湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

新盆への準備

2018-08-09 09:40:39 | 日記
新盆の祭壇が組まれ
両親の写真が花々で縁取らて
また、2人が主役になった

天井から提灯がいくつも吊り下げられて灯がともされる

祭壇のよこには
回り灯篭がふたつづつ

造花の大きな花籠が両脇を固めている

当日は生花の大きな花籠が届くことになっている


なるべく華やかに
ここに帰ってくるのよ〜っと
言わんとするように
派手に彩られて灯だらけ


まだ、お盆ではないけれど
遺影とお位牌が配置されると
見上げた2人の顔が嬉しそうに見えたりする

思わず、涙が溢れてくる

さて、何をお供えしてあげようか。


台風が過ぎ去ったら
買いにいくからねって
手を合わせながら泣き笑い



こちらの風習で
葬儀に来てくださった方の
ほとんどの皆さんがお参りに来てくださる。
葬儀に出られなかった方も
是非に新盆にはと、来てくださるようで。


ご近所さん達は
最低のお付き合いのマナーとして
これまた、新盆の家には
お参りしてくださるので
私は、お返しを渡したり
お茶を出したり
12日から14日は
きっと
立ったり座ったりを繰り返しながら
ご挨拶とお礼に始終するのだろう


そうして、しばし
家は、子供達が寄り集まり
賑やかなお盆となりそう



8か月前のこと
7ヶ月前のこと


2人を見送った『有明の月』が
またやってきた日に
この祭壇を見上げるのも不思議な感覚


もう一度
もう一度


2人を
抱きしめてから
送り出すのね


思わず
さだまさしさんの『精霊流し』の歌が頭に浮かぶ


『約束どおりにあなたの嫌いな
涙は見せずに過ごしましょう』

『私の小さな弟が何にも知らずに
はしゃぎまわって〜』


くるくる回る、回り灯篭を珍しく見る子供の姿が重なるように
キャッキャとはしゃぐのだろうなぁって思うと
それもまた
良い供養になるのだと思う


また
心新たに思う


2人への感謝
切なさや悲しみは月日を経るごとに
昇華して
違う心の涙に変わっていく









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『嘘を愛する女』について

2018-08-08 17:37:48 | 日記
台風と競争ができるという


自転車の漕ぐスピードだなんて


通り過ぎるのを待つように
じっとしていた
まだまだ、明日まで?


この台風のおかげで
やらなきゃいけないことを
いくつか前倒したここ数日


すると体に跳ね返ってきたのか
かったるさと眠気が私を襲う


気づいたら
私は読みかけの小説のあと少しの
最終章を開いたまま
久しぶりに眠ってしまっていた


目が醒めると目の前に
高橋一生さんの目があった
『嘘を愛する女』著者 岡部えつ

とりわけ
著者に興味があったのではなく
映画化されたものに出演していた『高橋一生』さんが気になってのこと

単純な動機

しかし、大切な動機



物語はその名のごとく
嘘だらけの男性を愛してしまった『由加利』こと、長澤まさみさんが
男性(高橋一生)の過去を探って行く


東日本大震災のあの混沌とした地下鉄で
パニック発作に襲われた彼女(長澤まさみ)に
彼(高橋一生)が手を差し伸べて助けてくれる

嘘の名前を告げ
自分の履いていたスニーカーを手渡し
自分は裸足でいいからと
優しい笑みで、人並みに消えていく

好きにならない理由はそこにない

告げられた名前が嘘だとか
そこに疑う理由もない

ただ、告げられた名前が
恋しい名前になるだけ


再び出会ったのは
きっと彼が過去から立ち直る神様からの最後のチャンスだったのかもしれない

再会から5年ののち
彼女の母親と会う約束をした日に
彼はクモ膜下出血で植物状態となってしまう

しかし
名前も仕事もなにもかも
それは、嘘だった
事実はどこにもなかった


『5年間愛し暮らした時間はなんだったのか』

それを確かめるように彼女は奔走する



彼は毎日
出勤を装い
パソコンに小説を残していた

その小説の中身を確かめるように瀬戸内海の小島をめぐる彼女

一体、あなたは誰?

少しづつ
彼が残していた言葉が交差しつつも
投げやりになる彼女


『恋人を探している』と最初に言っていたが
やがて
『大切な人と言うのは間違いない、けれど、あの人は私の‥‥なんでもない』


その時、飲み屋の女将が
『その人が自分のなんだろうが関係ないゎ。大切って言うのは、想う気持ちのことだもの』とつぶやく


想う気持ち‥


彼女を揺り動かしていたのは『想い』なんだよね


徐々に解き明かされていく


彼の小説に書かれていた灯台を見つけ、
足元に埋められたものを見つけたとき
きっと彼の一部は彼女へと
引き継がれ
悲しい過去が明かされても
受け止められるだけの覚悟はできていたのでしょう


彼が書いた最後の章の締めくくりには
しっかりと
そこに彼女がいた


過去を乗り越えて
新しい光を見つけて歩き出そうとした彼の想いを彼女は見たことになる



私は
この映画はまだ見ていない
ただ、キャストが決まってる上で読む本は
セリフが全て、そのキャストの声となって
文字を目で追い
同時に言葉が音となって動いていく


どんな感じ?
この時は優しく
この場面では甘く


私は物語の本筋を読みながら
声で感じていく

映画化されたノベライズ本を読む醍醐味は、他の本より、少し魔法がかかってしまう

台風通過を待つ時間

しばし、酔いしれた















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台風前夜

2018-08-08 08:25:51 | ポエム
空に蓋がされた
ざらついた光だけが
すりガラスの向こう側から
淡く暗く‥


流れ行く雲は
雨と風とを連れて
自分勝手に怒っているよう
煩く低く


夜になれば
風が運んでくる音と
雨が窓を叩く音たちと
不協和音なハーモニー


しかめっ面
膝を抱えてその音を
聞いているかのような
怖さの始まるスパイラル


こんな時は
思い切り好きな歌を聞きたくなる


耳から溢れ出て
体の中心に音があつまる
眼を閉じれば音を纏う
熱く疼く


ふわりと体が浮くのよ


音と私の心が奏でる


私だけのライブ


怖さを追い出していけ


切なさをかき消していけ





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雲の翼で‥

2018-08-05 00:45:07 | ポエム
あれが夏の大三角形

あれが、火星

あれが木星

ちょうど真ん中に阻んでいるのが天の川


指をさして名前を呼んでみる


泳いで渡る勇気を持った星達は
勇敢にそこを超えて
手を差し伸べたものが
違う側から手を引き上げてやるように


昔からの川越えは
悠久の時を経てるから
みんな顔馴染みね


ペルセウスの流れ星は
北からやって来て
天の川のそんな風景を
ウィンクしながら
見て消えていくだけ


あなたは空を行け

雄大な空へ行け

浮かぶ雲を翼に変えて

しっかりと胸を張って

あなたは空を

自由に飛び回れ







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夏の日のカフェにて

2018-08-04 09:40:25 | ポエム
夕暮れかかったオレンジ色と
サルスベリの紫がかった紅の色

街路樹は
うっそうと茂み
影をおとしている

花を抱えて歩く

ちょっと
鼻が高くなったみたいに

街路樹の影踏みしながら
鼻歌まじり


オレンジ色した木洩れ陽の
隙間から
ふと見上げた入道雲に
『君たちはアイスクリームみたいだね』って

昔見た映画の
夏らしいワンシーン


ヒロインの横には
必ず彼女達のヒーローがいた


私は誰もいなくて
手持ち無沙汰でしかたなくて
この手は空をきってしまうけど
ぬくもりを握りしめながら


いつものカフェに
『こんにちは』と入っていける


心のポケットにしまい込んだ
思いは
心の中で取り出して
自由に遊ぶことができる


時間の薬は
ときがたつほどに
効能があらわれてくるものだね


人それぞれの
色んなものをひきかえにしながら





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