湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

台風前夜

2018-08-08 08:25:51 | ポエム
空に蓋がされた
ざらついた光だけが
すりガラスの向こう側から
淡く暗く‥


流れ行く雲は
雨と風とを連れて
自分勝手に怒っているよう
煩く低く


夜になれば
風が運んでくる音と
雨が窓を叩く音たちと
不協和音なハーモニー


しかめっ面
膝を抱えてその音を
聞いているかのような
怖さの始まるスパイラル


こんな時は
思い切り好きな歌を聞きたくなる


耳から溢れ出て
体の中心に音があつまる
眼を閉じれば音を纏う
熱く疼く


ふわりと体が浮くのよ


音と私の心が奏でる


私だけのライブ


怖さを追い出していけ


切なさをかき消していけ




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