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火葬のはじまり

2017年02月01日 05時21分12秒 | Weblog
本日は「火葬のはじまり」をテーマに述べていきます。



現在、日本における火葬の割合はほぼ100%に近いと思います。
火葬は仏教伝来(538年or552年)とともに日本に伝わり
文武4年(700)に僧道昭(629-700)が遺言により火葬にふされたと続日本紀に記載
されています。
文献上では上記のとおり日本の火葬のはじまりは西暦700年であるが、考古学
の世界では7世紀頃から「かまど塚」という横穴式古墳の内部に棺を入れ燃やし
そのまま埋めるやり方があったとされています。

Wikipediaによればこれよりさらに古い時代に火葬の痕跡が認められている。
「火葬は6世紀後半から出現しており、最古のものは九州で590年±75年の
火葬が確認されている。平成26年(2014年)2月、長崎県大村市の弥生時代後期
(2世紀ごろ)の竹松遺跡において、長崎県教育委員会の発掘調査により火葬による
埋葬と見られる人骨が発見されている。これが検証のうえ認められれば、火葬の
歴史はもっと古くから存在することになる。」


いずれにせよ、仏教が火葬の推進力になったことは間違いない。

さらに、646年の大化の薄葬令、701年の薄葬令がでたこと及び
大宝2年(702)持統天皇もみずからが火葬されて天武天皇と合葬され
手本を示すと、天皇にしたがった役人のあいだで一種流行のようになり採用
されたが広い階層にまでは普及せず火葬が主流となるのはずっと先の話となる。

舎利の信仰、つまり遺体を荼毘に付して遺骨を残すというのがお釈迦様の故事を
模倣しているとの認識でその後の時代、火葬=仏教葬はずっと続いていきます。

Wikipediaでは土葬が何故主流であったかを解説しています。
「仏教徒も含めて、近世までの主流は火葬よりも死体を棺桶に収めて土中に埋める
土葬であった。儒教の価値観では身体を傷つけるのは大きな罪であったほか、
人体を骨と灰にまで焼き尽くす火葬では強い火力が必要なため燃料代がかかり、
人口の急増で埋葬地の確保が難しくなる明治期に到るまでは、少なくとも一般庶民に
とっては土葬の方が安上がりだったためとの説がある」


江戸時代中期以降になり国学が盛んになると日本固有の宗教は神道であるから
仏教葬である火葬をやめようという動きも出てきます。

具体的には明治政府の神道国教化政策にともない明治6年(1872)火葬禁止令
が出されたことがあります。明治政府は同時に東京府内での土葬も禁止しており
ゴタゴタがあり結局火葬禁止令は2年ほどで解かれました。
皮肉にも上記の火葬禁止令が結果的に火葬推進の大きな流れを生み出しました。
火葬が衛生的であること都市の収容構造にも合っていることといった火葬の
メリットが再認識されたのです。


突然ですが今回「火葬のはじまり」をテーマに選んだキッカケとなった橿原考古学研究所
付属博物館の展示です。 撮影:2016-8-6

展示では和銅5年(712)に我が国最古の歴史書『古事記』を編纂したことで
知られる太安萬侶(?~723)の墓誌と墓の写真、小治田安萬呂墓の墓誌、
天理市白川の火葬墓の骨蔵器(骨壺)他の骨を収容する容器の展示が
されています。

太安万侶の 墓誌には「左京四條四坊従四位下勲五等太朝臣安萬侶以
癸亥年七月六日卒之書養老七年十二月乙巳」と刻まれています。
太安万侶の住居が左京四條四坊であったこと位階が従四位下であったこと
勲五等の勲章を受けたこと没年が癸亥年(723)七月六日であったこと
墓誌が養老7年(723)12月に書かれたことが書かれています。

太安万侶の墓は奈良市此瀬このせ町の茶畑に囲まれた小高い南斜面にあるそうです。
昭和54年(1979)1月に発見され橿原考古学研究所が調査を行った結果、
墓は一辺約1.7mの方形土壙で、底に木炭を敷き、遺骨を納めたコウヤマキの
木櫃(もくひつ)を安置し、木櫃の周囲も木炭で覆われていた。木櫃の中には
遺骨の他に直径5ミリほどの真珠の玉が4個納められていた。この真珠は冥界に
輝く珠であり、4は冥数とされている。

飛鳥・藤原京時代以前の埋葬の歴史については下記のブログで書いています。

 神戸市埋蔵文化財センター 平成28年度春季企画展 見学録 on 2016-4-17
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