相手とばかり接触する日だったこともあって、つくづく考えさせられることがあった。
それは、仕事における日本人と中国人の思考の違いである。

経済の発展スピード、社会の成熟度や民族性が違いすぎるため、一様に比較することは難しいが、あまりにも両者の違いが際立っていると感じたため、今日の話題とすることにした。

非常に極端な言い方かも知れないが、最近の日本人は仕事をする際に「出来ない理由」を並べたがる傾向が強い。これは本社側で決めたことだとか、既に枠組みが出来上がっているとか、あの団体とは色々な事情で一緒に仕事しにくいとか・・・。

これに対して、中国人はあまり深く考えず、「出来る!」「問題ない!」という回答を即答することが多い。よく言えば何事にもポジティブ、悪く言えばいい加減といったところか。

しかし、こういった小さなことが積み重なって「国」という単位まで拡がってくると、その影響は少なくないと感じる。勿論、マインドだけで経済成長が図れるとは思わないが、マインドがなければ成長など見込めないのも事実だ。

以前から感じていたが、日本人は何故「枠組みが決まっているから変えられない」というような発言をするのだろうか?
原点に立ち返れば、「決まっていること」は組織内の誰かが「決めたこと」であるはずだ。つまり、新しい枠組みを決めよう!(変えよう!)と思えば、新たに決めること(変えること)も出来るはずなのに・・・。
しかし、日本の組織内ではこうした現状維持派が多数派を形成していることが少なくない。「Noと言える日本人」という本が注目されて久しいが、未だに「No」と言える日本人は少ないのではないか?

中国人がイメージする日本人像は、「対応は丁寧だが、なかなか結論を出さない、面倒くさい相手」といったところのようだ。実際、米国は政治面の敵だが、ビジネス面では米国のほうが日本よりはるかに組みやすいと考える中国人は多い。

中国人との仕事では、色々なことがスピーディーに決まっていく。そこには他の団体がどうだとか、組織内部がどうだとかいった議論は存在しない。
ひとつひとつの議題は、イエスorノーでどんどん決まっていく。その後、事情変更があれば、すぐに連絡が入り、修正が加えられていく。
無論、よいことばかりではない。直前になればなるほど変更点がたくさん出てきたり、重要な課題が検討されていなかったり・・・といった事態に翻弄されることも多い。

ただ、私個人としては、「悩んで立ち止まったまま」より「走ってなんぼ」と思っている。深く考えて行動することには意味があるが、考えすぎて行動できないのでは意味が無い。
自戒の念も込めて、「前進力」というものを改めて考え直したい。