<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

久々の更新・・・(中国株式市場の気になる現状)

2013-07-02 | 中国経済

またもやブログ更新が滞ってしまいました。
日本に戻って、何だかやることが多くて・・・。
ま、言い訳せずに、ボチボチ頑張ろうかと思います。

さて、今回は巷を賑わせている中国株式市場の状況について。
筆者、リーマンショック当時まで中国株を嗜んだことがあるが、最近は全く売買に参加していない。
あまり株式運用をしない方々には分からないと思うが、株式の売買って結構大変な作業。適当に買うと痛い目に遭うので。。。
特に中国株の場合、手数料が国内株と比べると割高になるので、ある程度の期間は保有しないと割に合わないということになる。
しかも、日本に居ると、中国経済や個別企業の業績を知る機会が少ないので、さらに大変!本気で儲けようと思ったら、サイト検索に燃えないといけないハメに。

ちょっと長くなりましたが、要は株式で利益を出すのは大変なんです。当たり前のことですが。。。


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余談はさておき、最近、中国株の調子がおかしい。
リーマンショック前までは、中国株もご多分に漏れず、上昇一途を辿っていた。
いや、ある意味では、どの国よりも上昇が激しかったと言っても過言ではないだろう。
当時の中国株式市場では、国有企業改革の一環として民営化が推し進められていたこともあり、次から次へと大型企業のIPO(新規上場)が相次ぎ、利益が利益を生むという循環が起きていた。
しかし、こうした足腰の弱い相場は長くは続かない。
リーマンショックの発生と同時に、中国株式市場は一気に冷え込み、その投資熱は現物である不動産へと向かうことになった。
これが、日本で盛んに取り上げられる「中国不動産バブル」の一因とも言える。

日本でも投資指南役として名を馳せた邱永漢(故人)が中国株を推奨し、中国での起業を薦めたのも、ちょうどこのころ。
ある意味、この視点は当たっていたでしょうね。ソコソコ成功している日本人起業家が見受けられますので。

ここ数年、低迷を続けつつも、2012年は緩やかに上昇の傾向を見せていた中国株式市場が一気に下方へと動き始めたのは、あるニュースがきっかけだった。
それは、銀行間取引の短期金利が十数%へと急上昇したこと。
とりわけ、中国本土市場は深刻で、上海総合指数が2013年になって初めて2000の大台を割り込み、1900近辺まで下落。
一時的ではあるが、二日連続で5%超の下落を記録するという急降下ぶりには、筆者も少し驚いた。
ここ二日で2000近くまで押し戻してきているが。。。


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株式市場急落の本当の原因は何なのか・・・?
これは、まさに新政権の政策の方向性を見出だせない、あるいは国内の金融問題が最悪の事態を連想させるほどまで悪化していることが背景にあるのだろう。
中国は、前政権のとき、本質的な改革を先送りしてきた。
その結果、中国に流れ込む大量のホットマネーを制御することが出来ず、結果として企業は右肩上がりの経済を想定した過剰な投資を繰り広げることに。
そして、気が付けば、どの分野でも生産過剰の状況となってしまい、こえrがまた企業収益の悪化を生むという悪循環を迎えている。
そのため、市場関係者は、今度こそ中国政府が本気で痛みを伴う改革をするのでは・・・との想いを抱くのは不思議ではない。
実際のところ、中国は他の国とは違って中国共産党一党独裁の国。その気になれば、一定の正義を振りかざしさえすれば、大胆な政策を打つことが可能なのだから。。。

ただ、筆者が気になるのは、中国企業の先行きにあまり期待が持てないこと。
中国株ブームに沸いていた頃、かなりの割合の企業が「何十%の増益が見込まれるか?」という視点で銘柄推奨が行われていた。しかも、今後数年にわたってという視点で。
いまは、こうした企業が非常に少なくなっており、魅力的と思える銘柄が少なくなっていると感じるのだ。ここは、中国経済の活況ぶりを伝えるメディアとのズレなのかも知れない。つまり、売り上げは伸びるが、利益は思ったほど伸びていないということではないか・・・と。

結局のところ、先進国の技術の模倣と大胆な投資、薄利多売というビジネスモデルでは持続的な成長は見込めないということだろう。
株式相場は、経済の先行きを示すものとも言われる。
中国株式市場の行方は、中国経済の大部分を形成する国有企業が、市場原理に基づいた健全な経営へとシフトできるかに掛かっているのではなかろうか。
先進国の株式相場にも影響を与えるほどまでになった中国株式市場。
その変革の行方は、もはや中国だけの問題ではないということを肝に銘ずるべきだろう。


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米中首脳会談を控えて、日本の立場を再考する

2013-06-08 | 中国経済

2013年6月8日(日本時間)、米国で米中首脳会談が開催される。
2012年は米国で大統領選があり、中国でも政権交代が行われたこともあって、今回の両首脳の会談はひと際注目を集めるものとなっている。
既に世界第二の経済大国となった中国の勢いは、多少鈍ってはいるものの、他国と比べるとまだまだ底堅いものがあり、このまま推移すれば2015年にも購買力平価で世界一位になるとの予測も出ている。
大げさに言うと、「旧大国と新大国の対話」とも言えるだろう。

実際のところ、両大国の利害は様々なシーンでことごとく対立してきたと言っていい。最近、中国が海洋覇権を強めようとしている問題、中国のサイバー攻撃、北朝鮮問題、貿易摩擦等々、枚挙に暇がないところ。


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とりわけ、日本としては「尖閣問題」の解決に向けた動きを期待したいところだが、残念ながら望みは薄そうだ。
米国は、「尖閣諸島は日米安保の対象となる」との立場を明らかにする一方で、「領土問題は対象国間で解決すべき問題」との姿勢も示しており、現在のいわゆる「7にらみ合い」の状況を積極的に打開するとは考えにくいからだ。

中国にとっても、「尖閣問題は日本との問題に過ぎない」との立場を明確にすれば、よほど強硬な手段に訴えない限り、米国側からの反発を受けることはないと思われる。これは、ここまで中国による領海侵犯が続いていることを考えれば、容易に想像できるところだ。
よって、米国は中国による海洋覇権の拡大に懸念を表明することはあっても、一段と踏み込んだ発言をすることはないと筆者は考えている。


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日本人はあまり意識していないが、そもそも「米国が日本を世界第二の経済大国として積極的に評価していたのか」については大いに疑問が残る。
なぜなら、米国は経済的に厳しい局面を迎えるたびに、日本に市場開放や通商摩擦問題の解消といった政治的な動きを強めてきた歴史があり、第二次大戦後の日本の経済成長を支えたのは米国なのだから、米国の言いなりになるのは当然のことといった姿勢が垣間見えるからである。

中国からみれば、日本は地理的に考えても大国たり得ない。
大中華思想を掲げる同国の指導者からすれば、今まで日本が中国を上回っていたこと自体が例外的なことで、もっと差がついていくことが当たり前と考えているように見えるのは、筆者だけではないだろう。

筆者も日本に戻って2か月余り。
この間、目にする報道は内向きなものばかりで、世界情勢に基づく客観的な内容のものは極めて少ない。とても残念なことであり、同時に国益に反していると思わざるを得ない。

中国という国が、溢れかえるほどの資金を背景に、世界各地に進出を図っているのは周知の事実であるにもかかわらず、日本は相変わらず国内の事情にばかり目を向け、海外のことは半ば他人事のように感じている向きが強い。

今回、両国首脳は2日間で6~7時間もの時間を共有すると言われている。
同盟国でもない両国が、このように密接に付き合うことは極めて異例のこと。
日本の地盤沈下が進むと言われる中、両大国の接近によって自国の利益が阻害されることのないよう、日本国政府にはしっかりとした対応をお願いしたいところだ。


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2013年第一四半期GDPから勝手に予想する中国経済の行方

2013-04-20 | 中国経済

またしても久しぶりのブログ更新。。。
書きたい気持ちは強いんですが、日本での生活って結構大変なんですよね。
特に、まだ仕事にも慣れていないので。
まあ、そのうちペースを掴むと思うので、今のところはご勘弁のほどを。

さて、今回は久しぶりにマクロ経済ネタ。
と言っても、相変わらずの独断メインですが。

今週15日、中国国家統計局が2013年第一四半期GDPの数値を発表しましたね。
その数値は、実質で前年同期比7.7%増というもの。
相変わらず高水準の経済成長であります。

ただ、前期(2012年第四四半期)の7.9%と比較すると0.2ポイント減速したこと、及び市場予想に反して減速という結果になったということで、日本のマスコミはこぞって「中国経済、曲がり角では・・・」との論調を強めています。
まあ、相変わらずではありますが。。。

以前にも言及したとおり、マスコミ報道というのは基本的にどっちからでも書けるものなんですよね。
なぜって、コレが仮に8.0%を超える数値だったとしたら、インフレ率など都合のいい統計データを集めてきて「中国経済、インフレ・不動産バブル懸念が再燃」などと報道するのは容易に予想できますから。
もうそろそろ真っ当に「経済」を伝えるメディアに登場してもらいたいと思うのは筆者だけではないと思うんですよねぇ。。。
誰かホント、頑張ってください!

余談はさておき、ここからは持論の展開です(あしからず)。


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最初に、中国経済は日本のマスコミが報道するとおり、減速しているのか?
これについては、どっちつかずの回答になるかも知れませんが、「当たっていて、外れている」というのが筆者の見解。

この「当たっている」部分というのは、過去と比較してのこと。
確かに中国のGDPは、2003年から5年連続で10%台という驚異的な数値を記録し、2007年にはドイツを抜いて世界第三位に浮上。
リーマンショックの影響で、一時は9%台に低下(それでも高水準)したものの、2010年には4兆元という巨額の財政出動もあって10.4%と再び大台を記録し、この時点で日本を抜いて世界第二位の経済大国の座を掴むことになった。
そして、ここ2年は、2011年は9.3%、2012年は7.8%という具合に数値としては鈍化している。

こうした事実を見ると、なるほど「減速」を裏付けることになるワケだが、それはあくまで「過去」との比較に過ぎない。
通常、「減速」という言葉には「負」のイメージがつくため、日本のデフレのように「かなり悪くなっている」と思うのが一般的。
そうしたイメージと現在の中国経済の状況が重なるか?と言われると、それは違うと言わざるを得ないというのが筆者の見解だ。

加えて、「成長率」というものの特性にも注目しておく必要があるだろう。
ご承知のとおり「成長率」は前年との比較で決まるもの。
中国経済のように、毎年、毎年、驚異的な数値を記録していると、その成長率に対するハードルはドンドン高くなっていくことになる。
そう考えると、ここまで規模が大きくなった中国経済が、以前のような10%前後の成長率を維持することのほうが異常であり、仮にそのようなことになった場合は、その反動でインフレや資産バブルがかなり進行するということが予想され、中国政府が最も懸念する「貧富の差の拡大」、「民衆の怒り爆発」という最悪の事態も想起されることになってしまう。
ありとあらゆる方法を駆使してマクロ経済をコントロールしようとしている中国政府が、よもやこんな簡単なミスを犯すことはないでしょう。
そこに、この7%台という一種の心地よさがあると思うワケです。


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もっとも、今後ずっとコントロール出来るのかというと、そこは懐疑的だと筆者も思っている。

これだけ規模が大きくなると、逆に世界経済の動向によって影響を受ける度合いも大きくなる。現に、欧州経済不調の影響で、輸出は低迷気味。日中関係の悪化を受けて、日中間の貿易も湿ったままだし、米国企業の本国回帰といった動きも見受けられる。
地理的に隣接する東南アジアの成長を取り込もうとする動きもあるが、元々中国との繋がりが強い地域であり、経済規模という面では欧米・日本と比べるとまだまだ大きくはない。
中国経済が一歩ずつ階段を上れば上るほど、その舵取りは難しさを増すという構図が見て取れる。

もうひとつ、心配なのが「内需」の伸び。
これまで富裕層を中心に消費の拡大が続いていたが、最近は消費者も理性的な消費行動に移ってきたように感じられる。
ひと頃のように「ドカ買い」関連の報道は見られなくなっているし、消費関連企業の業績の伸びが低迷しているというニュースも増えている。

加えて、現政権が打ち出している「公費支出の抑制」は、日本人が思っている以上に打撃が大きそう。
政府関係部門は、この方針が打ち出されるまで、毎晩のように宴会を繰り広げていたのに、今や食事なしの会議というのが日常化しつつあり、飲食関係やホテルといった業種は完全に見込み違いの状況に陥っているようだ。

こうした方針、一度打ち出すとそう簡単に引っ込められないというのも悩みの種。
日本でも「官官接待」が問題となった時期があったが、今ではこうした慣習は完全に無くなっていることを考えると、中国も同じような状況になる可能性は十分にあるだろう。

とは言え、現政権が公約として掲げている「通年で7.5%成長」という政府目標は、どのような手段を使ってでも達成するだろう。
これは、高速鉄道や高速道路の建設といった政府主導のインフラ整備が再び加速していることを見れば明らかなこと。
中国政府が自ら己のメンツを潰すなんてこと、絶対にありませんから。

ただ、日本としては、中国のこうした状況を嘲笑っている余地はない。
両国の経済成長率が今のまま推移したとすると、2015年には中国経済は日本の1.5倍、その5年後には2倍にも達すると言われているからだ。
まずは自国経済をどうするのか、アベノミクスへの期待が強いだけに、今後、実体経済がどの程度上向いていくのか、注目していきたい。


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中国不動産市場の行方は・・・(2013年1月)

2013-01-10 | 中国経済

今回、久しぶりに不動産ネタ。
日本でも「中国の不動産バブル」が話題となっていましたが、最近はあまり見受けないように思う。筆者だけかな・・・?
まあ、ちょっと聞き飽きた感もあるし、最近はかなり強い抑制策を打ち出していますからね。

で、実際のところはどうか・・・と言うと、
2012年後半からジワリジワリと回復傾向を示しているらしい。

中国指数研究院が発表したデータによると、全国100都市の住宅平均価格が1平方mあたり9,715元となり、前月比としては7ヶ月連続の上昇、前年同月比でも9ヶ月ぶりに小幅上昇を記録した。

昨年10月の国慶節に不動産フェアを偵察に行ったときも、結構な賑わいでしたからね。でも、その当時はまだ回復を鮮明に印象付けるほどではなかったんですが・・・、中国はホントに変化が早いです@@@

実際、上海では賃貸物件の値上がりも続いている。
筆者が住んでいるマンションは、地元民ばかりで日本人があまり住んでいないので結構安い物件だが、地下鉄の駅から近いという利点と第二期のマンション郡が発売開始になったこともあって、賃料もドンドン騰がっているとのこと。
だいたい昨年比で10パーセントぐらいアップしているようです。
物件は古くなる一方なのに、賃料は騰がっていくばかりっていうのは、日本では考えられないですよねぇ。。。
日本もこうした市況になれば、不動産を購入しようとする若い世代が増えて、経済が活性化するんでしょうが、将来不安のほうが強すぎて、不動産を購入しようとする若年層は減る一方ですもんね。
住宅って、設備の塊みたいなモンだから、経済波及効果大きいんですよねぇ。
いやはや、何とかしたいもんです。


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こうした社会背景もあって、一時は下火になっていたものの、都市部を中心に住宅の購入を急ごうとする若年層が増えているようだ。
これは、将来の値上がりを期待するという向きもあるが、若年層にとってはもっと切実な問題で、これ以上高騰すると将来住宅購入が不可能になるという想いが強いのだ。
しかし、実態経済に目を向けると、こうした不動産価格の上昇、高止まりとは裏腹に、若年層の所得は同じペースでは上昇していない。
中国全体としては高成長を維持しているように見えるが、生活者の感覚からすると、いまは1、2年前と比較すると明らかに「景気が悪い」という状況のように思える。

先日、旅行業界の方と話をする機会を得たが、春節の旅行商品の販売状況も芳しくなく、前年であればほぼ全ての旅行商品が完売状態だったのに、今年は70パーセントほどの成約率に止まっているという。
勿論、訪日観光で中国の富裕層がブランド品をドカ買いしていた当時が異常だったという見方もできるが、そればかりでもなさそうだ。

話を不動産に戻すと、中国政府は不動産市場に対して断固たる抑制姿勢を示し、過去最大級と言っていいほどの不動産購入抑制策を展開したにもかかわらず、現在ではその効果も消えつつあると言っていい。
中国でよく言われる「上に政策あれば、下に対策あり」というヤツで、中国人民は時の経過とともに政策への免疫力を強めていったのである。

こうした傾向は土地取引の現場で顕著となっており、上海をはじめとする10以上の都市で次々に土地取引額の最高額が更新されるという現象が起きている。
不動産開発、土地がないと何も始まりませんし、よい土地ほど価値が失われる可能性が少ないですからね。コレ、全世界共通の常識かと。。。

もっとも、中国における都市開発には政府、金融機関が強く関与しており、都市化を積極的に推進しようとする主体が地方政府であることを考えると、この傾向は当分収まりそうもない。
地方政府にとって、財政面から言うと地価の高騰は歓迎すべきものなのだから。


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このような状況に対して、中央政府が神経を尖らせているのは言うまでもない。
政府はコトあるごとに「不動産抑制策の堅持」の意思を表明しているし、必要があれば新たな抑制策も検討する可能性があるとも言及している。

しかし、実体経済からみると、こうした姿勢をどこまで貫くことができるのか、甚だ怪しいと言わざるを得ない。
中国最大の貿易相手国である欧州の経済は、相変わらず経済危機に直面したままで、輸出は減少傾向が続いている。
尖閣諸島問題で日中関係も冷え込んだままで、実質的に最大の対中投資国だった日本からの投資は期待できないまま。開発区の担当者たちは「土地の売り先が見つからなくてヒマな状態」が続いている。
その意味では、同問題の影響を受けているのは日本だけではないのだ。

日本も安倍政権に代わり、金融緩和姿勢が鮮明になった。
欧州も現在の金融危機を乗り切るには金融緩和を継続するしかなく、米国も同じような状況が続く。
そうなると、投資先を渇望する大量の資金が市場に出回ることになり、こうした資金の矛先は「値上がりの確率が高い物件」へと向かうことになる。
つまり、日本の不動産ではなく、中国をはじめとするアジア諸国の不動産へと向かうワケです。ミャンマーが投資ブームに沸いているのが良い例ですね。

中国はリーマンショック後、巨額の公共投資で経済を立て直し、その後は金融引き締め策を強力に推進することで、経済のバランスを維持してきた(見かけ上は)。
ただ、少し無理をし過ぎたこともあって、実態との乖離が進み、今までのような政策実行は困難になってきたと言わざるを得ない。

経済成長とともに確実に進むインフレ。
このインフレに強いのは、結局のところ不動産と株式をはじめとする金融商品。
株は水物だけに、不動産の人気が衰えることはなさそうで、中国政府による舵取りは日を追うごとに難しさを増している。
世界経済の行方とあわせ、中国政府の政策動向にこれからも注意が必要だ。


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中国最大の建機見本市「bauma china 2012」レポート(前編)

2012-12-03 | 中国経済

約1週間ぶりのブログ更新。。。
日本出張のあと、ちょっとバタバタしておりましたので。
気を取り直して、マジメに更新するよう努めようか・・・と。

さて、今回は11月27~30日に開催されていた「bauma china」という建機専門の展示会の様子をレポート。

実は、この展示会を視察しようと思い立ったのには理由がある。
この展示会が中国最大で、世界的にも最大級の規模を誇るというのは勿論のこと、事前の報道で「コマツなど日本の大手企業が出展を見合わせた」と報じられたからだ。
まあ、現地に駐在する人間としては、実際のところどうなのか・・・と。

ただ、最終日しか時間がなく、それも午後からだったので、とにかく慌てて会場に向かうことに。
到着してみると・・・



んっ・・・、規模は確かに大きそうだが、何だか人が少ないような。。。
そして、入口付近にあるチケットセンターに行ってみたが、誰も並んでいない。
おかしいな・・・と思っていると、いつものようにダフ屋が寄ってきて、「1枚15元だけど、買うか?」と。
うーん、定価は1枚50元ですが、領収書は発行されませんからね。
どうしようか・・・と迷いましたが、時間もないので、今回は特別に急いで購入。
入口の様子は・・・





こんな感じ。
やっぱり欧米人の割合も結構高いようでしたね。


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と、ここで気づいたのですが、最終日の閉館時間は15時とのこと。
えーっと、あと15分しかないんですけど@@@
もう、とにかく見れるだけ見るしかないです。
猛烈に駆け足で会場内を見て回ることに。
(こうなると、結果オーライながら、ダフ屋で買って正解だったということに)

ちなみに、この展示会、巨大な展覧中心の全館を使用しています。



その規模、なんと30万平米。屋内17館全てと屋外全てで展示。
まあ、日本じゃ考えられませんね。
もっとも、展示する機器自体がハンパなく大きいですから、規模も大きくなってしまうという事情も。

ホントに時間がなかったので、入口近くの展示だけ紹介。





ここで言い訳するワケではないですが、中国の展示会、基本的に端のほうに行くほど展示物がショボくなっていくというのがセオリー。
なので、入口付近の展示を見れば、だいたいの様子が掴めるんです。
でも、やっぱり全体を見ておきたかったなぁ・・・などと思いつつ。

と、ここで日本企業の展示ブースを発見。



三笠というメーカーさんのようです。
合弁会社だから出展できたのかな・・・?
とにかく、コマツやコベルコといった大手企業の出展はやっぱりないようです。


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中国の建機市場、最近の不動産開発抑制や中国経済低迷の影響を受けて、一頃の過熱ぶりはなくなっているが、それでも世界的にみればやはり最も発展性のある市場。
それだけに、各社とも展示には気合が入っています。
とりわけ、国内大手企業の注力ぶりは特筆もの。
同市場で最も勢いのある国内企業と言えば・・・



三一ですね、英語名はSANY。
猛烈な営業で、コマツから首位の座を奪い取った企業です。
最近は、代金回収での苦戦や在庫の積み上がりなどが報じられていましたが、こうした場ではそんな様子は微塵も感じさせません。
何しろ1万平米もある展示館を丸ごと貸し切っていましたから。







この使用料だけで、軽くウン千万級の出費だと思いますが。。。

しかも、会場内の一角には、こんな展示物も。



三一ロボ・・・?
相当お金が掛かってると思うんですが、何の使い道もないような。。。

ちなみに、同社、屋外にも展示スペースを確保。
その様子も含め、後編に続く。。。

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