「いじめで受けた心の傷」や
「いじめへの大人の対応で受けた心の傷」が、
人生の後々まで続く深刻な悪影響を与えます。
また、いじめが心身面に後遺症をもたらすことが
多くの論文によって示唆されています。
腹痛、意欲・集中力の低下、
薬物等への依存、
自己効力感・自尊心・対人信頼の低下など様々な影響、
不安障害やうつ病になる確率や自殺率が高い
というデータがあります。
日本のいじめの現状としては、
いじめ報道をきっかけに認知件数が増えますが、
報道が収まると認知件数の増加もさほど増えなくなる
ということを繰り返してきました。
しかし、認知件数が実際のいじめの数の増減とリンクするものではないらしく、
学校現場では、学校内で必ずいじめがあることを認知することが重要です。
認知して初めていじめへの対応が始まるからです。
また、いじめの内容や質についても、ここ10年ほどで「LINEいじめ」などが増加しています。
先生やお父さん、お母さんもそれらに応じた適切な知識と対応が求められます。
それで、今日は、
いじめについて子どもが、誰に相談しているかについて書きます。
いじめを受けた際、子どもたちが周囲に相談しているのかを調べた結果があります。
小中学生の全体で
「親」が36.5%、
「友だちや先輩」が8.0%、
「学校の先生」が13.6%
でした。
また、「誰にも相談しなかった」割合は28.3%
と高いです。
その理由は、小学生は
「誰にも心配や迷惑をかけたくないから」
が最も多く、
中学生は
「相談すると余計にいじめられるから」
「相談しても何もしてくれないから」
が最も高いことがわかりました。
子どもたちは誰かに相談することで、具体的な解決に結びつくというイメージを持てていないのです。
その一方で、いじめを誰かに相談した人たちに相談の効果について尋ねると、
「いじめは少なくなった」
「いじめはなくなった」
と回答した人数は、7割近くに上ることもわかりました。
次回は、親や先生がすべきことについて書きます。