2007/7/12 リオの除草剤事件

この時期になると思い出す　リオの除草剤事件。
あれは何年前になるのかな、まだ出産をさせようかと迷っていた頃だから・・・
もう６、７年前になるかもしれない。

雨上がりに、庭の いつもの芝生の上で遊ばせました。
しばらくしてみんなの調子が悪くなり　吐いたり御飯を食べなくなったり。
メイとシェリはそのうち回復してきたけれど　リオだけはぐったりして夜になると震えだしました。
まさか！と思いつつ隣の義父の所へ走って行って　「芝生に除草剤、かけてないよね？」と聞くと
「お～、かけたぞ。」と のんびり答えます。
今まで芝生にかけたことなんてなかったのに、なんで教えてくれないのー！と思いつつ、動物病院へ走りました。
夜中の１１時頃、先生は文献を読みながら　とにかく体液を薄めよう、と 太い注射を何本もうちました。
その時にはもうリオは立ち上がる力もありませんでした。
先生は　「もし除草剤なら、私は助けられません。」と言うのです。
殺虫剤と違って　除草剤には解毒剤がないのだそうです。
自殺しようとする人が除草剤を飲むと、もう助けられないそうです。
腎臓をやられ、大抵３日後に死ぬのだとか。
「やるだけのことはやったから　連れて帰ってください。
明日、生きていたらまた来てみて。」　と先生・・・

リオを抱いて、泣きながら帰りました。
除草剤を撒いたら絶対教えてと言ってあったのに。
くっそ～、恨んでやる、リオが死んだら一生許さない！
あんなに人を恨んだことってなかったな。

朝まで、一睡も出来ませんでした。
リオはハウスの中で 夜じゅう ピクリとも動きませんでした。
明るくなって恐る恐るハウスを覗くと、リオは横倒しになったまま。
「リオが死んだ！」と　血が逆流する思いで引っ張り出したら・・・リオはかすかに動きました。
生きてる！
リオを抱きしめて、また動物病院へ走りました。

何日通ったでしょう。
３日目くらいに、初めてリオは血のように赤いオシッコをしました。
それから立ち上がれるようになり、やがて注射を嫌がる元気も出てきました。

でも、除草剤には催奇性があります。
血統もよく、折角トレーニングチャンピオンまで取った子だけど、出産は諦めました。

除草剤は　草が黄色く枯れて　初めて気がつくものですが
それはもう撒いてから数日経っています。
一番危ないのは撒いてから２４時間です。
まだ草は青々としています。
除草剤を撒いたら　立て札などを立てて危険を知らせる義務があるのですが、ほとんどの人はしてくれません。
獣医さんの話では　毎年何頭もの犬やネコが除草剤のために死ぬといいます。
道端の草を食べさせるのは　この時期、とても危険です。
リオは草を食べたわけではありません。
除草剤を撒いた草の上を歩き、おそらく除草剤の溶けた雨で濡れた足を なめたのでしょう。
ほんとに草を食べていたら　助からなかったと思います。


元気になったリオ、同級生のディーン君と。
グレートデーンは短命というけれど　ほんとにもう逝ってしまって５年にもなります。
小さなリオは何度も危ない目にあったけど　元気にしてくれているのは嬉しいことです。