湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

いつか、きっとの魔法

2018-11-30 21:21:09 | ポエム
いつか、きっと、、、
なんて
これほど
当てにはならなくて
あいまいで、、、、


約束したように
こころのうちを
見せるフリをする


どこかで
叶えられない現実を
ほんとうは
みつめて居たくないくせに


どこかで
叶えられない未来を
ほんとうは
夢みたままでいたいくせに



さぁ行こうと

腰を上げて走っていった


あのときが

ほんとうの思い



いつか、きっと

いつか、きっと



あの場所に行けるなら

あの場所に立てるなら



渚の砂をひと握り

こぼれ落ちて

なくなってしまわないうちに


遠く

遠く


蒼い月夜の晩にでも

見える星のように

私は輝いていなくちゃね


いつか、、、

きっと、、、


私が

ほんとうの星になるまでに


降り立つ場所は


ペパーミントグリーンの

目印をつけて







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かがみのような水面

2018-11-29 18:16:49 | ポエム
空の色が水面に映し出す


同じ空の色

同じ雲のかたち


あなたがいて

わたしがいて


響きあう色と形


合わせ鏡のように


あなたが映って

わたしが映る



遠い昔から

そうしていたように


あなたが泣けば

わたしも泣く



だって

映しあって

映し映しあって

そうして歩いてきたのだから









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メグスリの木のお茶

2018-11-26 21:49:18 | ポエム
こころが気弱になった時は

友からもらったお茶を飲む



こころが誰かを招き入れたい時は

友からもらった飴を舐める



こころにこころが応える

こころがこころに話しかける



大丈夫、大丈夫

こころにあなたがいる限り

こころが忘れない限り



繰り返される思い出たちが

見えてきそうな気がする



今宵もこころを震わせる


誰だって色んなことを抱えていてね


戦ってるんだよ

耐え忍んでいるんだよ


たった一行の文字に救われるような

そんな思いをしたことのある人は

誰かをたった一行の文字で救えるのよ



救われたり

救ったり



知らぬ間に

あなたの言葉がくるんくるんして

私のこころに渦巻いたりしてる



お茶を一杯

メグスリの木から奏でる色を

飲み干したら

きっと、あなたの言葉の向こうまで

見えて来て

くるんくるんしてるものが

熱くなっていくみたいだよ















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朝のご褒美

2018-11-23 07:20:24 | ポエム
今日はとても寒い日だ



いつものように

朝の一杯のコーヒーに

どこかしらか頂いたシュトレンを

一切れ添えた



朝からのご褒美に


1日が明けた


ただ、それだけのご褒美



昨日の夜は

切ないまま寝たせいで

こころのどこかが固まっていた



それを溶かしながら

一晩明けた今日だから



自分にご褒美


『よく頑張ったね』って



この季節

ぼちぼち

クリスマスシーンの幕開けのように

赤と緑で飾らせていく



シュトレン



少しづつ切りながら

その日を待つという



ステキな数え方



昔は苦手だった

ラム酒漬けのドライフルーツのお菓子パン

ある日突然

恋に落ちたみたいに好きになった



私を幸せにしてくれるアイテム




一切れ一切れ



今日から明日へ



しばらくは

1日の始まりを

自分のご褒美の

時間にするとしよう






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オカンの誕生日

2018-11-22 09:00:13 | 日記
今日は、今年の1月に亡くなった母の
誕生日の日。
五年前に書いたものがちがうSNSからあがってきた。


..........................................................



今日は朝から
母の背中に抱きついた
「誕生日 おめでとう!』
年々小さくなっていく背中

オカンと呼べばその姿を
見えない視界から空を見るように
体全体を動かしながら
目の前に立っている娘の顔さえ探すのは難しいようだから
背中から抱きついてやった

『忘れてたやろ?今日って』
『ああ、忘れてたわ、誕生日やったんやな。来んでもいいのに』

無事にまた誕生日が迎えられるということを
際して意味のあるようには思っていなさそうにして
実はしっかりと意識してる
普段は自分の体が辛くて
目の不自由さが恨めしくて
運命を呪って
愚痴ばかりのこの頃である
もっと穏やかで静かに年を重ねてはいけないものだろうか?
きっと、この人も、もがいているんだろう
考え方ひとつでもっと素晴らしい日々を送れることを
諭してやりたいが
事実つきつけられた目の病気に
私がどんな言葉をかけても
この人の思いは癒せない


分かっていることは
もう、この年になれば言わずもがな
ただ、うんうんと頷いて聞いてあげることを
私の信条にする以外
手立てはないものと思っている


好きなように時間を過ごしてください
韓流のテレビの時間は声をかけないわ
お肉が食べたいというのなら
今日は『すき焼き』にしました
そしたら、いつもよりも倍近く
ご飯を食べてくれるのでしょう?


鯛の潮汁が飲みたいというのなら
誕生日に合わせて作ってあげましょう


特別なことや
特別なお出かけは
その目の悪さから神経を使ってまで
やろうとは思わないんでしょ?


だから、せめて
今日という日は朝から抱きしめて始めましょう♪


また来年もこうして迎えられますように。


........................................................


そうして、5年経たずに
穏やかに、天国に登っていった


最後の最後、昏睡状態にはいる10日間以外は

お茶を飲むのも、
ご飯を食べるのも
私が母の背中に回り
聴力のある右耳に顔を近づけて
話しながら
密かに、母の背中を感じていた


静かになっていく母に
私は、幼い頃、甘えられなかった全ての思いをその背中の暖かさから
いつまで、こうしていられるだろうと
世話はしているものの
子供の頃の自分の気持ちを
母の背中にくっつけながら
去年の今日を過ごしてた


母は、去年の今日の夕方から
本格的な痴呆状態と、昏睡状態を繰り返すようになっていった


誕生日に大好きな
鯛の潮汁と茶碗蒸しが
去年は食べられずに、、、、。


今日は、そっと
供えてあげよう


88歳だよって




コメント (2)
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